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M&Aは中小企業を中心に増加傾向にあります。それに伴い、M&A関連の企業も増加しており、M&Aを支援する側の環境も整い、業界への就職・転職も活発になっています。
本記事では、M&A業界の現状と今後の動向を紹介します。M&A業界への転職を考えている人向けに、M&A業界の主要な業態・企業や、仕事内容、M&A業界に適している人材の特徴もまとめました。
近年、国内のM&A業界は、実施件数・総取引金額ともに増加傾向にあります。特に、事業承継・成長戦略の手段としての中規模・小規模なM&Aが広がっており、背景には中小企業の後継者問題や、国内の少子高齢化、M&Aの認知向上、国による事業承継の支援拡大などが挙げられます。
中小企業庁の発表によると、2014年に362件だった中小企業におけるM&Aの実施件数は、2022年には5,717件まで急増しています。まずは、M&Aの現状の詳細をみていきましょう。
M&Aであれば、親戚や従業員以外の第三者に会社を譲ることができます。そのため、少子高齢化が進む現代において、M&Aは中小企業の事業承継の有力な選択肢となっています。
中小企業経営者の高齢化は深刻で、2023年時点で経営者の8割が50歳以上、半数以上が60歳以上です。
これまでの事業承継では、親族承継・従業員承継が一般的でした。しかし、少子高齢化や将来への先行き不安、事業承継における金銭的な負担などを理由に、後継者が見つからない中小企業と、後継者に会社を継がせたくない経営者が増加。
2019年には、中小企業の廃業によって2025年までに約22兆円のGDPが喪失し、約650万人の雇用が失われる可能性があると試算されました。帝国データバンクによると、2019年の全国の後継者不在率は65.2%でした。
中小企業存続の危機的状況から国民生活と日本経済を守るため、国は中小企業の事業承継と廃業問題への対策を実施。中小企業庁は、全国47都道府県で「事業承継・引継ぎ支援センター」を設置し、事業承継計画の策定やM&Aのマッチング支援を無料で行っています。
M&Aや事業承継にかかる費用に対する補助金や税負担の軽減措置も開始されました。
国からの支援が拡大したこともあり、M&Aを含む第三者への事業承継は増加。2017年に約15.9%だった第三者への事業承継の実施割合は、2023年には20.3%まで上昇しています。さらに、2023年の全国の後継者不在率は53.9%と、帝国データバンクが調査を開始した2011年以降で過去最低を記録しました。
参考:経済産業省中小企業庁「事業承継・M&Aに関する現状分析と今後の取組の方向性について」
参考:株式会社帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2023年)」
参考:株式会社帝国データバンク「社長の平均年齢は60.4歳、過去最高を更新 50歳以上が8割を占める」
法改正により、M&Aが実施しやすくなったことも実施件数が伸びている一因と考えられます。2021年3月に、完全子会社にならない範囲で他の株式会社を自社の子会社とできる制度「株式交付制度」の大部分が施行されました。
通常M&Aでは、事業や株式を取得するために多額の現金が必要になります。そのため、資金不足によりM&Aを実施できないケースは珍しくありませんでした。
株式交付制度では、他の株式会社の株を取得するときに、現金ではなく自社の株式を対価にすることができます。
以前から、M&Aで他の企業を子会社化する手法の1つとして売り手企業の株主が保有している株式を買い手企業の株式に交換する「株式交換」は用いられてきました。
しかし、株式交換は、買い手企業が売り手企業の株式を100%取得し、完全子会社化を目的とするための手段であり、100%の親子関係を形成しない場合は活用できません。
株式交付制度によって、初めて自社株を対価に、完全子会社化にならない範囲で他社を子会社化できるようになったのです。買い手企業に多額の買収資金を用意する必要がなくなったことで子会社化のハードルが下がり、M&Aの実施を促したといえるでしょう。
事業承継を目的としたM&Aだけでなく、成長戦略の手段としてのM&Aや、DX(デジタルトランスフォーメーション)の手段としてのM&Aも増加傾向にあります。
M&Aでは、売買・合併・提携した相手企業の資本・人材・技術やノウハウを取得できます。自社が単独で事業規模の拡大・新規事業への参入を図るよりも、M&Aを実施するほうがスピーディーに企業を成長させることができるのです。
スタートアップ企業も成長戦略やイグジット戦略のためにM&Aを活用しており、スタートアップM&Aも増加しています。
また、DXの重要性の高まりもM&A増加に繋がっています。DXに向けた取り組みでは、業務効率化と生産性の向上、企業価値の向上を実現するため、デジタル技術を用いて業務プロセスの改善やビジネスモデルの変革、組織・企業文化の改革を実施しなければなりません。DXに必要なIT技術に精通した人材を確保するために、IT企業とのM&Aを実施する企業は増えています。
従来の日本ではネガティブイメージが強いM&Aですが、企業の成長やDXのためのポジティブなM&Aが増加し、成長戦略の1つとして受け入れられるようになっています。
大企業同士の大規模M&Aは、ピーク時と比較すると大きくは減少傾向にあります。
一般的に大企業同士のM&Aでは、無形資産やシナジー効果を評価されて加算される「買収プレミアム」が発生し、市場価格より高い金額で取引が成立します。
そのため取引金額が高額になりやすく、数百億、数千億円、場合によっては1兆円を超える超大型取引になることも。早期の投資資金の回収が難しく、リスクも大きいため簡単には実行できません。
また、大企業同士のM&Aが進み過ぎると、独占禁止法に抵触する恐れもあります。多くの業界で大手企業同士のM&Aによる経営統合は既に実施済みなので、近年では大規模M&Aの件数は落ち着いています。
買い手企業または売り手企業のいずれかが海外企業であるクロスボーダーM&Aは、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大によって大きく落ち込んでいました。しかし、2023年時点で、IN-OUT案件(国内企業が買い手側になるM&A)が回復してきています。
IN-OUT案件が増加している背景には、コロナ禍による活動制限が解除されたことや、国内市場が縮小する見込みであることが考えられます。
従来、クロスボーダー案件は大企業によるものが多かったものの、ここ数年は海外に市場・成長機会を求めて積極的にM&Aを実施する中堅企業が増加しています。
OUT-IN案件に関しては、グローバル化によって日本企業による外国企業との協業連携が進んだ2016~2018年ごろに一時拡大しましたが現在は減少しています。
そもそも約20年前からOUT-IN案件は、取引数も取引金額もIN-OUT案件を大きく下回る傾向がありました。これは日本の市場が小さいことや、許認可・規制の問題、価値観や社風がマッチしにくいなどといった要因が考えられます。
業界や事業規模によって多少傾向の違いはありますが、M&A業界は総じて取引件数が増加する見込みとなっています。
中小企業の後継者問題は、改善傾向にありますが、今後もしばらくは後継者不足が続くことが予想されており、中小企業の事業承継を目的としたM&Aの実施件数は増加が続くと見られています。
矢野経済研究所「国内中小企業M&Aのポテンシャル市場規模」調査によると、経営者が60歳以上の企業は全国に約9万3,000社あります。国内M&Aの潜在市場規模は約13兆5,000億円で、このうち事業承継M&Aの市場規模は約6兆3,000億円です。
同調査によると事業承継M&Aのピークは2035年ですが、2045年まで年間約9万社で経営者が60歳以上となるため、M&A需要は少なくとも今後20年に渡って続くと推計されています。
参考:日本経済新聞「事業承継M&A、潜在需要13兆円超 35年まで増加続く」
今後は、事業承継以外を目的とした小規模M&Aや個人M&Aの増加が見込まれています。
従来、M&Aというと大企業による市場シェアの拡大や破綻企業の救済、国際競争力向上のための提携・経営統合を目的とするイメージが大きかったでしょう。
しかし、事業承継の必要性から中小規模M&Aへの公的な支援が拡大したことで、民間のM&A支援会社も大幅に増加し、中小企業がM&Aを検討・相談しやすい環境になっています。
さらに、技術の進歩によってインターネットを介してM&A相手を探せるマッチングサイトも登場しました。M&Aマッチングサイトでは、企業だけでなく個人でもM&Aを実施できるようになりました。
M&Aマッチングサイトを使えば、個人が少額で会社を買収して、会社設立のコストや手間を省いて経営者になることも可能です。
気軽にM&Aを実施できるようになったことで、今後は小規模M&A・個人M&Aが活用される可能性が高いといえます。
M&Aの本場であるアメリカでは、スタートアップ企業の9割がM&Aによるイグジット(出口戦略)を選択しているといわれています。
日本ではやっとM&Aに対するネガティブなイメージが払拭され、ポジティブなM&Aが増えてきたところですが、今後は日本でもアメリカのようにM&Aイグジットを目指すスタートアップ企業が増えることが予想されます。
新しい技術やビジネスモデルを確立したベンチャー企業は買収対象となりやすく、バイアウトのためのベンチャー起業が成り立つのです。
既に国内外で、M&Aによるバイアウトのためにベンチャー起業と売却を繰り返し、売却益を元手に新規事業を次々と立ち上げるシリアルアントレプレナー(連続起業家)や、他社の事業を買収することで複数事業を同時並行的に運営するポートフォリオアントレプレナーのロールモデルがいます。
M&Aの認知度がさらに上がり、買収に抵抗感を持たない起業家がさらに増えれば、日本でもスタートアップのM&Aイグジットが増加するでしょう。
大企業同士の提携・経営統合のためのM&Aは沈静化していますが、一部の業界では業界再編のためのM&Aの増加が予想されています。
業界のライフサイクルは、導入期→成長期→成熟期→衰退期の4段階で進みます。業界の成長期では企業間の競争が厳しくなり、中小企業は生き残りをかけて、大企業はシェア拡大に向けてM&Aを検討・実行する傾向があります。
また、業界の市場規模が減少する見込みの業界・成熟期にある業界では、業界全体で成長がゆるやかになります。この時期には、シェア上位の大企業と中小企業の格差が開くため、経営資源の有効活用や経営の効率化のために統合する企業が増えます。
具体的には、下記の業界ではすでにM&Aが活発化しており、今後も業界再編が加速することが予想されます。
M&Aを業界別に解説した記事を一覧にしています。
M&Aの支援会社・専門家は、企業同士を結びつけるため、さまざまな業務の代行やサポートを行います。
ここでは、支援会社や専門家がどのようなサポート・マネジメントを行うのか業務内容について紹介します。
マッチング(案件開拓)とは、M&Aの相手を見つける業務です。売り手企業から提出された情報を元に、企業名を伏せた状態で売り手企業の業種や事業規模、売却理由、希望価格、希望するM&Aスキームなどをまとめた概要書を作成します。
そして、売り手企業の求める条件に合う買い手候補企業の選定を行います。
M&Aにおいて、マッチング業務は成功に向けた全ての始まりです。。売り手と買い手の目的が合致しており、親和性が高いことはもちろん、両社にとってシナジー効果が発揮できる相手なのかまで判断しなければなりません。
FA(フィナンシャル・アドバイザー)業務とは、買い手企業または売り手企業のために行われる、M&Aの一連の進捗・実務に関するアドバイスやサポートです。弁護士や司法書士など分野に特化した専門家とは異なり、M&A全般でクライアント企業が利益を最大化できる成約を行えるよう業務を行います。
買い手・売り手は必ずFAを依頼しなければならないというわけではありませんが、M&Aの準備から成約後の統合作業まで全行程においてアドバイスや相談ができるため、特に大手企業のM&Aで採用されます。
M&A支援会社により、買い手企業と売り手企業の条件交渉や契約交渉のサポート、資金調達のアドバイスなどを行います。
交渉自体は両社のトップ・経営者が行いますが、買い手企業と売り手企業は利益相反関係にあるため、M&Aの専門家が落としどころを見極めながら、合意内容の調整を行います。
なお、弁護士資格を持たない者がM&Aの交渉の代理を行い、報酬を得ることは、弁護士法第72条で禁止されています。そのため、M&Aの参加企業が代理人を立てる場合は、弁護士に依頼されます。
M&A支援会社は、M&A後に上手く統合できるよう経営者のサポート役として交渉を支援します。
一口にM&Aといっても、多種多様なスキーム(M&Aの手法)が存在します。買収するのか合併するのか、対価は現金で支払うのか株式を交付するのかなど、案件に最適なスキームを見極めなければなりません。
買い手企業・売り手企業の双方にメリットが大きいスキームを熟考して提案する必要があります。
スキームによっては、売り手・買い手のどちらかに負担が偏ったり、財務・税務・法務面での問題が発生したりすることもあるため、税理士や司法書士、弁護士など専門家の意見を聞きながら進めるのが一般的です。
バリュエーション(企業価値評価)とは、簡単にいうと「企業の値段」です。M&Aではこの「企業の値段」をベースに取引金額を決めるため、何を基準に企業の価値を算出するのかが重要になります。
上場企業であれば、株式が公開されているため、市場の株価から企業の価値を計ることができます。しかし、非上場企業であれば、客観的に企業の値段を算定するのは簡単ではありません。算定には専門的な知識・経験が必要なうえ、自社で行おうとすると客観性に欠ける結果が出かねないため、第三者である専門家に依頼するのが一般的です。
デューデリジェンス(DD)は、M&Aに参加している企業の法務・財務・税務・ビジネス・環境・ITなど各方面におけるリスク・問題点を調査・確認する業務です。対象企業に問題がないかを事前に調査しておくことで、M&A後のトラブルを防止します。
デューデリジェンスはM&Aの支援会社が実施するのではなく、法務なら弁護士、財務会計なら公認会計士、税務なら税理士と各分野の専門家にそれぞれ依頼されます。M&A支援会社は、専門家の紹介や問題発覚後の取引金額の調整などのサポートを行います。
M&Aの各プロセスでは、数多くの資料や契約書が作成されます。資料・契約書の作成には専門的知識が必要なので、M&A支援会社や専門家が作成のサポートを行います。
契約書や契約関連の資料に関しては、法的な知識が求められるため、実際には弁護士や司法書士が作成します。M&A支援会社は、買い手候補者のリストや売り手の情報をまとめた資料(ノーネームシート)や企業概要書などを作成します。
PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)は、M&Aが成立した後の統合プロセスを指します。M&Aの成功はPMIにかかっているといわれるほど重要なプロセスです。PMIによって、初めてシナジー効果の発揮や売上の拡大などM&Aの成果が期待されます。
対して、PMIに失敗すると、従業員の離職や取引先との関係悪化、シナジー効果の不発など、M&Aを実施した目的が達成されず、マイナスの影響が出かねません。
PMIでは、参加した企業のシステムやインフラの統合はもちろん、経営理念や経営戦略、企業文化、従業員の意識まで統合を目指します。基本的にはM&Aを実施した企業の経営陣が主導しますが、M&A支援会社や専門家もサポートを行います。
M&A業界では、担当する業務や役割、立場によって、さまざまな支援会社や専門家が存在します。どのようにM&Aに関わるのかが大きく違ってくるため、主な担当業務と主要な業態・企業、採用ターゲットについてみていきましょう。
マッチングを行うのは主にM&A仲介会社です。M&A仲介会社は、M&A全般の買い手企業・売り手企業の間に入って、中立的な立場から支援・マネジメントを行います。交渉や契約の支援も行いますが、業界における役割・機能的にはマッチングに分類されます。M&A仲介会社のマッチングを活用するのは、主に中小企業のM&Aです。
マッチングでは、M&Aの候補企業の掘り出しや選定も行います。そのため、M&A仲介会社の仕事の7割程度は営業となり、採用においては金融機関や法人・新規開拓、商社での営業経験などの高い営業力が評価されます。
近年登場したのが、M&A専門のマッチングサイトです。買い手企業と売り手企業をマッチングさせるためのプラットフォームで、M&Aを希望する企業が自分たちで相手を探すことができます。
オンライン上で完結させられるためコストは抑えられますが、基本的にはM&A仲介会社のような相手探しや交渉・契約のフォローはありません。そのため、1億円以下の小規模M&A・個人M&Aでよく活用されます。
FAS(フィナンシャル・アドバイザリー・サービス)は、FA業務を中心にM&A全般の業務サポートを行います。M&A仲介会社とは違い、マッチング業務も行いません。
買い手企業または売り手企業のどちらかと契約を結び、成約に向けたアドバイスを行います。クライアント企業の利益を最大化・リスクを最小化する役割を果たします。
M&Aの成約にフォーカスした業務となるため、金融機関の出身者や大手企業の財務部出身者、公認会計士・税理士が多く採用されています。
証券会社・銀行のM&A部門は、資金融資や資金調達においてM&Aと関わることになります。
また、証券会社・銀行では、M&Aの手続き全般をサポートするアドバイザリー業務も提供しています。アドバイザリー業務では上場企業の大規模M&Aに関わる機会が多く、就職・転職においても競争率が高いポジションです。
中途採用なら銀行・証券出身者または会計士といったハイクラス人材が採用ターゲットになっています。
業界機能の契約スキームに分類されるのは、法律事務所や税理士事務所です。一般的には、大手弁護士事務所が大手企業案件を、税理士事務所が中小企業案件の契約やスキームのチェックを行います。そのほか、節税対策や各種法務手続きをサポートします。
法律事務所・税理士事務所でM&Aに関わるためには、士業資格を取得しなければなりません。
バリュエーションやデューデリジェンスは、監査法人や士業事務所、コンサルティング会社に委託されるのが一般的です。
監査法人とは、企業の会計処理や決算が適切かを監査する専門家です。法定監査は公認会計士の独占業務なので、必ず公認会計士の資格を取得しなければなりません。
監査法人でのアドバイザリー業務ならコンサルティング経験が、監査の事務作業を行う監査アシスタントなら未経験でも採用される可能性があります。
PMIは、企業同士の統合に向けた施策の実施をおこなうため、M&Aのマッチングや契約交渉とは異なる分野といえます。そのため、PMI支援を行っているコンサルティング株式会社が入り、ハード面・ソフト面の統合とシナジー創出のために、個別にプロジェクトを立ち上げます。
PMIコンサルタントとしては、他のコンサルティング経験者や経営企画・人事に類似した経験を持っている人が採用される傾向があります。
投資ファンド(バイアウトファンド/PEファンド)は、自社で投資家から集めた資金を元手に買収を行い、企業価値を高めてから売却するビジネスモデルの企業です。他のM&A支援企業とは異なり、M&Aの実行やPMIを支援するのではなく、自社で買収を行います。
投資ファンドの採用では、主に投資ファンドでの実務経験者か戦略コンサルティングファーム経験者や資系投資銀行・日系証券会社でのM&A経験者に限られます。
今後も積極的な買収・合併・提携が進められていくと予想されており、M&A業界の成長性・将来性は高いといえます。一案件で扱う金額が大きく、M&A関連の企業では一般企業の年収と比べて高い年収が期待できます。
一方で、総合的なビジネススキルや高い人間力、専門的な知識・スキルを要することから、転職の難易度が高い業界でもあります。
ここからは、M&A業界の転職事情を紹介します。
M&A業界の平均年収は1,000万円を超えるといわれており、一般的な企業の年収と比べるとかなりの高収入です。
M&Aの規模にもよりもますが、多くのM&A仲介会社は取引金額の1~5%程度の成功報酬手数料を定めており、中小規模案件で300~500万円、大規模案件で1,000~2,000万円の報酬を受け取ります。
取引規模が大きければ、仲介会社に数億円入ることもあります。収益性が高いため、従業員にも高額なインセンティブが設定されています。そのため、成果を出せる能力がある人は、どんどん結果を出して、高収入を得られるのです。
M&A業界の年収は高い一方で、任される仕事の責任は大きいものです。そのため、M&A業界で働くためには高いスキルと経験が求められます。「M&A業界の主要な業態・企業」で紹介した通り、いずれの企業でも特に重視されるのは、M&Aに関連する専門知識と、類似する業務の実務経験です。
未経験からの転職も不可能ではありませんが、難易度は非常に高くなります。業界未経験の場合は、M&A業界でも活用できる資格が重視されます。
公認会計士・米国公認会計士(USCPA)・税理士・中小企業診断士・MBA(経営学修士)・日商簿記2級以上・ファイナンシャルプランナーなど
JMAA認定M&Aアドバイザー・M&Aスペシャリスト・M&Aエキスパート認定資格・事業承継士など
弁護士・司法書士・社会保険労務士など
もちろん、資格だけでなく、数字力・バイタリティ・対経営者の顧客折衝能力・渉外能力(交渉力・提案力・コミュニケーション能力など)・逆算能力・語学力など、ビジネスパーソンとして広い能力が求められます。高収入な分、求められるスキル・能力も高くなると考えましょう。
M&A業界は「ハードワーク」「激務」といわれています。平均残業30~50時間程度、多い時で80~100時間程度です。
例えば、M&A仲介会社のM&Aアドバイザー・コンサルタントは、M&Aを希望する企業に出向いて面談をするため出張が多く、週の半分を家を空けることになります。複数の案件を同時並行で進めることになるため、案件を獲得するほど業務と出張が増えます。
高額な報酬を設定していることもあり、常にお客様ファーストが求められます。深夜や休日に資料を作成したりM&Aに参加する企業とやり取りするなど、自身のプライベートな時間を削ってでも要望に応えなければならないシーンも出てくるでしょう。
M&A業界では、責任が大きくやりがいのある仕事を任せてもらえます。平均よりも大幅に高い年収も見込めるでしょう。一方で、ワークライフバランスを取るのは難しく、総合的に高い能力や経験が求められます。
そのため、下記のような人材に向いている業界といえます。
残念ながら、毎日定時退社したい人や、できるだけ楽に高収入を稼ぎたい人、泥臭い仕事を根気強く続けるのが苦手な人は、M&A業界に向いていません。
M&A業界ではビジネス・経営だけでなく、金融や法務・財務・税務・人事と多方面の知識を学ばなければなりません。仕事で関わるのは経営者や士業、金融機関のハイクラス人材です。
M&A業界で働くことで高いレベルの知識・経験・優秀な人材との関わりを得られるため、キャリアアップ意識が高い人に向いているといえるでしょう。
M&Aは企業同士の売買・統合です。M&A戦略立案から成立までは、短くても8ヶ月~1年程度はかかります。さらに、小規模案件でも数億円、大規模案件で100億や1,000億円という一般的なビジネスパーソンでは機会のない大きな金額を扱うことになります。
若いうちから大きな仕事をしたい人にとっては非常にやりがいのある業界といえます。
M&Aは、単に企業の行く末が決まるというだけではなく、従業員やその家族、取引先、顧客にも大きな影響を与えます。時には、業界や日本経済を動かすM&Aを成功させることになるかもしれません。
M&Aという大きな仕事には大きな責任やプレッシャーを感じる一方で、他の仕事では得られない達成感を味わうことができるでしょう。
M&A業界はインセンティブが大きいため、結果を出すことで初めて大きな報酬が発生します。また、若手でも個人の裁量権が大きく、全て自分でスケジュール管理やクライアントとのやり取りを行わなければなりません。
そのため、M&A成功のために自分の力を高めつつ、ストイックに仕事に取り組める人に向いています。
経営者にとってM&Aは大きな決断で、案件ごとにドラマがあるものです。M&A支援では、企業が抱える課題や将来について経営者と一緒に熟考を重ね、最適解を見出していきます。長期間クライアント企業と関わるため、M&Aが成功したときの感動は計り知れません。
もちろん、経営者からは目に見えて感謝の気持ちを伝えてもらえます。大きな感謝・成果を得たい人もM&A業界に向いているでしょう。
本記事では、M&A業界の現状や今後の動向をまとめました。経営者の高齢化に伴い、中小企業を中心にこれから20年以上はM&Aの需要は増え続けることが見込まれています。M&A業界は将来性のある業界といえるでしょう。
一方で、M&Aを支援する会社が増え、着手金目当てで強引に契約を迫る悪質な業者も出てきています。課題を抱える経営者が安心してM&Aを任せられる環境を守らなければなりません。
M&Aロイヤルアドバイザリーでは、「オーナー様のために、日本経済の未来のために、誠実に向き合いたい。」という想いから、着手金・月額報酬・中間報酬は一切受け取らず、完全成功報酬のみの料金体系を採用。オーナー様に寄り添った仕事を大切にしています。
もちろん、コンサルタントの能力や成果はしっかりと給与に反映しており、経験者を含む入社2年目以降の平均年収は2,400万円と業界内でも高収入を誇ります。
詳細はM&Aロイヤルアドバイザリーの採用サイトからご確認ください。
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