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配当所得は株式や投資信託を行った企業が利益を出した際に受け取る配当金の所得のことです。
M&Aにより得た株式の配当金も配当所得となり、税金がかかります。
本記事では、配当所得の基本的な仕組みから税金の種類や計算方法、確定申告の手順、さらには節税対策まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
配当所得とは、企業の株式を購入した株主や投資信託で出資した投資家が企業の利益の一部として受け取った配当金や分配金により発生する所得のことです。
配当所得として以下のようなものがあげられます。
配当所得と似ているものに「譲渡所得」がありますが、譲渡所得は保有する土地や建物、株式を売却することで発生する所得のことをいいます。
配当所得は、預貯金の利息とは異なり、企業の業績や株価によって変動します。
「配当収入」と「配当所得」は、似た言葉ですが意味が異なります。配当金は、実際に株主が受け取るお金を指します。配当金によって得た収入が「配当収入」となります。
一方、配当所得は、配当金による収入から経費を差し引いた利益のことです。税法上の所得区分の一つであり、配当金を基に計算される所得税の対象となります。つまり、配当収入は「受け取ったお金」、配当所得は「配当収入から経費を差し引いた利益であり、税金を計算するための区分」と考えるとわかりやすいでしょう。
配当所得は、株式投資や投資信託を通じて、お金を増やすための有効な手段の一つです。例えば、ある企業の株式を保有している場合、その企業が利益を上げると、配当金として株主に還元されます。
この配当金を受け取ることで、投資家は定期的な収入を得ることができます。また、配当金は再投資することも可能です。受け取った配当金をさらに株式や投資信託に投資することで、複利効果により資産を効率的に増やすことができます。
配当所得は、他の所得と同様に課税対象となります。
これは、国や地方公共団体が、国民の所得に対して税金を課すことで、公共サービスの財源を確保するためです。配当所得にかかる税金は、所得税と住民税の2種類があります。所得税は国に納める税金であり、住民税は地方公共団体に納める税金です。
所得の種類は所得税法により10種類に区分され、それぞれに税金がかかります。
利子所得 | 預貯金および公社債の利子ならびに合同運用信託、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得 |
配当所得 | 株主や出資者が法人から受ける剰余金や利益の配当、剰余金の分配、基金利息、投資法人からの金銭の分配または投資信託(公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託以外のもの)および特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得 |
不動産所得 | 土地や建物などの不動産の貸付け、借地権など不動産の上に存する権利の設定および貸付け、船舶や航空機の貸付けによる所得 |
事業所得 | 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得 |
給与所得 | 使用人や役員等が支払いを受ける俸給や給料、賃金、歳費、賞与のほか、これらの性質を有する給与に係る所得 |
退職所得 | 退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、確定拠出年金法に規定する企業型年金規約または個人型年金規約に基づいて老齢給付金として支給される一時金 |
山林所得 | 山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得 |
譲渡所得 | 土地、建物、株式等、ゴルフ会員権、金地金などの資産を譲渡することによって生ずる所得 |
一時所得 | 懸賞金や競馬・競輪の払い戻し金、生命保険の一時金など営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得 |
雑所得 | 公的年金や副業に係る所得など上記に該当しない所得 |
(参考:国税庁)
上記に掲げた所得はそれぞれ税金がかかります。税金の計算方法には「総合課税」と「分離課税」があります。
総合課税と分離課税の違いは、課税対象となる所得をすべて合算して計算するか、特定の所得を単独で計算するかの違いです。所得の種類や項目によってどちらで計算されるかが決められています。
また、分離課税には「申告分離課税」と「源泉分離課税」があります。両者の違いは所得税が差し引かれているかどうかの違いであり、年度末の確定申告が必要か不要かで分けられます。
総合課税 | 事業所得(株式は除く) 不動産所得 利子所得 配当所得 給与所得 譲渡所得(土地・建物・株式は除く) 一時所得 雑所得(FX取引などは除く) |
分離課税 | 退職所得 山林所得 利子所得 譲渡所得 配当所得 事業所得 一時所得 雑所得 |
一般的な所得税の項目は総合課税に該当しますが、一部例外として分離課税にあたります。
配当所得は総合課税と分離課税どちらかを選択できますが、投資による配当金を得ている場合は分離課税のほうがお得になります。
所得税の徴収の方法には、源泉徴収と確定申告の2種類があります。源泉徴収とは、配当金が支払われる際に、あらかじめ税金が差し引かれる制度です。一方、確定申告とは、年間の所得を自分で計算し、税務署に申告する手続きです。
通常、上場株式の配当金は源泉徴収がされているため、個人での確定申告は不要です。ただし、確定申告を行うことで「総合課税」または「申告分離課税」を選択でき、配当控除が受けることができます。
配当控除とは、確定申告をすることで受けられる税金の控除制度です。
配当控除を受けることで、配当所得にかかる税金を一部減らすことができます。配当控除の対象は、国内法人からの配当金が中心で、投資信託の分配金の一部や外国株式の配当金は対象外となります。配当控除の金額は、課税所得によって異なります。
配当金が支払われる際に差し引かれる配当所得の税率は所得税15%+住民税5%です。この税率に加えて、2037年12月31日までは復興特別所得税がかかるため、源泉徴収は15.315%+住民税となります。
課税所得金額 | 配当控除 | 申告の要・不要 |
~695万円以下 | 10% | 不要 |
695万円超~1000万円以下 | 10% | 要 |
1000万円超~ | 5% | 要 |
(参考:大和証券)
上場株式の場合、課税所得金額が1000万円以下の場合は配当所得の金額の10%が控除され、1000万円を超える部分は配当5%が控除されます。配当所得の税率を考えると、695万円を超える場合は確定申告を行うことで還付金を受け取ることができます。
また、住民税は配当所得金額の2.8%の控除を受けられます。
課税方法 | メリット | デメリット |
総合課税 | 確定申告を行うことで配当控除を受けることができる。 | 累進課税制度が適用されるため、所得が上がるほど税率が上がる。 |
分離課税 | 総合課税の累進税率よりも税率が低くなる場合がある。 損失が大きい場合は所得と相殺できる。また、年内に相殺できない場合は3年間繰り越すことができる。 | 原則として他の所得と損益通算ができない 税率が異なるため、計算方法が複雑になり時間や労力がかかる。 |
配当所得にかかる税金は、以下の計算式で計算できます。
配当所得の金額 × 税率 = 配当所得にかかる税金
例えば、年間10万円の配当金を受け取った場合、配当金に対して20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)が源泉徴収されます。確定申告をすることで配当控除を受けることができ、税金を減らすことができます。
事業所得500万円+配当所得100万円の場合の配当所得税をみてみましょう。(参照:国税庁)
【総合課税の場合】
600万円(配当所得)-38万円(基礎控除額)=562万円
562万円×20%(所得税率)-42.75万円(控除額)-10万円(配当控除)=59.65万円
59.65万円+(復興特別所得税2.1%)-15万3150円(源泉徴収税)=45.58万円
【申告分離課税の場合】
事業所得:500万円ー38万円=462万円
462万円×20%(所得税率)-42.75万円(控除額)=49.65万円
配当所得:100万円×15%(所得税率)=15万円
49.65万円+15万円+(復興特別所得税2.1%)-15万3150円(源泉徴収税)=50.69万円
事業所得500万円、配当金100万円の場合は総合課税のほうが税金が約5万円安くなります。
配当所得は、国内株式と外国株式で税金の取り扱いが異なります。国内株式の場合、配当控除を受けることができますが、外国株式の場合は配当控除を受けることができません。また、外国株式の配当金は、現地国と日本の双方で課税される可能性があります。確定申告で『外国税額控除に関する明細書』を提出することで、二重課税を回避または軽減できます。
配当所得と確定申告については前述した通りです。原則、配当金は源泉徴収されているため確定申告は不要ですが、申告することで税金が還付される場合や所得税の控除を受けられる場合があります。
確定申告が必要なのは以下の場合です。
具体的にどのような場合に確定申告が必要になるのでしょうか。
例えば、給与所得者の場合、配当所得を含む給与以外の所得が20万円を超える場合は、所得税の確定申告が必要です。ただし、20万円以下でも住民税の申告が必要な場合があります。
確定申告は、複雑な手続きというイメージがあるかもしれません。しかし、実際には手順に沿って進めることで、初心者でも簡単にできます。確定申告の流れは以下の通りです。
準備するものとしては、源泉徴収票、配当金の支払通知書、本人確認書類などがあります。
確定申告は、税務署の窓口で行うだけでなく、インターネットを利用したe-Taxでも行うことができます。e-Taxは、自宅やオフィスから簡単に確定申告ができる便利なサービスです。初心者でもわかりやすいように、操作方法や注意点などが詳しく解説されています。
配当所得の節税方法について解説します。配当控除を上手に活用するコツやNISAを活用して税金を減らす方法、知って得する節税ポイントを紹介します。
配当控除は、確定申告をすることで受けられる節税方法の一つです。配当控除をうまく活用することで、配当所得にかかる税金を減らすことができます。
配当控除の金額は、課税所得によって異なります。課税所得が低いほど、配当控除の効果は大きくなります。配当控除の対象は、国内法人から受け取る配当金が中心ですが、投資信託の分配金など一部対象外となるものもあります。詳細は国税庁の情報を参照してください。
NISA(少額投資非課税制度)は、投資によって得た利益が非課税になる制度です。つみたて投資枠は、毎月コツコツと積立投資をする初心者におすすめです。
2024年からの新NISA制度では、『つみたて投資枠』と『成長投資枠』の併用が可能となり、年間投資枠が最大360万円、生涯投資上限額が1,800万円に設定されました。成長投資枠は、年間240万円まで個別株や投資信託など幅広い商品に投資できます。
配当所得の節税は、小額でも効果があります。例えば、配当金を再投資することで、複利効果により将来の資産を増やすことができます。また、NISAや積立NISAを活用することで、税金を減らすことができます。小額でもコツコツと節税を続けることが、将来の大きな差につながります。
配当所得は、株式投資や投資信託を通じて、企業から受け取る配当金や分配金のことです。配当所得は、税金の対象となりますが、確定申告をすることで配当控除を受けることができます。また、NISAを活用することで、税金を減らすことも可能です。配当所得について網羅的に理解し、あなたの資産形成に役立てましょう。
配当所得に関するよくある質問をまとめました。配当所得は副業と同じ扱いなのか、少額の配当金でも税金はかかるのか、など、初心者が抱きやすい疑問にわかりやすく答えます。
配当所得は副業とは異なります。副業は労働によって得た所得であり、配当所得は投資によって得た所得です。所得税の項目においても副業で得た収入は事業所得または雑所得に該当します。ただし、確定申告においては、両方の所得を合算して税金を計算します。
少額の配当金でも税金はかかります。ただし、確定申告をする必要はありません。源泉徴収によって、自動的に税金が徴収されます。
配当所得にかかる税金は、配当金の金額と課税所得によって異なります。一般的には、配当金に対して20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)が源泉徴収されます。ただし、確定申告をすることで配当控除を受けることができ、税金を減らすことができます。
確定申告をしないと、配当控除を受けることができず、税金を払いすぎてしまう可能性があります。また、確定申告が必要なケースであるにも関わらず確定申告をしないと、税務署から追徴課税や加算税が課せられる可能性もあります。
配当所得は、私たちにとって魅力的な収入源の一つです。しかし、税金や確定申告、節税対策など、知っておくべきことがたくさんあります。この記事を参考に、配当所得についてしっかりと理解し、賢く資産形成を進めていきましょう。
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今後のプランを考えるためにも、ぜひM&Aロイヤルアドバイザリーにご相談ください。
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