着手金・中間金無料 完全成功報酬型
財務諸表とは決算書の一つです。会社売却やM&Aを検討する際、避けて通れないのが財務諸表の理解です。買い手企業や金融機関、M&A仲介業者との交渉では、自社の財務状況を正確に把握し、数字に基づいた説明ができることが求められます。しかし、多くの中小企業オーナーは日常の経営に追われ、財務諸表を体系的に読み解く機会が少ないのが実情ではないでしょうか。
本記事では、財務諸表の基本構造から読み方、分析方法までを中小企業オーナーの視点で解説します。自社の強みと弱みを客観的に把握し、売却価格の妥当性を判断できるように理解を深めましょう。
目次
財務諸表とは、企業の経営成績や財政状態を示す重要な書類です。会社売却の場面では、買い手が最も重視する情報源となるため、オーナー自身が正確に理解しておく必要があります。まずは財務諸表の基本的な定義と役割を確認し、決算書との関係性を整理していきましょう。
財務諸表とは、企業の財政状態、経営成績、キャッシュフローの状況を利害関係者に報告するための書類の総称です。企業活動の結果を数値化し、客観的に評価できる形式でまとめたものといえます。
財務諸表は一般的に「財務三表」と呼ばれる3つの書類を中心に構成されています。損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書がこれに該当し、それぞれが異なる角度から企業の状態を示しています。
さらに、株主資本等変動計算書や附属明細書も財務諸表に含まれます。株主資本等変動計算書は純資産の変動内容を詳細に示し、附属明細書は各勘定科目の内訳を補足説明する役割を持っています。
中小企業の場合、上場企業ほど詳細な開示は求められませんが、M&Aの場面では買い手から詳細な財務情報を求められることが一般的です。自社がどのような財務諸表を作成しているか、まず確認しておくことをお勧めします。
財務諸表の主な目的は、企業の経済活動の結果を利害関係者に正確に伝えることです。この情報は、投資判断や融資判断、取引先としての信用評価など、様々な意思決定に活用されます。
財務諸表の利用者は多岐にわたり、株主、債権者、取引先、従業員、税務当局、そしてM&Aの場面では買い手企業が主要なステークホルダーとなります。それぞれの利用者は異なる視点で財務諸表を分析します。
株主は投資リターンを、金融機関は返済能力を、取引先は継続的な取引が可能かを確認します。M&Aの買い手は、これらすべての視点に加え、将来の成長性や統合後のシナジー効果も検討するため、より詳細な分析を行います。
中小企業オーナーとしては、これらの利用者がどのような視点で自社の財務諸表を見ているかを理解することが重要です。特に会社売却を検討している場合、買い手の視点を意識した財務諸表の整備が求められます。
財務諸表と決算書は、しばしば混同して使われます。両者の関係を正確に理解しておくことで、専門家との会話や書類の整理がスムーズになります。
決算書とは、会計期間の経営成績と財政状態を報告するために作成される財務諸表一式をまとめた書類のことです。つまり、決算書は財務諸表を含む上位概念であり、財務諸表は決算書を構成する主要な書類といえます。
決算書には財務諸表のほか、事業報告書や勘定科目内訳明細書なども含まれることがあります。また、会社法上の「計算書類」と金融商品取引法上の「財務諸表」では、若干内容が異なる点にも注意が必要です。
中小企業の実務では、税務申告用の決算書を基本として財務諸表を作成することが一般的です。M&Aの場面では、この税務申告用決算書をベースに、買い手が求める形式に再構成して提出することになります。
THANK YOU
お問い合わせが
完了しました
ご記入いただきました情報は
送信されました。
担当者よりご返信いたしますので、
お待ちください。
※お問い合わせ後、
2営業日以内に返信がない場合は
恐れ入りますが
再度お問い合わせいただきますよう、
よろしくお願い致します。
お急ぎの場合は
代表電話までご連絡ください。
財務三表は、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の3つからなり、企業の状態を異なる角度から示す書類です。それぞれの役割と読み方を理解することで、自社の財務状況を把握できるようになります。
損益計算書は「どれだけ儲かったか」、貸借対照表は「どのような資産と負債があるか」、キャッシュフロー計算書は「現金がどう動いたか」を示します。これら3つの視点を組み合わせることで、企業の実態が見えてきます。
損益計算書は、一定期間における企業の収益と費用を対比し、最終的な利益を算出する書類です。英語では「Profit and Loss Statement」と呼ばれ、P/Lと略されることもあります。
損益計算書の特徴は、売上高から各種費用を段階的に差し引き、5つの利益を算出する点にあります。売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益という段階を経て、最終的な利益が明らかになります。
売上総利益は売上高から売上原価を差し引いた粗利益であり、製品やサービスの収益力を示します。営業利益は本業での儲けを表し、販売費及び一般管理費を差し引いて算出されます。
経常利益は営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いたもので、継続的な企業活動全体の収益力を示します。M&Aの場面では、この経常利益が企業価値評価の指標となることもあります。
当期純利益は特別損益や法人税等を加減した最終利益です。会社売却の交渉では、各段階の利益がどのような水準にあるか、また過去数年間の推移がどうなっているかが重視されます。
貸借対照表は、特定時点における企業の資産、負債、純資産の状況を示す書類です。貸借対照表は左側に資産、右側に負債と純資産を配置する形式で作成されます。左右の合計金額は必ず一致するため、「バランスシート(Balance Sheet)」または「B/S」とも呼ばれ、企業の財政状態を把握する基本資料となります。
資産は企業が保有する財産であり、負債は将来返済すべき債務、純資産は資産から負債を差し引いた正味の財産を意味します。純資産が厚いほど、財務の安全性が高いと評価されます。
資産は流動資産と固定資産に分類されます。流動資産は1年以内に現金化される見込みのある資産で、現金預金、売掛金、棚卸資産などが含まれます。固定資産は長期間保有する資産で、建物、機械設備、土地などが該当します。
負債も同様に流動負債と固定負債に分類されます。流動負債は1年以内に返済期限が到来する債務、固定負債は返済期限が1年を超える長期の債務です。買い手企業は、この資産と負債のバランスから企業の支払能力や財務安定性を判断します。
キャッシュフロー計算書は、一定期間における現金の増減を活動別に示す書類です。損益計算書が利益を示すのに対し、こちらは実際の現金の動きを明らかにします。
キャッシュフロー計算書は3つの区分で構成されており、それぞれ営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローに分類されます。
営業キャッシュフローは本業から生み出される現金であり、この数値がプラスであることが健全な経営の基本条件となります。損益計算書上は黒字でも、売掛金の回収が遅れれば営業キャッシュフローはマイナスになることもあります。
投資キャッシュフローは設備投資や有価証券の売買による現金の増減を示します。成長企業は積極的な投資によりマイナスになることが多く、必ずしもマイナスが悪いわけではありません。
財務キャッシュフローは借入金の調達や返済、配当金の支払いによる現金の増減です。借入で資金調達すればプラス、返済が進めばマイナスになります。M&Aの場面では、これら3つの区分のバランスから企業の資金繰りの実態を把握します。
企業グループ全体の財務状況を把握するためには、財務三表の他にも、連結財務諸表と単体財務諸表の違いを理解しておく必要があります。中小企業でも子会社や関連会社を持つケースは少なくありません。
単体財務諸表は、個別の会社単位で作成される財務諸表です。その会社自体の財政状態と経営成績のみを示しており、子会社や関連会社の状況は含まれません。
連結財務諸表は親会社と子会社を一体の企業グループとみなし、グループ内取引を相殺して作成される財務諸表です。企業グループ全体の実態を把握するために不可欠な書類といえます。
M&Aの場面では、売却対象が単体か、子会社を含むグループ全体かによって、どちらの財務諸表が重視されるかが変わります。子会社との取引が多い場合、単体財務諸表だけでは企業の実態を正確に把握できないことがあります。
買い手企業はグループ全体の価値を評価することが多いため、中小企業オーナーは、自社が子会社を持っている場合には連結ベースでの財務状況も把握しておくことが望ましいです。
次に、財務諸表の具体的な分析方法を紹介します。財務分析には様々な指標がありますが、ここでは会社売却を見据えた場合に特に重要な視点を中心に解説します。
財務分析は大きく収益性、安全性、効率性、成長性の4つの視点に分類できます。それぞれの視点で自社の状況を把握し、強みと弱みを客観的に評価できるようにしましょう。
収益性分析は、企業がどのくらい利益を生み出す能力があるかを評価する分析です。売上高に対する各利益の比率や、投下資本に対するリターンなどを計算して判断します。
以下の表は、収益性分析で使用される主要な指標をまとめたものです。
| 指標名 | 計算式 | 目安と意味 |
|---|---|---|
| 売上高総利益率 | 売上総利益÷売上高×100 | 業種により異なるが、高いほど原価管理が良好 |
| 売上高営業利益率 | 営業利益÷売上高×100 | 5%以上が一般的な目安、本業の収益力を示す |
| ROE(自己資本利益率) | 当期純利益÷自己資本×100 | 業種により異なるが、10〜20%以上なら優良企業、株主視点の収益性 |
| ROA(総資産利益率) | 当期純利益÷総資産×100 | 業種により異なるが、5%以上なら優良企業、資産効率の総合指標 |
M&Aの企業価値評価では、特に営業利益率と経常利益率が重視されます。これらの指標が業界平均を上回っていれば、買い手にとって魅力的な投資対象となりやすいです。
利益率の分析では、単年度の数値だけでなく、過去3〜5年間の推移を確認することが重要です。安定的に高い利益率を維持しているか、改善傾向にあるかなど、トレンドを把握しましょう。
ROEとROAは、投下資本に対するリターンを示す指標です。ROEは当期純利益の自己資本に対する割合のことであり、株主から調達した資金や過去の利益から内部留保していた資金をどれだけ効率よく使用したかを表す指標です。ROAは利益の総資産に対する割合を表し、会社の総資産をどれだけ効率よく使用したかを表します。両指標のバランスも重要な判断材料となります。
安全性分析は、企業の財務的な健全性や支払能力を評価する分析です。負債と純資産のバランス、短期的な支払能力などを複数の指標で確認します。
主な指標の一つとして、自己資本比率が挙げられます。自己資本比率は、総資産に対する純資産の割合を示し、企業の財務的な安定性を測る代表的な指標となっています。
自己資本比率は、純資産÷総資産×100で計算され、この値が高いほど安全性が高いと評価されます。ただし、業種によって適正水準は異なるため、同業他社との比較も重要です。
流動比率は流動資産÷流動負債×100で計算され、短期的な支払能力を示します。200%以上が理想的とされますが、短期的な資金のやりとりだけを考えると120%程度が目安とされています。当座比率は、より厳格な指標で、棚卸資産を除いた当座資産(現金預金や売掛金など、すぐに現金化できる資産)を流動負債で割って算出します。
負債比率は負債÷純資産×100で計算され、借入への依存度を示します。この値が低いほど、財務の安定性が高いと判断されます。M&Aの場面では、過大な借入がないかどうかが重要なチェックポイントとなります。
固定長期適合率は、固定資産÷(純資産+固定負債)×100で計算され、固定資産が長期資金でどの程度賄われているかを示す指標です。この値を確認することにより、固定資産への投資が健全かどうか分かります。
効率性分析は、企業がいかに効率的に利益を出しているかを評価する分析です。同じ利益を上げていても、使用する資産が少ないほど効率的な経営といえます。
総資本回転率は売上高÷総資産で計算され、資産全体の活用効率を示します。この数値が高いほど、少ない資産で多くの売上を上げていることを意味します。
売上債権回転期間は売掛金の回収にかかる日数を示し、短いほど資金効率が良いことを意味します。計算式は、日数の場合、売上債権÷(売上高÷365)であり、業界平均と比較して長すぎる場合は回収管理に課題がある可能性があります。
棚卸資産回転率は在庫の手持ち期間を示します。売上原価÷棚卸資産で計算され、過大な在庫を抱えていないかを確認できます。在庫の滞留は資金繰りを圧迫する要因となるため、M&Aの買い手も注視するポイントです。
生産性の観点では、従業員1人当たりの売上高や付加価値額も重要な指標となります。付加価値額(売上ー外部購入費)÷労働量(労働者数×労働時間)で算出される労働生産性は、人的資源の活用効率を示し、業界平均との比較で自社の競争力を判断できます。
これらの効率性指標は、改善の余地がある場合、売却前に対策を講じることで企業価値の向上につながる可能性があります。遊休資産の売却や不良在庫の処分、売掛金回収の強化などが具体的な施策として挙げられます。
成長性分析は、企業が将来どの程度成長する可能性があるかを評価する分析です。過去の成長率を基に将来を予測する方法が一般的です。
売上高成長率は(当期売上高−前期売上高)÷前期売上高×100で計算されます。前期の売上高と当期の売上高を比較することで、売上が前期からどのくらいの割合で増加したのか知ることができる指標です。
M&Aの企業価値評価では、売上高成長率と利益成長率の両方が重視され、特に利益が伴った成長かどうかが重要な判断基準となります。売上が伸びていても利益が減少している場合は、成長の質に疑問が生じる可能性があります。
経常利益成長率は(当期経常利益−前期経常利益)÷前期経常利益×100で計算されます。売上高成長率と経常利益成長率を比較することで、成長に伴って収益性が向上しているか、低下しているかを判断できます。
成長性の分析では、業界全体の動向との比較も欠かせません。業界が縮小傾向にある中で売上を維持しているのであれば、それは相対的な競争力の高さを示しています。逆に、成長市場で平均以下の成長率であれば、競争力に課題がある可能性があります。
将来予測を行う際は、過去のトレンドだけでなく、市場環境の変化、競合状況、自社の強みと弱みを総合的に考慮する必要があります。M&Aの買い手は、売り手が提示する成長見通しの根拠を詳細に検証するため、合理的な説明ができるよう準備しておくことが重要です。
財務諸表は企業の財政状態、経営成績、キャッシュフローを示す重要な書類であり、M&Aの場面では企業価値を判断する最も基本的な情報源となります。決算書とは財務諸表一式をまとめた書類のことであり、両者の関係を正確に理解しておくことが専門家との円滑なコミュニケーションにつながります。
財務三表の読み方を習得し、収益性、安全性、効率性、成長性の各視点から自社を分析することで、強みと弱みを客観的に把握できるようになります。自社の財務諸表を一通り読み解き、数字に基づく説明ができる状態になれば、買い手やM&A仲介業者と対等に交渉できる自信が持てるでしょう。
ただし、財務分析には専門的な知識も必要であり、すべてを自分だけで判断することは推奨されません。税理士や会計士、M&Aアドバイザーなどの専門家に相談することで、より正確な企業価値評価と円滑な売却プロセスが実現できます。
会社売却をご検討の際は、財務諸表の分析から企業価値評価、売却交渉まで一貫してサポートできる専門家への相談をお勧めします。M&Aロイヤルアドバイザリーでは、中小企業オーナーの立場に立った丁寧な支援を行っています。M&Aや事業承継に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。
CONTACT
当社は完全成功報酬ですので、
ご相談は無料です。
M&Aが最善の選択である場合のみ
ご提案させていただきますので、
お気軽にご連絡ください。