譲渡企業
株式会社 L’ ATELIER de SHIORI
代表取締役 竹内 史織 氏
譲受企業
株式会社クラダシ
着手金・中間金無料 完全成功報酬型
本件担当コンサルタント
山鹿 祐綺
山鹿 祐綺
SHIORI 様:はい。当時、お付き合いしていた彼にお弁当をよく作っていて、彼が「美味しい」と言って喜んでくれるのが嬉しかったんです。そこで、料理に夢中となる毎日でした。
当時の私は頭の中がお花畑のような女の子で、夢はお嫁さんでした(笑)高校を卒業したらすぐにでも結婚したいと考えていたのですが、両親からもストップが入りまして、短大に進学する形となります。「卒業したらどこかに就職して、お嫁さんになろう」くらいに漠然と考えていたら、見事に就職活動で全滅したんです。
でも、当たり前ですよね。夢はお嫁さんなので、17時に終わって彼氏と遊べる、土日が休みで彼氏と過ごせる、本当に今思い返せば呆れてしまうようなことばかり考えて就職活動をしていたんです。周りは就職先が決まっていくなかで自分だけ決まらず、それでも「結婚するから、大丈夫」と呑気に過ごしていたら、就職活動の途中で彼にも振られてしまいました。
そこから人生の希望を失ってしまい、廃人のように引きこもっていたら、母が「史織が彼のことを思っている間も、彼はあなたのことを1ミリも考えていないと思うよ。」と言ってくれて。その言葉に衝撃を受けて、「一度きりの人生だから、好きなことを仕事にして生きていこう」と前向きに考えるようになり、好きなことはなんだろうと振り返ったときに、好きな人に料理をつくっている時間が楽しかったなと。
周りの友人で料理をしている子ってほとんどいなかったので、「若い女の子たちに料理の楽しさを伝えたい!」という夢を持ちました。不思議と使命感のようなものを感じたのを覚えています。
SHIORI 様:夢を持ってからはスイッチが入り、フードコーディネーターとなって22歳までに本を出版することを目標としました。学校に通い、卒業してからは学校のアシスタントをしていたのですが、レシピ本を出版するという目標に向かって出版社への営業をしようと、自分を売り込み始めました。
全くの無名な新人が本を出すのは本当に大変でしたが、2007年の夏に「作ってあげたい彼ごはん」を出版することができました。出版するまでも、シリーズとしてベストセラーになるまでも、様々な困難がありましたが、支えてくれたスタッフや家族、読者の皆さんのおかげでここまで突き進むことが出来たと感じています。
SHIORI 様:私も18年くらい料理家をやっているのですが、これは活動していくなかで段々と確信に変わったものとなります。最初の頃は本当に若い女の子のため、同世代の子に料理の楽しさを伝えたいという気持ちでスタートしましたが、レシピが広まっていくと皆さんからメッセージを貰えるようになりました。
「美味しい料理で、家庭が円満になりました。」
「料理をきっかけに、夫婦の会話が増えたんです。」
「彼に料理を作っていたら、結婚することになりました。」
そういった声をたくさんいただいているうちに、私自身も気が付いたんです。「ご飯が美味しいと、皆が笑顔になって、会話が弾むんだ。そして、円満な関係で生活が良くなると、仕事が頑張れたり、新しいチャレンジに積極的になれたり、食卓から暮らしは豊かになるんだ」って。
「食卓から暮らしは豊かになる」というコンセプトは、私のレシピを受け取ってくださった方々の反応から実感したものなんです。
SHIORI 様:そうですね。これまでフランス、イタリア、タイ、ベトナム、台湾、香港、ポルトガル、スペインと8か国に料理の修行で留学しました。すべての国で良い刺激をもらい、素晴らしい体験だったと感じていますが、イタリアではカルチャーショックと言いますか、大きな影響を受けました。
日本だと先生と生徒の垣根がしっかり分かれていて、先生がどうしても立場が上になってしまいますよね。でも、イタリアでは先生と生徒が肩を組んでいたりとか、先生が教えたことに対して、自分の意見や作り方を提示してディスカッションが始まったりするんです。それに、一番驚いたのが、生徒が勝手に指を鍋に入れて味見を始めて、最終的には味見し過ぎて全然残っていないとか(笑)
もちろん、日本では衛生観念的に絶対アウトなんですけど、先生と生徒が対等の立場で、乾杯から始まる自由で楽しい料理教室。それを実現したいと思い、料理教室を始めました。今ではオンラインがメインになっていますが、その関係性というのは変わらずに続けています。
SHIORI 様:世の中には本当にたくさんのレシピが溢れていて、飽和状態にあると思います。例えば、肉じゃがひとつとっても何万というレシピが検索にヒットしますよね。そのなかで有難いことに私のレシピが選んでもらえるのは、おいしさ以外にレシピに込めた想いであったり、背景であったり、そういった細部へのこだわりに共感して下さっている方が多いと感じています。つまり情報量が他のレシピと比べて多い。それを暑苦しいと捉える方も少なくないはずです(笑)だからこそ、まずは信頼関係を築くことに重きを置いています。SHIORIのレシピなら試してみよう!って思ってもらいたくて。
私は日本の家庭料理、定番料理を愛しているのですが、皆さん食べ慣れた料理なので、感動が生まれにくい。それでも、自分でも作ったことがある味の想像を超えてきた時に感動は生まれる。”おいしさ”という感動を通して自信をつけてもらい、その先に”信頼関係を紡ぐ”ことを目指して来ました。自分の中の”針の穴一点”のおいしさを追求するのは大変な挑戦ですが、諦めずに試作を繰り返した先に必ず到達できると過去の経験が教えてくれます。
SHIORI 様:正直なところ、M&Aというものをこれまで検討したことはありませんでした。ただ、レッスンを5年間続けて、生徒さんたちも成長してくれて、やり切ったという達成感があったので、ボリュームダウンしてリニューアルをしたいと考えていました。いや、本当は5年で一旦辞める選択肢も検討していましたね。
でも、私にとって一番の気がかりだったのは会員さんでした。新しいレシピを楽しみにしてくれている会員さんの声を聞くと、こんな素敵なコミュニティをここで終わらせてはいけない、無責任に終わらせてはいけない、なにか違うやり方はないかなと新しい形を模索していたんです。
そんなタイミングで友人からM&Aという選択肢があるよって伝えてもらいました。M&Aが何かも理解していなかったのですが、学んでいくなかで、これはM&Aという選択をすることで、アトリエが持っている唯一無二なもの、本当に価値のあるもの、それをこれまで私が届けることのできなかった方にも届けられるんじゃないかと考えるようになりました。
SHIORI 様:一番大切にしたのは、会員さんに不安を与えないこと、混乱を招かないこと、そしてなによりも失望させないことですかね。
M&Aをしたことで、「コミュニティが変わってしまった」「SHIORIさんが変わってしまった」そう思われてしまうのであれば、M&Aはやらない方がいいと思っていたので、そこを最も大切にしていました。なので、お相手を選ぶ際にも、本当に会員さんたちを大切にしてくれる、これまで皆で築いてきたコミュニティの歴史や理念にリスペクトをもってご一緒してくださる会社さんでないと、絶対にM&Aはできないという思いがありました。
SHIORI 様:クラダシさんのミッションとなる「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」、そしてビジョンとなる「日本で最もフードロスを削減する会社」、そこに私自身が共感とリスペクトを持つことができたというのが決め手でした。
私が「彼ごはん」を出版して100万部を突破したときに、当時の私の編集担当だった女性が「SHIORIちゃん、100万部というのはすごくインパクトのある数字だよ。影響力を持ってしまったんだから、これからは、社会的意義のあることを是非やってほしい。」と25歳の私に言ってくれたんです。
それが私の胸にはずっと残っていて、25歳から社会に何か還元したい、社会の役に立ちたい、と考え続けてきました。私の夢であった出版が叶い、ベストセラーになったというのは本当にたくさんの方が応援してくれたからです。クラダシさんとご一緒することで、皆さんや、社会に私も還元していけるのではと考えたのも理由のひとつでした。
SHIORI 様:私もまだまだ勉強しないといけない分野ではありますが、クラダシさんはフードロスという問題にメスを入れて果敢に立ち向かっている会社さんで、色んな企業様と連携してフードロス削減に向けて動いています。それでも、一番フードロスを出しているのはどこかと言ったら家庭なんですよね。
私もその事実に気づいたときに衝撃を受けたのですが、やはり料理家という仕事は家庭、キッチン、食卓に密接な立ち位置にいると思うので、まずはファンの方や生徒さんを中心に、家庭から出るフードロスがどれだけ問題かというのを知ってもらいたいんです。まずは問題を知ってもらうところから始まり、少しずつ行動を変えていく。私がその架け橋となり、皆の意識が少しずつ変われば、それはやがて大きなうねりとなって社会をも動かす力になると思います。時間もかかりますし、簡単なことではないんですけど、そういう役目を担えればなと思っています。
SHIORI 様:すごくドキドキしました。でも、私とスタッフは非常に深い信頼関係で結ばれていますので、「SHIORIさんが決めたことなら、応援します」というスタンスでいてくれましたね。生徒さんに発表するときも緊張しましたが、ネガティブな声は一切なく、安心しました。
でも、スタッフもポジティブに受け取って応援してくれたからこそ、私自身は頑張らなきゃいけないと身が引き締まる思いです。
SHIORI 様:本当に丁寧、誠実、スピーディーで、山鹿さんにご担当いただけてよかったというのが本心です。山鹿さんの方がお若いんですけど、すごく安心感がありました。私はM&Aについて疎くて初めての世界だったんですけど、最初から最後まで親切、丁寧に寄り添ってくださったので、安心してお任せすることができました。
中川さん(執行役員パートナー・企業情報第三部部長)もそうですが、M&Aロイヤルアドバイザリーさんは真摯に仕事に向き合われているという印象です。人生のなかでも大事な局面となるM&Aをロイヤルアドバイザリーさんにお任せできて、本当に良かったと感じております。ありがとうございました。
山鹿(担当コンサルタント):SHIORIさんにはお伝えしていたのですが、私は最初から最後まで、「SHIORIさん以上に、SHIORIさんの立場で考える」ということを大切にしてきました。SHIORIさんが納得する形を選択していただけるのであれば、それがM&Aでなくても私は構わないと考えていましたが、結果的にクラダシ様との素晴らしいご縁があり、SHIORIさんが最良だと思える道を見つけるお手伝いができたことを、心より嬉しく思っております。SHIORIさんとの出会いが私にとって大きな財産です。ありがとうございました。
SHIORI 様:はい。これまでやってきた「L’atelier de SHIORI Online」は、「La Table de SHIORI Online」に生まれ変わります。
「L’atelier de SHIORI Online」は2020年6月というコロナ禍に始まったのですが、5年間本当に料理と真摯に向き合ってきて、私も生徒さんもしっかりと学ぶことに重きを置いて頑張ってきました。3年、4年、5年と経ち、生徒さんも確実にレベルアップして成長を実感する中で、私も技術的な面で教えられることはだいぶ伝えることができたのではないかと思います。
最後までやり切ったという思いが芽生えてきたんですけど、だからといって、この本当に素晴らしいコミュニティを終わらせるのは勿体ない、存続させたいと考えた時に、これからはもっと肩の力を抜いて自由に楽しむ方向にシフトしていきたいとリニューアルしたのが、「La Table de SHIORI Online」になります。
SHIORI 様:配信でもご説明させていただきましたが、今後はクラダシさんと協力して様々な取り組みをしていきたいと考えています。私のなかで、皆さんとのコミュニティは何にも代えがたい大切なもので、私のスタンスや皆さんとの関係性を含めて、何も変わらないということはお伝えしたいです。ご安心いただければと思います。
「料理の力」というものを私は信じていて、人の心を揺さぶり、感動を与えたり、自信を与えてくれたり、料理にはそんなパワーがあると教えてくれたのは皆さんです。そして、いつしか料理は社会をより良くすることが出来るとも思えるようになりました。クラダシさんが取り組まれている「フードロス問題」は私も問題視しており、家庭内でのフードロスを知ってもらい、人々の行動を変えることで、社会に貢献ができればと考えています。新たな挑戦となりますが、皆さんと一緒に取り組めたら嬉しいです。
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