未上場株とは?購入方法やメリット、注意点を徹底解説

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未上場株(非上場株式)とは、証券取引所に上場していない企業の株式のことです。日本企業の99.9%以上にあたる約178万社が非上場企業であり、上場企業はわずか約3,900社に過ぎません。近年、後継者不足に悩む中小企業の事業承継手段として株式譲渡によるM&Aが注目されており、未上場株への投資機会も拡大しています。

しかし、未上場株は上場株式とは大きく異なる特性を持つため、購入方法やリスクを十分理解することが重要です。本記事では、未上場株の基本的な仕組みから具体的な購入方法、税金面での注意点まで、詳しく解説します。

未上場株の基本的な仕組みと特徴

未上場株を理解するためには、まず非上場企業の基本的な特性と、上場株式との違いを把握することが重要です。未上場株は市場での取引がないため、独特の評価方法や取引方法が必要となります。

未上場株(非上場株式)とは何か

未上場株とは、東京証券取引所などの証券取引所に株式を公開していない企業の株式を指します。これらの企業は、証券取引所の厳格な上場基準を満たしていない、あるいは戦略的に上場を選択していない企業です。

未上場企業には、設立間もないスタートアップから、長年にわたって安定経営を続ける老舗企業まで、様々な規模や業種の会社が含まれます。多くの未上場株式は「譲渡制限株式」として設定されており、株式を第三者に売却する際は会社の承認(取締役会または株主総会での決議)が必要です。

上場株式との主な違い

未上場株と上場株式の最も大きな違いは、流動性の有無です。上場株式は証券取引所で日々売買されているため、市場価格が形成され、投資家はいつでも売買できます。

項目上場株式未上場株
取引市場証券取引所で公開取引市場なし、相対取引
価格決定市場で日々変動当事者間の合意で決定
流動性高い(いつでも売買可能)低い(売却先探しが困難)
情報開示四半期報告書等の開示義務開示制限あり
売買手数料証券会社の手数料仲介手数料(M&A時)

一方、未上場株は市場価格が存在しないため、株式の評価は複雑で専門的な知識が必要となります。また、情報開示義務も上場企業ほど厳格ではないため、投資判断に必要な情報収集に時間がかかる場合があります。

譲渡制限株式の仕組み

多くの未上場株式は「譲渡制限株式」として設定されており、株主が第三者に株式を譲渡する際には、会社の承認が必要です。この制度は、会社法に基づいて設けられており、意図しない第三者の経営参加を防ぐことを目的としています。

譲渡制限の承認手続きでは、株主は会社に対して譲渡承認請求を行い、会社は取締役会または株主総会で承認・不承認を決定します。もし株式譲渡の承認がされなかった場合、会社は株式の買受人を指定し、売主に通知していくことになります。

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    未上場株の購入方法と取得手段

    未上場株を取得する方法は上場株式とは大きく異なり、証券会社を通じた市場取引はできません。複数の取得方法が存在し、それぞれに特徴やリスクがあるため、目的に応じた適切な方法を選択することが重要です。

    M&Aによる株式譲渡

    M&Aによる株式譲渡は、現在最も一般的な未上場株の取得方法となっています。特に後継者不足に悩む中小企業において、第三者への事業承継手段として活用が急増しています。

    M&Aによる株式取得では、M&A仲介会社やファイナンシャルアドバイザーが売り手と買い手をマッチングし、企業価値の評価から交渉、契約締結まで専門的にサポートします。この方法のメリットは、専門家による適正な企業評価と、法的手続きの確実性が確保されることです。

    M&Aによる株式譲渡では、デューデリジェンス(企業の財務・法務・事業面の詳細調査)が実施されるため、投資リスクを事前に把握できる点も重要な特徴です。取得価格は企業の収益性、成長性、保有資産などを総合的に評価して決定されます。

    直接交渉による株式取得

    既存株主との直接交渉により未上場株を取得する方法もありますが、この方法は高い難易度を伴います。まず、株主との接点を持つ必要があり、多くの場合、事業上の関係や人的ネットワークを通じたアプローチが必要となります。

    直接交渉では、株式の評価方法や価格設定について当事者間で合意を形成する必要があり、専門的な知識がない場合は適正価格での取引が困難となる可能性があります。また、譲渡制限株式の場合は会社の承認手続きも必要となるため、交渉が長期化するリスクもあります。

    相続・贈与による取得

    未上場株は相続や贈与によって取得されるケースも多く見られます。特に同族企業では、経営者から後継者への株式承継が重要な課題となっています。

    相続による株式取得では相続税が、贈与による取得では贈与税が課税されます。これらの税率は累進課税制度が適用されるため、株式の評価額が高額になると税負担も大きくなります。そのため、生前贈与や株式譲渡など、税負担を軽減する方策を検討することが重要です。

    ストックオプション制度の活用

    ストックオプションは、将来の一定期間内に決められた価格で株式を購入できる権利のことです。主に従業員のインセンティブ制度として活用されており、会社の成長に貢献した従業員が将来的に株式を取得できる仕組みとなっています。

    ストックオプションの行使により株式を取得する場合、行使価格と時価の差額が給与所得として課税される点に注意が必要です。また、取得した株式の売却時には、別途譲渡所得税が課税されます。

    株式型クラウドファンディング

    近年注目されている新しい投資手法として、株式型クラウドファンディングがあります。インターネットを通じて不特定多数の投資家から資金調達を行う仕組みで、スタートアップ企業への投資機会を提供しています。

    株式型クラウドファンディングでは、比較的少額(数万円から数十万円程度)から投資が可能で、将来のIPO(新規公開株)やM&Aによるイグジットを期待できます。ただし、投資先企業の倒産リスクや、投資資金の回収が困難になるリスクも存在するため、慎重なリスク評価が必要です。

    未上場株投資のメリット

    未上場株への投資には、上場株式にはない独特のメリットが存在します。特に成長段階にある企業への早期投資や、事業承継における税務面でのメリットは、多くの投資家や経営者にとって魅力的な選択肢となっています。

    高いリターンの可能性

    未上場株投資の最大のメリットは、将来的なIPOやM&Aによる高いリターンを期待できる点です。成長企業の株式を上場前の低い価格で取得できれば、上場時や売却時に大きな利益を得られる可能性があります。

    特にスタートアップ企業への投資では、エンジェル投資家として早期段階から関与することで、企業価値の大幅な上昇による恩恵を受けられる場合があります。過去には、上場前に投資した株式が上場後に数十倍から数百倍の価値になった事例も存在します。

    また、安定した収益基盤を持つ未上場企業の場合、配当利回りが上場企業よりも高く設定されているケースがあり、インカムゲインの観点からも魅力的な投資対象となることがあります。

    事業承継における税務メリット

    事業承継の場面では、株式譲渡による売却が相続や贈与よりも税負担を軽減できる可能性があります。相続税の最高税率は55%に達する一方、株式譲渡所得に対する所得税率は個人の場合20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)となっています。

    特に企業価値が高額な場合、譲渡による現金化は相続税負担を大幅に軽減する効果的な手段となります。さらに、M&Aによる売却代金を分散投資することで、相続財産のリスク分散も可能になります。

    経営参加権の取得

    未上場株の取得により、投資先企業の経営に関与できる機会を得られます。株式の保有比率に応じて議決権を行使できるため、企業の方向性や重要な意思決定に参加することが可能です。

    特に事業経験豊富な投資家の場合、自身の知識やネットワークを活用して投資先企業の成長を支援し、企業価値向上に直接貢献できるメリットがあります。これは単純な財務投資とは異なる、事業投資としての魅力といえます。

    市場変動の影響を受けにくい

    未上場株は証券市場で取引されないため、株式市場の短期的な変動や投資家心理の影響を受けにくいという特徴があります。市場のボラティリティに左右されることなく、企業の本質的な価値に基づいた長期投資が可能です。

    この特性は、市場の混乱期においても安定した投資判断を行える利点となり、ポートフォリオの分散効果も期待できます。

    未上場株投資のリスク

    未上場株投資には魅力的なメリットがある一方で、上場株式とは異なる特有のリスクも存在します。これらのリスクを十分理解し、適切な対策を講じることが投資成功の鍵となります。

    流動性リスクと売却の困難さ

    未上場株の最大のリスクは流動性の低さであり、必要な時に即座に現金化することが困難な点です。上場株式のように証券取引所で売買できないため、売却先を見つけるまでに長期間を要する場合があります。

    特に中小企業の株式の場合、M&A市場での買い手が限定的であり、売却価格も買い手市場となりがちです。また、譲渡制限株式の場合は会社の承認が得られなければ売却自体ができないため、投資資金の回収時期をコントロールできないリスクがあります。

    このような流動性リスクを軽減するためには、投資前に売却戦略を明確にし、長期間の資金拘束に耐えられる資金計画を立てることが重要です。

    企業評価の困難さと情報の非対称性

    未上場企業は上場企業のような詳細な情報開示義務がないため、投資判断に必要な情報収集が困難な場合があります。財務諸表の作成基準も上場企業ほど厳格でない場合があり、企業の真の価値を把握することが困難になります。

    また、市場価格が存在しないため、適正な株価評価には専門的な知識と経験が必要です。コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチなど複数の評価方法を組み合わせて総合的に判断する必要があり、評価結果にも一定の幅が生じることが一般的です。

    詐欺リスクと未公開株商法

    未上場株投資においては、「未公開株商法」と呼ばれる詐欺被害のリスクにも注意が必要です。「近々上場予定」「確実に値上がりする」といった根拠のない勧誘により、価値のない株式を高額で売りつける詐欺が横行しています。

    金融商品取引法では、未上場株式の勧誘は原則として適格機関投資家等に限定されており、一般投資家への勧誘は厳しく制限されています。そのため、電話や訪問による突然の勧誘は詐欺の可能性が高く、十分な注意が必要です。

    投資回収期間の長期化

    未上場株投資は本質的に長期投資となるため、投資回収まで数年から十数年に及ぶことが一般的です。この間、投資先企業の業績悪化や市場環境の変化により、期待したリターンが得られない可能性もあります。

    また、投資先企業が倒産した場合、投資元本の全額を失うリスクもあります。このようなリスクを軽減するためには、投資先の分散や、投資金額を総資産の一定割合以下に抑制することが重要です。

    税務上の注意点

    未上場株の売却益には譲渡所得税が課税されますが、譲渡価格と時価に大きな乖離がある場合、みなし譲渡として所得税や贈与税が課税される可能性があります。特に親族間での株式譲渡においては、税務署から時価との差額について贈与とみなされるリスクがあります。

    このような税務リスクを回避するためには、事前に税理士等の専門家に相談し、適正な価格設定と税務申告を行うことが重要です。

    未上場株の評価方法

    未上場株の適正価格を算定することは、投資判断において重要な要素の一つです。市場価格が存在しない未上場株では、複数の評価手法を用いて企業価値を算定し、その結果を総合的に判断して価格を決定します。

    主要な株式評価アプローチ

    未上場株の評価には、コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチの3つの主要な手法が用いられます。それぞれのアプローチには特徴があり、企業の状況や評価目的に応じて適切な手法を選択する必要があります。

    コストアプローチは企業の純資産価値に基づいて評価する手法で、時価純資産法や簿価純資産法があります。安定した資産を多く保有する企業や、清算を前提とした評価に適しています。インカムアプローチは将来の収益性に基づく評価手法で、DCF法(割引現在価値法)が代表的です。成長企業や収益性の高い企業の評価に適しています。

    マーケットアプローチは、類似する上場企業や取引事例と比較して評価する手法で、市場株価倍率法や類似取引比較法があります。同業他社との比較により相対的な価値を把握できる利点があります。

    評価における重要な考慮要素

    未上場株の評価では、流動性の低さを反映したディスカウント(流動性ディスカウント)を適用することが一般的です。同規模の上場企業と比べて10%から40%程度のディスカウントが適用される場合があります。

    また、支配権の有無も評価に大きく影響します。経営権を取得できる株式保有比率(通常50%超)の場合はコントロールプレミアムが加算される一方、少数株主の場合はマイノリティディスカウントが適用されることがあります。

    専門家による評価の重要性

    未上場株の評価は高度に専門的な作業であり、公認会計士、税理士、不動産鑑定士等の専門家による評価が重要です。特にM&Aや相続・贈与の場面では、税務当局からの指摘を避けるためにも、客観的で合理的な評価書の作成が必要となります。

    評価の際には、財務面だけでなく、事業の将来性、市場環境、経営陣の能力、技術力、顧客基盤など、定性的な要素も総合的に考慮することが重要です。これらの要素は数値化が困難ですが、企業価値に大きな影響を与える可能性があります。

    未上場株に関わる税金と法的手続き

    未上場株の取得や売却に関わる税務処理は複雑であり、適切な税務申告を行わないと予期しない税負担が発生する可能性があります。また、譲渡制限株式の売買には法的手続きも必要となるため、事前の準備が重要です。

    売却時の税金(譲渡所得税)

    未上場株を売却した場合、申告分離課税となり、所得税15.315%、住民税5%の約20%の税率が適用されます。この税率は上場株式の譲渡所得と同じ水準となっています。

    ただし、譲渡価格が時価より著しく低い場合は、時価との差額についてみなし譲渡として所得税が課税される可能性があります。特に親族間や関係会社間での譲渡においては、税務署の厳格なチェックが入ることがあります。

    取得時の税金(相続税・贈与税)

    相続により未上場株を取得した場合は相続税が、贈与により取得した場合は贈与税が課税されます。これらの税金は累進税率制度が適用されるため、株式の評価額が高額になると税負担も大きくなります。

    相続税の税率は10%から55%まで、贈与税の税率は10%から55%まで段階的に上昇します。特に贈与税は高い税率が設定されているため、生前贈与を行う場合は計画的な実行が必要です。

    事業承継税制の活用

    中小企業の事業承継においては、事業承継税制(特例措置)を活用することで、相続税や贈与税の納税猶予を受けることができます。この制度を利用すれば、一定の要件を満たす場合に相続税・贈与税の100%が猶予されます。

    ただし、制度の適用には厳格な要件があり、雇用確保や事業継続などの条件を満たす必要があります。また、要件を満たさなくなった場合は猶予税額の全額を納付する必要があるため、慎重な検討が必要です。

    譲渡制限株式の法的手続き

    譲渡制限株式を売買する場合は、以下の手続きが必要となります。まず、譲渡人が会社に対して譲渡承認請求を行い、会社は取締役会または株主総会で承認・不承認を決定します。承認された場合は株式譲渡契約を締結し、決済後に株主名簿の書き換えを行います。

    株主名簿の書き換えは、株券不発行会社においては第三者対抗要件となるため、必須の手続きです。この手続きを怠ると、株主としての権利行使に支障が生じる可能性があります。

    まとめ

    未上場株は、証券取引所に上場していない企業の株式であり、日本企業の99.9%以上を占める非上場企業への投資機会を提供しています。M&Aによる株式譲渡、直接交渉、相続・贈与、ストックオプション、株式型クラウドファンディングなど多様な取得方法があり、それぞれに特徴とリスクが存在します。

    未上場株投資の主なメリットは、将来のIPOやM&Aによる高いリターンの可能性、事業承継における税務メリット、経営参加権の取得、市場変動の影響を受けにくい安定性などです。一方で、流動性リスク、企業評価の困難さ、詐欺リスク、投資回収期間の長期化などの注意点もあります。

    未上場株の適正な評価にはコストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチの専門的な手法が必要であり、税務面では譲渡所得税、相続税、贈与税など複雑な税制への対応が求められます。成功する未上場株投資のためには、十分なリスク評価と専門家のサポートが不可欠といえるでしょう。

    未上場株の売買や事業承継をご検討の際は、M&A専門家による適切なサポートを受けることで、リスクを最小化しながら最適な結果を実現できます。

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