譲渡企業
新栄電気株式会社
代表取締役 福田 修育氏
譲受企業
能代電設工業株式会社
着手金・中間金無料 完全成功報酬型
本件担当コンサルタント
中川 徹哉
中川 徹哉

福田 様: 新栄電気株式会社は、特高・高圧の受変電設備工事と試験を主力とする電気工事会社です。受変電設備の保守・メンテナンスに加え、一般電気設備や街路灯・公園灯、プラント設備などの工事も手掛けていますが、中心となるのは変電設備の仕事です。1969年の設立以来、50年以上にわたってこの分野に携わってきました。
私たちの特徴は、設備の搬入・据付だけでなく、基礎工事からケーブル工事、性能試験まで、一連の工程をまとめて対応できることです。個々の工事を手掛ける会社はありますが、そこを一貫して担えるところが当社の強みだと思っています。
これまでに手掛けた変電所工事は2,000件以上になります。従業員は14名で、第一種電気工事士と一級電気工事施工管理技士が多数在籍しています。特別なことをいくつも並べるというより、一つの分野を長く続け、技術を磨いてきた会社です。
福田 様: 創業者は私の父になります。父はもともと、配電盤の製作・製造を行う会社で働いていました。その会社で取引のあった日新電機さんが東京で工事を必要としたときに、工事を引き受けられないかという話があったそうです。
ただ、父がいた会社では工事を引き受けなかった。そこで父が工事部門を立ち上げ、東京で日新電機さんの工事を担うようになったのが始まりだと聞いています。
私が入社したのは1992年です。現場の職人として働き、その後は現場監督を務めていました。父が他界した後、母が一時的に代表を引き継ぎ、私が2006年に代表取締役に就任しました。
当時は財務状況が非常に厳しく、多額の債務を抱えていました。初めは会社を畳むことも考えたのですが、従業員から続けてほしいという声がありました。皆、変電設備という専門性の高い分野で働いてきた人たちですから、別の仕事に移るのも簡単ではありません。そういう事情もあって、会社を続ける道を選びました。
福田 様: 何か特別な方法があったわけではありません。自分も現場に出て仕事をしながら、徹底してコストを見直していきました。それを十数年続け、ようやく債務超過を解消することができました。
振り返って大きかったのは、人に助けられたことです。私は若い頃、日新電機さんに3年間出向していました。そのとき一緒に働いた仲間が、年齢を重ねて責任ある立場になり、仕事を当社に任せてくれるようになりました。
社員も厳しい時期を一緒に乗り越えてくれましたし、私が何かすごい再建策を打ち出したというよりは、お客様や社員に支えてもらったというのが実感です。今思えば、仕事を通じてできた「人とのつながり」に救われました。
福田 様: 「嘘をつかない」。それだけは私個人としても、当社としても、徹底してきたつもりです。今も社員には繰り返し伝えています。
電気工事の仕事は、間違えたものを間違えたまま施工すれば、そのとおりの結果になります。ミスを取り繕って一時的にその場をしのいでも、後から分かったときの代償は大きいですし、何より信用を失ってしまいます。
だから、仮に失敗したときは隠さずにお客様にお伝えし、どう対処すべきか判断を仰ぎながら、全力で対応する。もちろん失敗しないことが一番ですが、起きたことをごまかしてはいけません。
挨拶をする、約束を守る、感謝する。そうした当たり前のことを当たり前にやるのが大切だと私は思います。小学生がよく指導される内容と感じるかもしれませんが、世の中にはそれが出来ない大人があまりにも多い。私が経営の中で一貫して大事にしてきたことです。

福田 様: 率直に言えば、助けが必要だったからです。一人でやる、一社でやるというのは大変で、特に人材育成と離職率には大きな課題がありました。十数年取り組んできましたが、私一人で人を育て、定着させることには限界があると感じていました。
例えば教育の仕組みをつくるにしても、一から構築するのは大変です。でも、複数の会社で一つの仕組みを共有できれば、それだけ効率が良くなります。そうした相乗効果があれば、もっとスピード感を持って会社を前に進められるのではないかと考えました。
私は、会社を大きくすることが目的ではありません。ただ、成長していかなければ、現状維持のつもりでも少しずつ後退してしまう。自分たちに足りない力を借りながら、会社を強くしていきたいと思いました。
福田 様: 最初から細かな条件を決めていたわけではありません。まずはいろいろな会社が当社をどう見ているのか、なぜ一緒になりたいと思うのか、その話を聞いてみたかったのです。
今回は戦略的パートナーシップの構築を目的とした、株式の一部譲渡という形に落ち着きましたが、検討段階では私たちがグループの一員になるのでも構わないという姿勢でした。ただ、入るからには、そこに必要とされる「華のある傘下」でいたい。新栄電気がいるからこそグループに価値がある、と思ってもらえる会社でありたいと考えていました。
福田 様: まず感じたのは、会社全体の若さと元気の良さです。社員の皆さんが楽しそうに働いていて、山田社長と一緒に仕事をしたいという人が多い。そうした雰囲気が印象的でした。
山田社長ご自身も、とても行動力のある方だと思います。頭の中でずっと考えるよりも、まずやってみる。私にもそういうところがありますから、考え方が近いと感じました。何かに挑戦するときのスピード感には魅力を感じています。
福田 様: やはり採用や教育、人材の定着という面です。会社の規模が小さいと、仕事や人間関係に悩んだ社員に対して、社内で用意できる選択肢が限られてしまいます。
提携先企業との間で人材が行き来できるようになれば、別の環境で経験を積む道も生まれます。すぐに退職という結論に至るのではなく、時間をかけて成長できる機会をつくれるかもしれません。
教育の仕組みを共有し、お互いの得意なところを生かせるようになれば、双方にとって良い効果があると思っています。

福田 様: 最初に中川さんとお会いしたのは、2022年になります。そこから長い間、気長に付き合ってもらったと思います。何社もご紹介いただきましたが、こちらが迷っているときに「行きましょうよ」とM&Aに向かって後押しされるようなことは一度もありませんでした。
納得して決めることが大切だと思っている私を、急かすこともなく、最後まで寄り添っていただきました。中川さんだからこそ、納得のいく良い着地点が見つかったと思います。感謝しています。
中川(執行役員パートナー):福田社長には、長い間本当にお世話になりました。現在は部を率いる立場として、私自身が直接担当する機会は多くありませんが、福田社長とは弊社が創業間もない頃からお付き合いを重ねてきた経緯があり、今回も引き続き私が担当させていただきました。
福田社長は、最初からM&Aを強く希望されていたわけではありません。だからこそ、決断を急いでいただくのではなく、さまざまな企業のお話を聞いたうえで、ご自身が納得できる選択をしていただくことが何より大切だと考えていました。
M&Aは、必ずしも後継者不在の解決や、すべての株式を譲渡することだけを目的とするものではありません。今回のように、株式の一部譲渡を伴う資本業務提携を通じて、人材育成や組織の強化といった経営課題の解決を目指すことも、一つの選択肢だと考えています。
今回、能代電設工業様という良いご縁に巡り合い、双方にとって良い形を見つけられたことを本当に嬉しく思っています。長い期間お付き合いいただいたからこそ、私自身も非常に感慨深いものがありました。今回の提携が、新栄電気様のさらなる発展につながることを心より願っています。
福田 様: 今回の提携を機に、会社の規模は拡大していきたいと考えていますが、事業そのものを大きく変えるつもりはありません。私たちが取り組んでいることは30年前から基本的に変わっていませんし、これからも受変電設備の仕事を大切にしていくと思います。
それよりも課題なのは、社員一人ひとりの負荷が大きいことです。限られた人数で仕事を担っているので、どうしても負担が集中してしまう。規模を拡大したいのも、その負荷を和らげたいからです。
10年後には、今よりもう少しストレスの少ない会社にしたい。仲間を増やし、人が育つ環境を整えながら、これまで磨いてきた専門性を次の世代へつなげていければと思います。

CONTACT
当社は完全成功報酬ですので、
ご相談は無料です。
M&Aが最善の選択である場合のみ
ご提案させていただきますので、
お気軽にご連絡ください。