投資銀行とは?IBの業務や証券会社との違い、M&Aでの役割を解説

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投資銀行とは、企業の資金調達やM&Aの支援を行う専門機関です。投資銀行はIBとも呼ばれます。この記事では、投資銀行の基本的な業務内容やM&Aにおける役割、銀行や証券会社との違いをわかりやすく解説します。投資銀行とは何かを理解することで、ビジネス戦略に新たな視点を加える手助けとなるでしょう。

投資銀行とは?IBの概要をわかりやすく解説

投資銀行とは、有価証券を取り扱う金融機関であり、一般的な銀行や証券会社とは異なる特徴を持ちます。まずは、投資銀行の定義や歴史について説明します。

投資銀行の意味と定義

投資銀行とは、法人や政府に対して、資本市場を活用した財務アドバイザリーサービスを提供する金融機関の通称です。英語では「Investment Bank(インベストメントバンク)」と表記し、IBと略して呼ばれることもあります。

銀行という名前がついているため、銀行の一種と思われがちですが、投資銀行は銀行業ではなく証券業に該当します。一般的な銀行が行うような預金の貸し付けは行わず、有価証券の発行や売買に関する支援を行う点が異なります。

また、銀行は銀行法によって定義されていますが、投資銀行には明確な法的定義は存在しません。日本では、日本政策投資銀行(DBJ)のほか、メガバンクや証券会社なども投資銀行業務を行っており、これらの機関も投資銀行と呼ばれます。

投資銀行の役割

投資銀行は、株式や債券の発行を通じて企業が市場から資金を調達する支援を行うほか、IPO(新規公開株式)やM&A合併・買収)、企業再編、企業再生など企業に関するさまざまなサポートを行います。

投資銀行は企業の複雑な財務戦略の策定や実行をサポートすることで、企業価値の向上を目指し、M&Aの成功率を高めます。また、IPOを通じて企業が株式市場に上場する際のプロセスを支援し、マーケットでの資金調達を実現させる役割も担います。

さらに、投資銀行は経済動向や市場の変化をいち早く察知し、クライアントへ的確なアドバイスを提供することで、企業が持続可能な成長を遂げるための戦略的パートナーとして機能します。つまり、投資銀行の役割は、企業が財務的に安定するためのアドバイスを行い、資金を集める手助けを行うことです。

これらの業務を通じて、投資銀行は資本市場の活性化に貢献し、全体的な経済成長をサポートしています。

投資銀行の歴史

投資銀行の起源は19世紀のアメリカにさかのぼります。当時、商業銀行が預金や融資を主な業務としていた一方で、企業の資金調達や証券の引き受けを専門とする「投資銀行業務」が誕生しました。

その中でも、J.P.モルガンは鉄道や鉄鋼産業に巨額の資本を提供し、現代の投資銀行の原型を築いたとされています。しかし、1929年の世界恐慌を受け、1933年に制定されたグラス=スティーガル法により、商業銀行と投資銀行の業務が分離されました。この規制は金融の安定を目的としていましたが、1999年に撤廃され、再び多機能型の金融機関が誕生しました。

一方、日本では戦後、証券会社が急速に成長しました。特に野村証券や大和証券などが企業の株式や債券の発行を支援し、投資銀行的な役割を担うようになったのです。また、1950年代から1970年代にかけて、日本は高度経済成長を遂げました。その結果、企業の資金調達ニーズが急増し、証券会社を中心とした投資銀行業務が大きく拡大しました。

近年では、投資銀行の業務はM&Aや資本市場だけでなく、スタートアップ支援やESG(環境・社会・ガバナンス)といった新たな分野にも広がっています。投資銀行は、時代の変化に合わせて進化を続ける存在と言えるでしょう。

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    投資銀行(IB)の主な業務内容

    投資銀行(IB)の主な業務内容は次のとおりです。

    • M&A(合併・買収)支援
    • IPO(新規公開株式)支援
    • 法人の資金調達とコンサルティングサービス

    それぞれの業務についてわかりやすく解説します。

    M&A(合併・買収)支援

    投資銀行業務の一つが、企業のM&Aの支援です。M&Aとは企業間の合併や買収を意味します。投資銀行は企業が他社を買収する際に、企業価値の評価、買収計画の策定、資金調達のサポートなど多岐に渡る支援を行います。

    • 企業価値の評価:企業の財務状況や市場におけるポジション、将来の成長性などを分析する。
    • 買収計画の策定:どのように買収を進めるか、どのようなステップが必要かを詳細に設計する。
    • 資金調達の支援:借入金と株式をどのように組み合わせるか、最適な資金調達戦略を提案する。

    さらに、M&Aを円滑に進めるためには、法律や財務に関する専門的なアドバイスも必要です。投資銀行はこれらの分野での豊富な知識と経験を活かし、リスク管理や法令遵守を徹底しながらクライアントを支援します。特に、企業文化や経営スタイルが異なる企業同士の合併では、投資銀行は調整役として両社の協力体制を構築し、最良の結果を実現するためのサポートを行います。

    M&Aの成功は、企業の競争力を大幅に向上させ、新たな市場へのアクセスや技術の獲得、そして持続的な成長のための基盤を築くことに寄与します。企業はこうした投資銀行のサポートを受けることで、より戦略的かつ効果的にビジネスを拡大していくことが可能になります。

    IPO(新規公開株式)支援

    投資銀行は、企業のIPOを支援する役割も担っています。IPOとは、企業が自社の株式を一般に公開し、市場に参加するプロセスを指します。これは企業にとって、資金調達やブランド価値の向上を図るための重要な一歩です。

    IPOの実施には、多くの複雑な手続きが伴います。

    • 企業の調査:企業の財務状況、ビジネスモデル、将来の成長性を調査し、IPOが適切か判断する。
    • 株式の適正価格を設定:市場動向や投資家の関心を考慮し、市場に出す最適なタイミングを見極める。
    • 法的手続きのサポート:企業がIPOの法的要件をクリアできるよう、全面的なサポートを提供する。

    また、投資銀行は企業の幹部と密接に連携し、投資家向けのプレゼンテーションを準備します。これには、企業のビジョンや成長戦略を効果的に伝えるための資料作りが含まれます。さらに、ロードショーと呼ばれる投資家への説明会を実施し、企業の魅力を直接伝える機会を作ります。投資家に企業の強みや将来性を理解してもらうことで、信頼関係を築くことが可能になります。

    IPO後も投資銀行は企業の支援を継続することが一般的です。また、新規上場後の株価安定を図るため、市場での動きを監視し、必要に応じて追加のサポートを提供します。これにより、企業が市場での地位を確立し、成長を続けるための土台を築くことができます。

    法人の資金調達とコンサルティングサービス

    投資銀行は、企業や政府が必要な資金を調達するためのサポートも行っています。具体的には、以下の役割を果たします。

    • 資金調達の支援:株式や債券を発行して資金を集める手伝いを行う。
    • 資金調達の提案:企業の財務状態に合わせて最適な資金調達方法を提案する。
    • 財務問題に関するコンサルティング:企業が抱える問題について、財務戦略の策定やリスク管理のアドバイス、資本構造の最適化などを行う。

    投資銀行は顧客のニーズや要望に合わせて市場の動向を詳しく分析し、最適な戦略を提案します。これにより、企業は市場の変化に柔軟に対応し、競争力を維持できます。また、資金調達の過程で生じる法的・規制的な問題についても専門的なサポートを行い、安心してプロセスを進められるよう支援します。

    ECMとDCM業務

    投資銀行の資金調達の手段として、株式を発行する方法と債権を発行する方法があります。前者をECM、後者をDCMと呼びます。

    • ECM(エクイティキャピタルマーケット)

    ECM(エクイティキャピタルマーケット)は、株式の発行を通して資金調達を支援する仕組みです。投資銀行のECM部門は、資本市場の動向や投資家のニーズを的確に把握し、最適なタイミングと条件で資金調達を実現するための設計が求められます。

    具体的には、ECM部門は発行体との協議を通じて調達額や発行方式を決定し、引受業務や投資家向けのマーケティング活動を行います。市場の信頼を損なうことなく、企業が成長戦略を推進するための資本を安定的に確保できるよう支援することが大切です。

    • DCM(デットキャピタルマーケット)

    DCM(デットキャピタルマーケット)は、債券を活用して資金調達を支援する仕組みで、企業や自治体が社債、劣後債、サムライ債などを発行する際にサポートします。中長期的に安定した資金を確保する手段として、借り入れに代わる柔軟な選択肢を提供することが特徴です。

    DCM部門では、市場環境や金利動向を考慮し、最適な発行条件の設計や投資家向け資料の作成を行います。また、発行後の流通管理も担当します。これらのプロセスを通じて、企業がスムーズに資金調達を実現できるよう支援するのがこの部門の役割です。

    投資銀行(IB)の主な部門

    前述した通り、投資銀行にはメガバンクや証券会社も含まれ、投資銀行業務のみを担っているわけではありません。投資銀行は、クライアントの多様なニーズに応えるために複数の部門が連携してサービスを提供しています。

    • 投資銀行部門(IBD)
    • マーケット部門
    • リサーチ部門
    • アセットマネジメント部門

    それぞれについて解説します。

    投資銀行部門(IBD)

    投資銀行部門(IBD)は、企業の資金調達やM&A、IPOの支援など、投資銀行業務の中心となる部門です。この部門はさらに、M&Aアドバイザリー部門、IPO部門、ECM部門、DCM部門など、専門的な分野に細分化されることがあります。

    資金調達においては、株式資本市場を利用した新株発行や、債券資本市場を通じた社債発行などを手掛け、クライアントの財務戦略を支援します。一方、M&A業務では、買収ターゲット企業の選定、企業価値評価、買収方法の提案、交渉支援などを行い、取引を成功に導きます。

    また、法律や会計の知識を活用してクライアント企業の課題を的確に分析し、企業価値の最大化を目指す最適な戦略を提案します。IBDは、企業の成長や再編を効果的に支援する重要な役割を果たしています。

    マーケット部門

    マーケット部門は、株式、債券、デリバティブなどの金融商品の売買を担当し、市場の流動性を提供する役割を担います。この部門には、クライアント向けに取引の提案や販売を行うセールスと、実際に取引を執行するトレーディングが含まれます。さらに、価格を提示して市場の流動性を保つマーケットメイキングも重要な業務です。

    一部の投資銀行では、自社資金を用いた取引(自己勘定取引)を行うこともありますが、現在は規制により制限されている場合があります。マーケット部門の専門家は市場の動向を迅速に分析し、クライアントに的確な取引の機会を提供します。

    リサーチ部門

    リサーチ部門は、経済、産業、企業に関する詳細なリサーチを行い、投資判断に必要な情報を提供する役割を担っています。この部門のアナリストは、産業動向や企業の業績を分析し、投資家に向けて有用なレポートを発行します。

    リサーチには、エクイティリサーチ(株式分析)やクレジットリサーチ(債券分析)などの分野があり、それぞれ特化した専門知識を活かして情報を提供します。また、リサーチ部門は、外部のクライアントだけでなく、社内のマーケット部門やIBDにも情報を提供し、取引や戦略立案を支援しています。

    アセットマネジメント部門

    アセットマネジメント部門は、個人投資家や機関投資家に対して資産運用サービスを提供します。この部門は、株式や債券、不動産、インフラ投資、プライベートエクイティなど、多様な資産を運用し、クライアントの資産価値を最大化することを目指します。

    具体的には、投資ポートフォリオの構築やリスク管理を行い、長期的な資産成長をサポートします。また、年金基金や大学基金といった機関投資家向けの運用は、アセットマネジメント部門の主要な業務の一つです。この部門の専門家は、クライアントの投資目標やリスク許容度に応じた最適な運用戦略を設計し、運用成果の向上を図ります。

    投資銀行(IB)と他の金融機関との違い

    投資銀行は、一般的な銀行や証券会社とは異なります。それぞれの金融機関には独自の機能と専門性があり、資本市場において重要な役割を担っています。投資銀行と似た機関との違いについて触れていきます。

    • 商業銀行
    • 証券会社
    • 信託銀行
    • PEファンド
    • FAS
    • M&A仲介会社

    それぞれの役割の違いについて解説します。

    商業銀行との違い 

    一般的な銀行を「商業銀行」といいます。商業銀行とは、個人や企業から預金を受け入れ、その資金を貸し出すことで利ざやを得る「預貸業務」を主な業務とする金融機関です。具体的には、ATMや口座管理、振込、クレジットカードの発行といった、日常生活に密着した金融サービスを提供しており、経済のインフラとして重要な役割を果たしています。

    一方、投資銀行は預金や貸し付けといった業務は行わず、企業の経営戦略に深く関わる資金調達やM&Aの支援を専門としています。投資銀行の役割は、企業が株式や債券を発行して資金を調達する際の助言や実務的なサポート、また合併や買収における戦略的なアドバイスなど、多岐にわたります。

    商業銀行が「お金を預けたり借りたりする仕組み」を提供することで資金を循環させる役割を担う存在であるのに対し、投資銀行は「企業の資本構造や経営戦略に踏み込んで助言を行う」専門家としての役割を果たしていると言えるでしょう。

    証券会社との違い 

    証券会社は、主に個人投資家や機関投資家を対象に、株式や債券、投資信託などの売買を仲介し、取引手数料を主要な収益源としています。また、自己勘定取引(自社資金を使った金融商品の売買)や、企業が株式や債券を発行する際の引受業務を行うなど、投資銀行業務の一部も担っています。さらに、市場動向の情報提供や資産運用のアドバイスを通じて、投資家の幅広い投資活動を支える役割も果たしています。

    一方、投資銀行は主に法人を対象とし、企業の資金調達、M&AやIPOなど、経営戦略に直結する支援を専門としています。また、金融商品の設計、デリバティブ取引の提供、市場リスク管理の助言といった高度な専門業務も担っています。さらに、一部の投資銀行やその関連会社では、富裕層向けの資産運用サービス(プライベートバンキング)を提供する場合もあります。

    証券会社は個人や投資家の投資活動を支える一方で、投資銀行は企業の成長や経営戦略を支援する役割を担っています。ただし、投資銀行業務を行う証券会社を投資銀行と呼ぶケースも多く、両者は金融市場において同義に扱われることもあります。

    信託銀行との違い 

    投資銀行と信託銀行の違いは、主な役割や対象領域にあります。

    信託銀行は、個人や法人の財産を長期的に管理・運用することを主な役割としています。具体的には、遺言信託や不動産信託、年金信託などを通じて、相続や資産承継、企業年金の運営を支援し、信託報酬を収益源としています。また、証券代行業務や不動産関連サービスなど、専門的かつ継続的な資産管理サービスを提供する点が特徴です。

    一方、投資銀行の対象は法人であり、主に有価証券を通じた資金調達や経営支援が中心です。信託銀行が「財産の長期的な管理や運用」に特化しているのに対し、投資銀行は「企業の戦略的支援」を専門としており、それぞれ異なる役割を果たしながら金融市場の中で補完的に機能しています。

    PEファンドとの違い 

    PEファンドは、投資ファンドの一種です。投資銀行とPEファンドの違いは資金調達の目的と立場、役割にあります。

    PEファンドは自己資金や投資家から集めた資金を用いて企業の株式を取得し、経営権を握ることで企業経営に直接関与します。また、PEファンドの目的は、企業価値を向上させた後、株式を購入時よりも高い価格で売却し、投資家にリターンをもたらすことです。具体的には、経営陣の入れ替えや事業ポートフォリオの見直し、財務戦略の再構築など、企業改革を主導することが多く見られます。

    一方、投資銀行は投資家と企業の仲介役としての立ち位置であり、PEファンドや企業に対して、M&Aや資金調達に関する助言を行う「アドバイザー」としての役割を担います。また、企業が売却や買収を検討する際の企業価値評価や実行プロセスの支援を行います。投資銀行はM&Aに限らず、企業の株式や債券発行を通じた資金調達や経営戦略全般のサポートも行います。

    投資銀行とPEファンドは、M&Aの場面で連携することもありますが、PEファンドが「買い手」として企業を直接所有・経営するのに対し、投資銀行は「助言者」として取引を支援する立場である点が大きな違いです。

    FASとの違い 

    財務に関するアドバイスやサポートを提供している会社としてFAS(ファイナンシャル・アドバイザー・サービス)も存在します。投資銀行とFASは関与する範囲や専門性に違いがあります。

    FASは、主に監査法人やコンサルティングファームが提供するサービスで、M&Aに伴う財務・会計面の実務を専門としています。具体的には、企業価値評価(バリュエーション)、財務デューデリジェンス(対象企業の財務状況やリスクの調査)、PMI支援などを行い、M&Aの準備や実行を支える役割を果たします。FASは、特に財務データや会計の専門知識を活用した分析に強みを持っています。

    その一方で、FASは資金調達に関する支援は行わず、新株を発行した際の引き受けや販売に関しては投資銀行に依頼することになります。このように投資銀行とFASは領域や専門分野に違いがあると言えるでしょう。このため、投資銀行とFASはそれぞれの専門性を活かし、M&Aの場面では補完的な関係を築きながら企業を支援することもあります。

    M&A仲介会社との違い 

    投資銀行とM&A仲介会社は、どちらも企業のM&Aを支援する存在ですが、FASと同じく関与のスタンスや対応範囲に大きな違いがあります。

    M&A仲介会社は、主に中堅・中小企業を対象に、売却や買収を成立させるための交渉や調整を中心に支援を行います。比較的小規模な体制で、初期相談から契約締結後の経営統合(PMI)まで一貫してフォローアップを行う点が特徴です。仲介会社は、実務的で現場に密着したサポートを得意としています。

    一方、投資銀行は大規模なM&A案件を取り扱うことが多く、M&Aにとどまらず、資金調達や財務戦略の立案など、包括的で高度な金融サービスを提供します。投資銀行が「大規模取引を中心にした戦略的支援」に強みを持つのに対し、M&A仲介会社は「中堅・中小企業に寄り添った実務的な支援」を得意としており、それぞれ異なる役割を担いながら企業再編を支えています。

    中小企業を支援する機関、大企業を支援する機関

    個人や中小企業を対象とする機関

    中小企業を対象とする金融機関は、地域社会や日常生活に密着したサービスを提供しています。これらの機関は、預金や融資、日々の取引支援を通じて、個人の暮らしや中小企業の経済活動を支える役割を担っています。

    •  商業銀行
    • 信用金庫・信用組合
    • M&A仲介会社
    • 証券会社(リテール部門)
    • 信託銀行(個人・中小企業向け業務)

    大企業や政府機関を対象とする金融機関

    大企業や政府機関を対象とする金融機関は、経済全体の成長を支える大規模な取引や財務戦略の支援を主な業務としています。これらの機関は資本市場を駆使し、専門性の高いサービスを通じて、複雑な経営課題や国家規模のプロジェクト実現を助けています。

    • 投資銀行
    • FAS
    • PEファンド
    • 信託銀行(大企業・政府機関向け業務)
    • 証券会社(ホールセール部門)

    日本の主な投資銀行の種類

    日本で事業を展開する主な投資銀行や投資銀行業務を担う証券会社を紹介します。 

    • 外資系投資銀行
    • 日系大手証券会社
    • 日系準大手証券会社

    外資系投資銀行 

    外資系投資銀行は、グローバルに展開する金融グループの日本法人または支店として、日本国内でもハイエンドな投資銀行業務を展開しています。外資系投資銀行は、主にグローバル企業や政府系ファンドを顧客とし、国際的な案件に特化しています。英語による対応力やスピードを重視する企業文化も特徴です。 

     代表的な外資系投資銀行は、次のとおりです。 

    • ゴールドマン・サックス証券 
    • モルガン・スタンレーMUFG証券 
    • JPモルガン証券 
    • BofA証券 
    • シティグループ証券 

    日系大手証券会社 

    日本では、海外のように独立型の専業投資銀行は少なく、主に証券会社やメガバンクの一部門として投資銀行業務を担っているケースが一般的です。日本の証券市場で長年の実績を持ち、高いブランド力を背景に、M&AやIPO、株式・債券の引き受けなど多岐にわたる業務を展開しています。 

    国内外の大企業を主な顧客とし、グローバル案件にも対応可能な体制を整えています。特に、クロスボーダーM&Aやグローバルオファリングといった高度な取引では、豊富な実績と専門チームの存在が大きな強みです。 

    投資銀行部門がある証券会社は次のとおりです。 

    • 野村證券 
    • 大和証券 
    • みずほ証券 
    • SMBC日興 

    日系準大手証券会社 

    日系準大手証券会社は、大手証券会社に比べ規模はやや小さいものの、特定分野や中堅企業向けに強みを持ちます。証券業務に加え、M&Aや資金調達支援などの投資銀行機能を併せ持つことが特徴です。

    主に中堅・中小企業を顧客とし、事業承継や地場産業の資本政策支援に注力しています。地域金融機関や地元企業とのネットワークを生かした提案力が強みです。 

    代表的な日系準大手証券会社は、次のとおりです。 

    • 岡三証券 
    • 東海東京証券 
    • いちよし証券 
    • 岩井コスモ証券 
    • 丸三証券 

    M&Aで投資銀行を活用すべきケース 

    投資銀行を活用すべきM&Aの場面は次のとおりです。

    • 大型M&A 
    • クロスボーダーM&A 
    • 業界再編を伴うM&A 
    • 上場企業の非公開化(ゴーイング・プライベート) 
    • 敵対的買収 

    それぞれをわかりやすく解説します。 

    大型M&A 

    取引金額が数百億円を超えるような案件では、単なる企業売買にとどまらず、資金調達の設計やバリュエーション(企業価値評価)の精緻化、さらには法務・税務・会計など、多方面にわたる高度な対応が求められます。 

     買収スキームも複雑になりやすく、LBO(レバレッジド・バイアウト)や合併、持株会社の活用といった構造を採用することも珍しくありません。こうした案件では、投資銀行がプロジェクトの中核を担い、多様な専門家を束ねながら、全体を統括する役割を果たします。 

    クロスボーダーM&A 

    海外企業を対象としたM&Aでは、取引相手国の法制度や税務、開示基準、外資規制といった制度面に加え、商慣習や言語、文化の違いも考慮する必要があります。さらに、為替変動リスクや現地政府との関係、クロスボーダー特有のディールスキーム設計といった点も、プロジェクトの進行における重要な論点です。 

    業界再編を伴うM&A 

    同業他社との統合やグループ再編を目的としたM&Aは、単なる企業単体の利益追求にとどまらず、業界全体の構造に影響を及ぼすケースが少なくありません。こうした取引では、競争環境や市場シェア構造の把握に加え、統合によるコスト削減や成長余地の定量的な分析が不可欠です。また、独占禁止法(公正取引法)への適合性や、ステークホルダーへの影響も慎重に検討する必要があります。 

    特に市場が成熟または過渡期にある場合には、業界全体の中長期的な再編の方向性を見据えた戦略提案が求められます。 

    株式の非公開化(ゴーイング・プライベート) 

    上場企業が株式を非公開化する取引では、TOB(株式公開買付)やMBO(経営陣による買収)といった手法が一般的です。対象企業の既存株主に対する説明責任や、買付価格の妥当性確保、インサイダー情報への配慮、開示手続きの厳格な順守など、高度かつ繊細な対応が求められます。 

    さらに、上場廃止までのスケジュール管理に加え、従業員や取引先との関係調整、市場およびメディアへの説明対応も重要な要素です。こうした一連のプロセスを円滑に進めるには、法律や会計、金融の専門知識に加え、広範な利害関係者を見渡す視野と全体調整力が不可欠です。 

    敵対的買収 

    企業側の同意を得ずに進められる買収は「敵対的買収」と呼ばれ、通常のM&Aとは異なり、より高度な対応が求められます。買い手企業側は、TOB(株式公開買付)を仕掛けるタイミングや買付条件の設計に加え、世論や株主の反応も意識した慎重な進行が必要です。 

    一方、防衛側は、ポイズンピル(新株予約権の発行)やホワイトナイトの導入、株式持ち合いの強化など、複数の対抗策を検討します。こうした局面では、法務・IR(広報)・資本政策といった要素が複雑に絡み合い、対応の遅れが経営権の喪失に直結するリスクもあります。 

    M&Aで投資銀行を利用するときのポイント 

    M&Aで投資銀行を利用するときのポイントは、次のとおりです。 

    • 案件の難易度や規模を見極める 
    • なるべく早い段階で相談する 
    • 支援内容と報酬体系を事前に確認する 
    • 得意分野や業界知見の有無をチェックする 

    それぞれを詳しく解説します。 

    案件の難易度や規模を見極める 

    投資銀行は、大規模なM&Aにおいて、多く活用されます。一方、比較的小規模な事業承継や地域密着型のM&Aでは、仲介会社や独立系アドバイザーの方が、コスト面や柔軟性の観点から適している場合もあります。 

    まずは、自社の置かれた状況とM&Aの目的を整理し、どのレベルの専門的支援が必要かどうかを見極めることが肝要です。 

    なるべく早い段階で相談する 

    M&Aを検討し始めた段階で、できるだけ早期に投資銀行へ相談することが望まれます。戦略立案や候補先の選定基準の策定、アプローチ資料の準備といった初期フェーズの質は、その後のプロセス全体に大きな影響を及ぼします。 

    早い段階から支援を受けることで、情報管理や交渉戦略を事前に整理でき、意思決定のスピードと確実性が格段に高まります。 

    支援内容と報酬体系を事前に確認する 

    投資銀行と契約を交わす際には、どこまでの業務を依頼できるのか、また報酬体系がどのように構成されているのかを、事前に正確に把握しておくことが重要です。 アドバイザリー契約では、着手金や月額報酬、成功報酬が組み合わされるケースと成功報酬のみのケースがあり、案件の規模や難易度に応じてその金額や割合が変動します。

    契約条項を十分に確認し、自社のニーズや意思決定の進め方と整合しているかどうかを慎重に見極める必要があります。 

    得意分野や業界知見の有無をチェックする 

    投資銀行には、それぞれ得意とする業種や支援領域があり、強みは一様ではありません。例えば、製造業の再編に強みを持つ日系投資銀行、クロスボーダーM&Aに精通した外資系投資銀行、IPO支援や資本政策を中心に展開する企業など、その特色は多岐にわたります。 

    過去の実績や担当者の経歴を確認することで、業界特有の課題を深く理解しているアドバイザーを見つけやすいでしょう。 

    投資銀行が関与したM&A成功事例 

    投資銀行や証券会社の投資銀行部門が関与したM&A成功事例を紹介します。 

    ソフトバンクグループによるARMの買収(2016年) 

    2016年、ソフトバンクグループは英国の半導体設計大手ARMを約3.3兆円で買収し、日本企業による過去最大級のクロスボーダーM&Aを実現しました。買収にはゴールドマン・サックスなどのグローバル投資銀行が関与し、資金調達やスキーム設計、各国の規制対応まで多方面で支援しました。 

    ARMはIoTやスマートデバイス分野に強みを持ち、ソフトバンクの成長戦略における中核的存在でした。買収は短期間で完了し、戦略的な意思決定と関係機関との連携が成功を支えました。本件は、グローバル展開を目指す日本企業にとって象徴的なM&A成功事例です。 

    武田薬品工業によるシャイアー買収(2018年) 

    2018年、武田薬品工業はアイルランドの大手製薬会社シャイアーを約6兆8000億円で買収し、日本企業による過去最大規模のクロスボーダーM&Aを実現しました。買収には野村證券が財務アドバイザーとして参画し、買収スキームの構築から資金調達のアレンジメントまで包括的に支援しました。 

    資金面では、複数通貨建ての社債発行やローンを組み合わせ、調達コストの最適化が図られました。この取引は金額の大きさに加え、法規制、通貨、会計、税務といった多面的な要素が絡む高難度案件であり、投資銀行の高度な専門性と国際的な調整力が発揮された象徴的な事例です。 

    NTTによるNTTドコモの完全子会社化(2020年) 

    2020年、NTTはNTTドコモを完全子会社化するため、約4兆円規模のTOB(株式公開買付)を実施し、親子上場の解消を実現しました。この案件は、企業統治や株主平等の観点からも注目を集めた象徴的な取引であり、市場の信頼性確保と株主の公平な取り扱いが重要な論点となりました。 

    野村證券は財務アドバイザーとして参画し、買収価格の妥当性評価、TOBスキームの設計、株主対応やディスクロージャーなど、戦略面から実務面まで幅広い支援を提供しました。上場企業を対象とした大規模TOBは迅速かつ慎重な進行が求められる中、投資銀行の専門的な知見と実行力によって、円滑な手続きと確実な取引完了が実現された成功事例といえます。 

    投資銀行(IB)が企業のビジネスにもたらす影響

    投資銀行がクライアント企業のビジネス戦略にどのような影響を与え、役割を果たすかについて解説します。

    資金調達支援による長期的成長の促進

    企業や政府に対する資金調達の支援は企業の長期的な成長に大きく貢献します。例えば、企業が新たなプロジェクトを始めたり、事業を拡大したりする際には、多額の資金が必要になります。投資銀行は株式や債券を発行することで、必要な資金を市場から集める手助けをします。これにより、企業は必要な資金を効率的に調達できるのです。

    具体的には、投資銀行は企業の財務状況や市場の動向を綿密に分析し、最適な資金調達方法を提案します。例えば、企業が将来的にどのように成長したいのか、どのようなリスクを取る準備があるのかといった要素を考慮しながら、株式を発行するのが良いのか、あるいは債券を発行するのが良いのかを判断します。これにより、企業は成長のための資金を必要な時に、最も効果的な方法で集めることができるのです。

    意思決定支援による競争力の維持

    また、投資銀行は資金調達のサポートだけでなく、企業の複雑な財務問題に対するコンサルティングも行っています。例えば、企業がどのように資本を最適化するか、どのようにリスクを管理するかといった問題について、専門的なアドバイスを提供します。これは、企業が市場の変化に適応し、競争力を維持するために非常に重要です

    さらに、投資銀行は資金調達の過程で生じる法的・規制的な問題についても詳細なサポートを行います。これにより、企業は安心してプロセスを進めることができ、資金調達に伴うリスクを最小限に抑えることができます。

    投資銀行は単に資金を提供するだけではなく、企業の成長を支え、戦略的な意思決定をサポートする重要な役割を果たしています。投資銀行の専門知識と豊富な経験により、企業は複雑な経済環境の中でも効果的に資本を活用し、持続的な競争力を保つことができるのです。これが、投資銀行が企業にとって不可欠な存在である理由です。

    財務分析によるビジネス基盤の整備

    財務状況を改善することは、製品の開発や生産能力の拡大、人材の確保、そして市場での競争優位性を築くための基盤です。特に急速に変化する市場では、迅速かつ効果的に資金を調達することが競争力の維持に直結します。

    投資銀行は、企業が必要な資金を効率的に調達するための専門知識とネットワークを提供します。投資銀行が企業の財務状況を分析し、最適な資金調達方法を提案することで、企業が直面する資金的な課題が解決されやすくなるのです。

    資金調達は単なる資金の獲得にとどまらず、企業のビジネスモデルや経営戦略にも大きく影響します。適切な資金調達を行うことで、企業は新しいビジネスチャンスに迅速に対応でき、成長戦略を実現しやすくなるでしょう。また、資金調達は企業の信用力を高め、投資家や取引先からの信頼を得るためにも重要で、企業の持続的な成長への足掛かりとなります。

    IPO支援による安定運営と発展の実現

    投資銀行は、企業が株式を市場で公開するプロセスであるIPOにも深く関与しています。IPOは企業が初めて株式を一般投資家に販売することで、これにより企業は多額の資金を調達できるのです。この資金は、新規プロジェクトや事業拡大、研究開発に使われ、企業の成長を後押しします。また、IPOを通じて企業はブランド力や信頼性を増し、社会的信用を高めることができるでしょう。

    IPOのプロセスは複雑で、証券取引所の基準を満たす必要があります。具体的には、企業の財務情報やビジネスモデルを詳しく公開し、法律や規制を遵守しなければなりません。このため、IBや法律事務所など、専門家から支援を受けるのが理想的です。IBからの支援によって、企業は内部管理やガバナンス体制を強化し、長期的に安定した運営ができるようになります。

    IPOは経営陣や初期投資家にとって、株式を売却することで資金を回収する手段にもなります。IPOによってさらなる投資機会を探ることで、企業の長期的な発展に貢献できるのです。

    多様なサービス提供による企業価値の向上

    投資銀行は新しい収益源を求めてサービスを多様化しています。資産の効果的な管理やリスクの最小化を目的としたデリバティブ取引など、専門的な金融サービスを提供することで、顧客の多様なニーズに応えています。これにより、投資銀行はより広範なサービスを提供し、顧客との関係を深めています。

    加えて、インターネット時代における現代の投資銀行はフィンテック技術を積極的に導入しています。例えば、AIを活用した市場分析により、より迅速で正確な情報を提供することが可能です。また、ブロックチェーン技術を用いることで、取引の透明性が向上し、信頼性の高い金融サービスを提供することができます。これらの技術革新は、投資銀行が効率的で効果的なサービスを提供し続けるための鍵となっています。

    さらに、投資銀行は環境・社会・ガバナンス(ESG)に関連する投資商品やコンサルティングサービスを通じて、新しい市場を開拓しています。持続可能な成長を目指し、ESG基準を満たす投資商品を提供することで、社会的責任を果たしつつ収益性を追求しています。これにより、投資銀行は経済環境の変化に柔軟に対応しながら、企業価値の向上を図っています。

    総じて、投資銀行はその多様なサービスと先進技術の導入を通じて、金融業界での競争力を維持し続けています。これにより、顧客にとっては信頼できるパートナーとしての地位を確立し、収益の安定化と持続可能な成長に貢献しています。

    まとめ|インターネット時代における投資銀行の役割と今後の展望

    投資銀行は、企業の資金調達やM&A、IPOといった活動をサポートする役割を果たしています。企業が必要とする資金を提供し、市場での取引を活発にすることで、経済全体が活性化されているのです。投資銀行の重要性は、単に資金調達を実現させるだけでなく、企業の複雑な金融問題を解決するためのアドバイスを提供するところにもあります。こうしたサポートのおかげで、企業は新しい市場に進出したり、競争力を維持したりすることができます。

    これからのIB業界は、インターネットやデジタル技術の進化とともに大きく変わっていくと考えられています。フィンテックの進化やAI技術の導入により、これまでの業務がより効率的になり、新しい金融商品やサービスが生まれることが期待されています。

    また、環境や社会、ガバナンス(ESG)に配慮した投資戦略を提供することが求められています。これにより、投資銀行は単なる金融サービスの提供者ではなく、社会に価値を生み出す存在として、さらに重要になっていくでしょう。したがって、IBはこれからも企業の成長を支える重要なプレイヤーとして、経済の活力を引っ張っていくことが期待されています。

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