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親族外承継とは、後継者を親族以外の人物に引き継がせる承継方法を指します。現代では少子高齢化や核家族化により、後継者不足が深刻な問題となっており、親族外承継が新たな選択肢として注目を集めています。
本記事では、親族外承継の基礎からメリット・デメリット、手続きの流れや成功のためのポイントまでを詳しく解説します。また、親族外承継を円滑に進めるための方法や制度の活用法についても触れ、事業を次の世代へと引き継ぐための有益な情報を提供します。親族外承継の選択を検討する経営者の方々にとって、第一歩を踏み出すための参考になれば幸いです。
目次
親族外承継とは、企業を次世代へ引き継ぐ際に、経営権や資産を親族以外の人物に承継する手法を指します。親族外承継は、親族内承継が困難な場合や、より適切な後継者を外部から選定したい場合に選ばれることが多いです。特に、少子高齢化が進む中で、親族内での後継者が見つからないケースが増えており、親族外承継は事業を存続する上で重要な選択肢となっています。
親族外承継の目的は、事業の持続的発展と経営の安定を図ることであり、事業承継の選択肢として重要な役割を果たしています。親族内での後継者が見つからない場合や、専門的な経営スキルが必要な場合において、企業の将来を見据えた最適な選択肢になります。
親族外承継の中でも、役員や従業員への承継は、企業文化の継続や社員の雇用維持を図りつつ、新たな視点や経営手法を取り入れることで、企業全体の競争力を向上させることが可能です。
また、M&Aや他社への承継は、企業の資産やノウハウを次世代に引き継ぐ際の一つの手段として注目されています。親族外承継の中でもM&Aは、親族内承継に比べ、外部からの新しい知識や技術を活用できる点が特徴です。特に成長市場への進出や事業の多角化を目指す企業にとって、M&Aは有効な戦略となります。
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親族外承継には大きく分けて、「社内承継(役員・従業員承継)」と「社外承継(第三者承継)」の2種類があります。両者の違いについて触れていきます。
社内承継とは、企業の内部から後継者を選定し、事業を引き継ぐ方法です。社内承継の場合、通常は現役社員や役員が対象となります。
社内承継の主なメリットは、業務内容や企業文化をよく理解しているため、スムーズな引継ぎが可能である点です。また、社内で活躍している人材を採用できるため、従業員の抵抗感も少なく、組織の安定性が保たれやすい点も特徴です。
社外承継は、企業の外部から新たな後継者を迎え入れる方法です。主にM&A(合併・買収)や外部の専門家を招聘する形で行われることが多いです。
社外承継の大きなメリットは、新しい視点やノウハウを企業に取り入れられることです。特に、技術革新や市場変化への適応が求められる場合、新たな風を吹き込む外部の後継者は大きな価値をもたらす可能性があります。しかし、企業文化や既存の業務フローに適応するのに時間がかかる場合もあるため、事前の準備と調整が重要となります。
親族外承継と親族内承継は、事業承継における主要な選択肢です。親族内承継は、家族や親族に事業を引き継ぐ方法で、従来から多くの企業で採用されてきました。この方法では、経営者の価値観やビジョンが次世代に受け継がれやすいというメリットがあります。しかし、近年では少子化や家族構成の変化により、親族内での適切な後継者の確保が難しくなっています。
一方、親族外承継は、経営者の身内以外の人材に事業を引き継ぐ方法です。親族外承継のメリットは、広範な人材から最適な後継者を選べることや、新たな視点やスキルを持ち込むことで、企業の競争力を高められる点にあります。しかし、企業文化や経営理念の継承においては慎重な対応が必要であり、場合によっては摩擦が生じることもあります。
親族内承継は、経営の安定性を重視するケースに適していますが、親族外承継は企業の成長戦略や変革を意図する際に有効です。どちらの方法を選ぶにしても、事業の特性や将来のビジョンに基づいて慎重に判断することが重要です。このため、事業承継をスムーズに進めるためには、事前に計画を立て、関係者の理解と協力を得ることが成功の鍵となります。
親族外承継と親族内承継の違い
| 承継タイプ | 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 親族内承継 | 家族間での事業引き継ぎ | 家族の信頼関係を活用できる | 親族間でのトラブルの可能性 |
| 社内承継(従業員承継) | 従業員への事業引き継ぎ | 内部の事情を理解している | 従業員の資金・能力の問題 |
| 社外承継(第三者承継) | 外部の第三者への事業引き継ぎ | 新しい視点や資源の導入 | 企業文化の変化のリスク |
親族外承継が注目される背景には、主に後継者不足という深刻な社会問題があります。少子高齢化の進展や家族構成の変化により、親族内で適切な後継者を見つけることが困難になっている企業が増加しています。特に中小企業においては、後継者不在が経営の継続に大きな影響を与えており、経営者の高齢化とともに事業承継の問題が顕在化しています。
親族外承継が注目される大きな理由の一つに、企業の後継者不足という社会的背景があります。特に中小企業においては、経営者の高齢化が進む一方で、適切な後継者が見つからないケースが増加しており、事業の継続に深刻な影響を及ぼしています。
後継者不足の背景には、以下のような複数の要因が絡み合っています。
| 要因 | 内容の説明 |
|---|---|
| 少子高齢化 | 子供の数が減少し、親族内に後継者候補が少なくなっているため、親族内承継が難しくなっている。 |
| 家族構成の変化 | 核家族化や家族形態の多様化により、親族間の結びつきが希薄化し、後継者の選定が困難になっている。 |
| 若年層の経営離れ | 若い世代が企業経営に関心を持たず、多様なキャリア志向や安定志向が強まっているため、後継者候補が減少している。 |
| 経営者の高齢化 | 経営者自身の高齢化が進み、引退時期が迫る中で後継者の準備が間に合わないケースが多い。 |
| 企業の後継者選定の難しさ | 事業の専門性や経営能力が求められる中で、適切な後継者を見つけることが難しくなっている。 |
これらの要因により、親族内での後継者確保が困難となり、結果として親族外承継が重要な選択肢として浮上しています。企業の持続的な成長や事業承継の円滑化を図るためには、こうした背景を理解し、早期から後継者問題に取り組むことが求められます。
親族外承継の割合の推移
帝国データバンクによると、親族外承継および親族内承継の推移は以下の通りです。
| 承継方法 | 2020年 | 2024年 |
| 内部昇格 | 31.9% | 36.4% |
| 外部招聘 | 7.6% | 7.5% |
| M&Aほか | 17.2% | 20.5% |
| 同族承継 | 39.3% | 32.2% |
同族承継は依然として3割を維持しているものの、年々減少しており、2024年は内部承継が同族承継を上回っています。また、M&Aは2020年と比較して増加しており、今後も増えていくことが予想されます。
参考:東京データバンク|全国「後継者不在率」動向調査(2024年)
親族外承継とは、事業を会社の役員や従業員、もしくは第三者に引き継ぐ方法であり、企業の存続と発展において重要な選択肢の一つです。親族外承継の方法として、経営のみを引き継ぐ方法と株式や資産を引き継ぐ方法があります。このセクションでは、親族外承継の主な手法について、特徴やメリット・デメリットを解説します。
経営のみを承継する方法では、企業のオーナーシップはそのままに、経営の実務を新しい経営者に移行します。これは、経営者としての適性や能力があるが、自社株の取得や資本の移動に関心がない、またはそれが困難な場合に特に有効です。
経営のみを承継する方法として、内部昇格と外部招聘の二つのアプローチがあります。
内部昇格は、既存の従業員の中から後継者を選び、経営を引き継ぐ方法です。この方法のメリットは、選ばれた後継者が企業の業務や文化に既に精通している場合、スムーズな引き継ぎが期待できる点です。また、内部の従業員を後継者にすることは、第三者を後継者にするよりも他の社員や取引先から信頼を得やすく、引継ぎの際の抵抗が少なくなります。
ただし、後継者に経営者としてのスキルやリーダーシップが十分に備わっているかどうかの評価が必要です。内部昇格では、社内の育成プログラムや研修を通じて、将来的な経営者を計画的に育てていくことが求められます。
外部招聘は、企業外部から優秀な経営者を迎えて事業を承継する方法です。この方法には、外部の視点で企業運営を見直し、新鮮なアイデアや技術を取り入れられるメリットがあります。特に、現状の内部人材だけでは対応できない課題や大きな変革が必要な場合には、外部からの新しい視点が企業の成長を促進することにつながります。
しかし、外部招聘には課題も伴います。新たに迎える経営者が企業文化や業務に馴染むには時間がかかる可能性があり、従業員や取引先からの信頼を築くことが大切です。そのため、外部招聘の選定プロセスでは、企業のビジョンや価値観に合った人物を見極めることが求められます。
内部昇格、外部招聘どちらの方法を選ぶにしても、後継者選定のプロセスにおいては、会社のビジョンや目標を共有できる人材を見極めることが重要です。
親族外承継の経営のみの承継方法
| 手法 | 特徴 | メリット | デメリット |
| 内部昇格 | 既存社員の昇進 | 企業文化の理解が深い | マンネリ化の可能性 |
| 外部招聘 | 外部からの新規採用 | 新しい視点やスキルの導入 | 企業文化への適応が必要 |
親族外承継の方法には、経営の譲渡だけでなく、自社株式や事業資産を承継する方法もあります。この方法は経営権を後継者に移し、資産を承継する方法です。
親族外承継では、株式を承継する方法として、代表的なものにMBO、EBO、M&A(株式譲渡)があります。それぞれの方法には特有のメリットとデメリットが存在し、企業の状況や目的に応じて適切な手段を選ぶことが重要です。
親族外承継の中でも、MBO(Management Buyout)は、特に注目されている方法の一つです。MBOとは、企業の経営陣がその企業の株式を買い取ることで、会社の所有権を取得する承継方法を指します。
MBOは、経営陣が会社の内部事情に精通していることから、事業の方向性を維持しつつ、円滑な承継を可能にするというメリットがあります。MBOを通じて承継することで、外部からの介入を最小限に抑え、企業文化やビジョンを継続させやすくなります。
EBO(Employee Buyout)は、親族外承継の一形態で、従業員が自社の株式を買収し、経営を引き継ぐ方法です。このプロセスは、企業の内部で事業の継続性を保ちながら、従業員がオーナーとしての役割を担うことを可能にします。
EBOの主なメリットは、従業員がすでに企業の文化や業務に精通しているため、外部からの買収者に比べてスムーズな移行が期待できる点です。さらに、従業員がオーナーシップを持つことで、企業全体のモチベーションやコミットメントの向上が見込まれます。
親族外承継の一方法として注目されているのがM&A(合併・買収)です。M&Aは、合併や買収を通じて経営権を他社に移転するプロセスを指します。親族外承継においてM&Aを選択する主な理由は、後継者問題や経営資源の拡大を目的とすることが多いです。特に、後継者が見つからない場合や、会社の成長加速を目指す場合に有効な手段となります。
親族外承継が行われる大きな理由は、後継者が見つからないケースです。M&Aは後継者の選択肢が広がるという大きなメリットがあります。また、既存の会社に売却することで、互いの経営資源やノウハウを活用でき、企業価値を高め、競争力を強化することができます。特に、同業種間でのM&Aはシナジー効果を生み出し、業務効率の向上やコスト削減を実現することが期待されます。
しかし、M&Aにはリスクも伴います。企業文化の違いによる摩擦や、買収後の統合プロセスの失敗などがあれば、期待される効果を十分に得られない場合があります。したがって、M&Aを成功させるためには、事前の綿密な調査や計画が不可欠です。適切なターゲット企業の選定、買収価格の妥当性評価、統合計画の策定と実施など、各プロセスで慎重な判断が求められます。
親族外承継の株式の承継方法
| 手法 | 特徴 | メリット | デメリット |
| MBO | 経営陣が自社を買収 | 経営権の強化 | 資金調達が困難 |
| EBO | 従業員が自社を買収 | 従業員のモチベーション向上 | 従業員菅のリスク増加 |
| M&A | 他社による買収・合併 | 規模拡大、シナジー効果 | 企業文化の衝突 |
親族外承継とは、親族以外の第三者に事業を引き継ぐ方法です。親族外承継のメリットについて見ていきましょう。
親族外承継とは、企業の経営者が親族以外の人物に経営を引き継ぐプロセスを指します。特に社内承継は、企業文化の継続性や経営の安定性を重視する企業にとって非常に有効な手段です。社内承継のメリットとして以下が挙げられます。
それぞれについて解説します。
社内承継の大きなメリットが企業文化や価値観の継続です。企業内で長年培われた独自の文化や価値観を、熟知した役員や従業員が引き継ぐことで、事業のスムーズな運営が継続されます。この継続性は、従業員にとっての安心感にもつながり、業務の効率化に寄与します。
スムーズな引継ぎも社内承継のメリットです。社内の人材は、企業の業務プロセスや方針に精通しています。このため、新たな役割を引き継ぐ際のギャップが少なく、業務内容や経営の移行が比較的スムーズに行われることが期待できます。
信頼関係の構築ができていることも社内承継のメリットです。社内の人材はすでに長期間にわたり共に働いているため、互いの能力や性格を理解していることが多く、信頼関係が築かれています。この信頼は、経営移行期においても組織内の混乱を最小限に抑える要因となります。
社内承継のメリットには、採用コストの削減や人材育成ができる点も挙げられます。すでに実績を積んだ人材を後継者にすることで、外部からの採用の手間やコストを削減できます。また、その実績に基づく信頼が、承継後の経営にも良い影響を与えることが期待されます。
経営の一貫性が保てる点も社内承継のメリットです。経営方針や企業文化が大きく変わることなく継続されるため、従業員は安定した環境で働き続けることができます。この安定性は、長期的な企業の成長に寄与し、従業員のモチベーションを高める要因ともなります。
親族外承継のうち、社外承継のメリットとして主に以下が挙げられます。
それぞれについて解説します。
外部からの後継者は、新たな視点や専門知識を企業にもたらします。これにより、企業の競争力が向上し、革新的なアイデアや戦略が導入されることで、成長が加速します。
新しいリーダーは、従業員のスキルアップを促し、モチベーションを高めます。これにより、組織全体の活性化が図られ、一体感が生まれます。
社外からの後継者は、これまでアクセスできなかった市場や技術を開拓する可能性を持ち、事業の多角化や新規事業の展開を可能にします。
社外承継の大きなメリットは、他社の持つ技術や資源を活用し、シナジー効果を生み出せる点にあります。これにより、既存のビジネスモデルを刷新し、競争力を強化します。
親族外承継にはいくつかのデメリットが存在します。これらを理解し、対策を講じることが成功の鍵となります。
社内承継の主なデメリット及びリスクには以下が挙げられます。
それぞれについて解説します。
親族外の後継者の場合、経営を引き継ぐための資金力が不足していることが多く、事業の拡大や新規投資が難しくなる可能性があります。特に中小企業では、資金調達が大きな課題となることが多いため、後継者の資金力は重要な要素です。
親族外の後継者に対しては、親族からの理解や支持を得ることが難しい場合があります。これにより、社内の人間関係や組織文化に影響を与える可能性があります。
多くの中小企業では、経営者が個人保証を提供しているケースがあり、これを後継者が引き継ぐ際には大きなリスクとなり得ます。新しい経営者がこの負担をどのように管理するかは、企業の安定性に直結します。
社内からの承継では、しばしば新しい視点や革新的なアイデアが欠如することがあります。長年の社風や慣習に囚われることで、変化への対応力が鈍化し、競争力が低下するリスクがあります。
M&Aなど社外承継のデメリットやリスクには以下が挙げられます。
それぞれについて解説します。
新たな経営者が外部から迎えられると、従来の企業文化が変わる可能性があります。これにより、従業員の働き方や職場の雰囲気に影響を及ぼし、モチベーションが低下し、離職率が上がるリスクがあります。
経営者の交代により、ビジネスモデルや取引方針が変わることがあります。これが顧客や取引先に不安を与え、取引条件の見直しや関係の解消を検討される可能性があります。
親族外承継には法務や財務の専門知識が必要となる場面が多く、適切なサポートがないとスムーズな承継が難しくなります。手続きに伴う多額の費用が企業の財務状況を圧迫することもあります。
新しい経営者が知らない債務が発覚した場合、それが企業の経営を圧迫する要因となる可能性があります。このため、事前の入念な調査とリスク管理が必要です。
親族外承継の手続きは、企業の将来を左右する重要なプロセスです。親族外承継の中でも、社内承継における株式譲渡の手順について解説します。
役員や従業員など社内の人物に株式譲渡を行う場合、以下の流れで進みます。
| 1.自社の現状分析 2.後継者候補の選定 3.事業承継計画書の策定 4.関係者への周知 5.株式の譲渡契約の締結 6.株式の譲渡と株式名簿の書き換え |
親族外承継を円滑に進めるためには、まず自社の現状を正確に把握することが大切です。事業の現状を理解するには、業績、財務状況、組織体制、市場環境などを詳しく分析することが求められます。例えば、自社の主要な経営数値を把握し、事業の強みと弱みを明確にすることで、後継者に対する経営指針を提供することができます。
また、従業員のスキルやモチベーションも重要な要素です。現場の声を聞き、企業文化やチームのダイナミクスを理解することで、承継後のスムーズな運営につながります。市場環境の分析も怠ってはいけません。競合他社の動向や業界のトレンドを把握し、市場のニーズに対応できる戦略を練ることが重要です。
次に、後継者の選定を行います。親族外承継では、後継者の選定においてより慎重な判断が求められます。まずは企業にふさわしい人物像を明確にする必要があります。求められるスキルセット、経営哲学、そして企業文化に適合するかといった観点から、候補者を評価します。
後継者候補に対する評価方法としては、業績評価や行動評価、360度評価が挙げられます。また、経営者としての資質だけでなく、倫理観やリーダーシップの資質も含めて総合的に判断することが重要です。適切な後継者を選ぶことで、円滑な引継ぎと事業の安定が図れます。
後継者が決定したら、次に事業承継計画を具体的に策定します。事業承継計画は、現在の状況と将来のビジョンを明確にし、後継者に対する方向性を示す重要なツールです。計画には、会社の経営ビジョン、中期・長期の経営目標、そして具体的な戦略が含まれます。経営戦略だけでなく、財務計画、人的資源計画、マーケティング戦略など、各分野にわたる詳細な計画を練り込む必要があります。
また、事業承継のタイムラインも設定し、いつ、どのようにして引継ぎを行うかを具体的に決めます。事業承継計画を策定することで、後継者は自信を持って経営に取り組むことができ、従業員や取引先も安心して業務に臨むことができます。
事業承継計画が整ったら、次に行うのが関係者への周知です。これは、従業員や取引先、銀行などの金融機関を含む、企業の主要なステークホルダーに対して、事業承継の計画を伝えるプロセスです。
周知の際には、内部の従業員に対して詳細な説明会を開き、不安を解消し、新しいリーダーの元での一体感を醸成することが目指されます。また、主要な取引先に対しても説明を行い、安心して取引を続けてもらえるように努めます。関係者への周知を徹底することで、企業の信頼性維持に繋がります。
事業承継のプロセスにおいて、具体的な行動に移る段階として、株式譲渡契約の締結が重要です。後継者との間で正式に契約を交わし、株式の譲渡の手続きを行います。
契約内容は、法的な専門家である弁護士や公認会計士の協力を得て慎重に検討し、不備がないようにします。また、譲渡後の経営方針に関する合意事項、例えば後継者が一定期間内にどのような経営目標を達成するかなども明らかにしておくと良いでしょう。株式譲渡契約が適切に締結されることにより、企業の所有権が正式に移転し、後継者の立場が明確になります。
株式譲渡契約が締結された後、実際の譲渡手続きを進める必要があります。株式会社の場合、譲渡された株式の記録を正確に行い、株主名簿の書き換えを行います。非公開会社の場合は、株式総会または取締役会での承認が必要です。
また、株式譲渡に付随して税務関連の手続きも怠らないようにしましょう。税務署への申告や、適切な税金の計算と納付を行うことで、法的な問題を未然に防ぎます。最後に、社内外の関係者に対して公式に承継完了の報告を行い、理解と協力を得ることが大切です。この一連の手続きがスムーズに行われることで、後継者は新体制での経営をスタートさせることができます。
MBOの場合は、SPC(特別目的会社)を設立するケースも多くあります。株式を取得するには資金が必要なため、SPCを活用して、投資ファンドや金融機関から資金調達を行います。また、SPCを通じて株式を取得し、企業とSPCが合併することで、新たな後継者が企業の経営権を取得します。
MBOの手続きの流れは以下で詳しく解説しています。
M&Aの場合は、経営者同士のトップ面談や企業価値評価、デューデリジェンスを行います。売り手と買い手の双方が合併または買収を通じてシナジー効果を創出できるかを検討します。
なお、M&Aの手続きの流れは以下で詳しく解説しています。
親族外承継で必要な書類として以下が挙げられます。
社内承継(役員・従業員承継)で必要な書類
社外承継(M&A)で必要な書類
親族外承継を円滑に進めるためには、制度や税制の有効活用が不可欠です。
まず注目すべきは「事業承継税制」です。この制度は、事業承継時における相続税や贈与税の負担を軽減するために設けられたもので、一定の条件下で自社株式の相続や贈与にかかる税金が猶予される仕組みです。具体的には、後継者が一定期間事業を継続することを条件に、納税を猶予し、さらに一定の要件を満たすことで最終的には税金が免除される場合もあります。これにより、現金を用意することなくスムーズに事業を引き継ぐことが可能になります。
通常、相続においては遺留分という最低限の取り分が法定相続人に保証されていますが、親族外承継ではこれが障壁となることがあります。遺留分特例は、特定の条件のもとで遺留分を放棄することを可能にし、親族以外の後継者へのスムーズな承継を助けます。これにより、後継者が事業の継続に必要な資産や株式を確保しやすくなります。
これらの制度の活用には、事前に専門家と相談し、適切な計画を立てることが大切です。税金や法律の問題をクリアにすることで、事業の持続的な発展を可能にします。
親族外承継を円滑に進めるためにはいくつかの注意点があります。ここでは、親族内承継を成功させるために意識しておきたいポイントを紹介します。
親族外承継では、取引先や家族、従業員などの関係者から理解を得ることが非常に重要です。そのためには、早い段階から透明性を持って情報共有を行い、各方面の意見や懸念に真摯に向き合うことが求められます。これにより、協力しやすい環境を整えることができます。
後継者育成は親族外承継における鍵となるポイントです。後継者には企業のビジョンや価値観を共有し、業務に精通させるだけでなく、リーダーシップスキルや経営判断力を磨くための教育プログラムを用意しましょう。これにより、承継後の経営をスムーズに進めることができます。
親族外承継を成功させるためには、適切な専門家に相談することが重要です。専門家のサポートを受けることで、法律や税務、経営の観点から最適な方法を見つけることができます。例えば、経営コンサルタントや税理士、弁護士などが親族外承継のサポートを行っています。これらの専門家は、事業承継に関する多くの経験と知識を持っているため、複雑な問題にも対応できるでしょう。
専門家に相談する際には、まず自社の現状を詳しく説明し、承継の目標やビジョンを共有することが大切です。これは、専門家が最適なアドバイスを行うために必要な情報を提供することになります。専門家との連携を密に保つことで、親族外承継がスムーズに進むようになります。
親族外承継は、後継者不足に悩む多くの経営者にとって、有力な選択肢となっています。親族外承継には、経営の安定や新しい視点の導入といったメリットがありますが、リスクや手続きの複雑さも伴います。この記事で紹介した方法や制度を活用することで、スムーズな移行が可能になります。まずは、自社の現状を正確に把握し、専門家のアドバイスを受けながら、親族外承継を検討してみてはいかがでしょうか。次にするべきことは、具体的なプランを立て、信頼できる後継者を見つけることです。これにより、あなたの事業を次の世代に確実に引き継ぐ準備が整います。ぜひ、この記事を参考に、親族外承継の成功に向けて一歩を踏み出してください。
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