譲渡企業
ルナライト株式会社
会長 墨谷 力 氏
譲受企業
株式会社老舗ホールディングス
代表取締役 七森 正史 氏
着手金・中間金無料 完全成功報酬型
本件担当コンサルタント
池田 大輝
池田 大輝

墨谷 様:事業内容としましてはLED関連製品の開発・製造となります。例えば、自動車の室内灯であったり、エレベーターのかご照明や押しボタンスイッチが皆さんにとっても身近だと思います。半導体製造装置や検査装置の画像処理で使われる照明装置などにも特殊用途として当社の製品が使われております。この自動車関連、エレベーター関連、画像処理用照明が当社の三本柱となっていますね。
従業員数としては2025年9月現在で20名となっておりますが、当社はバングラディッシュにも自社工場を保有しておりまして、そちらにも200名程の従業員がいます。
墨谷 様:青色発光ダイオードの実用化により白色LEDが製造可能となって以降は、家庭でもLED電球が主流となっておりますので、LED製品を作る会社はこの15年で増えているように感じます。ただ、当社の場合は40年近く前からLED製品の開発・製造を行っており、ここまで歴史のある会社は業界でも非常に珍しいと思います。
これだけ長くやっておりますので、LEDに関する知識や技術力というのは当社の強みです。特徴を持った製品であったり、他では製造できないような製品を、お取引先様と一緒になって開発できるというのは当社ならではの特徴ではないでしょうか。
墨谷 様:ルナライトは元々、オプトニクス株式会社のLED部門が独立する形で設立されました。オプトニクスは幅広い事業に手を広げていたのですが、LED事業以外はなかなか厳しい状況で、成長性のあるLED部門がスピンアウトする形で設立されました。
私もオプトニクスの技術者だったのですが、会社を畳むということで他の会社さんに出されたんです。しかし、ルナライトには技術者がいないということで、1年も経たずに「戻らないか」と声をかけてもらい、またここで働くことになりました。
そして、14期目くらいですかね。以前より先代がそこまで長く社長をやるつもりがないことは知っていたのですが、私に引き継ぎの話がきたのです。私も技術者ですので正直なところ驚きましたが、外部から知らない社長が来るのであれば、自分が引き継いだほうが良いかなという想いで、「やります」と答えました。

墨谷 様:自分が会社を引き継いだタイミングで、60歳までは頑張ろうと目標を立てました。しかし、経営者となる後継人材がでてくることを期待していたのですが、55歳を過ぎてもまだいなかった。
M&A仲介会社からは非常に多くのご連絡をいただいていたのですが、実際に話を聞いたのはM&Aロイヤルアドバイザリーさんともう一社さんだけでした。色々と状況をお伝えし、お話を聞くなかで、「このままだと自分は辞められないのではないか」と不安になってきたんですよね。私は技術屋で、経営に関しても独学で勉強してきたので、このまま経営を続けていくのは辛いなと。
ここまでは、お得意様の御贔屓であったり、当社の技術力で続けてこられたと私自身は感じていますので、経営に強い方にお任せすることが、従業員のことを考えると最善だと思うようになりました。池田さん(弊社執行役員パートナー、企業情報第七部部長)と出会って、そういった想いを強く抱くようになったのです。
墨谷 様:やはり気にかけたのは従業員のことですよね。私自身が「外部から来た人が社長になるくらいなら」という想いでルナライトを引き継いだという経緯があるので、外から来た新社長が就任することで従業員のモチベーションが失われ、仕事ができないなんてことがあってはならないと考えていました。やはり従業員のなかには、ルナライトに大きく貢献してくれた方もいます。彼らに礼を尽くすというのは大切ですよね。なので、会社を継続するために私が思い描く方向と、お相手が同じ方向を向かれているかというのは大切でした。それから、同業や類似した業界であること、立地として近い距離というのも重視していました。
墨谷 様:舶用電球株式会社(2024年に株式会社老舗ホールディングスと資本提携)の存在が大きかったと思います。舶用電球さんの存在は以前より知っていましたし、東京都清瀬市に構えていらっしゃるので、距離的にも近い。業界や立地的な距離を重視していた私にとっては、非常にイメージがクリアになりました。
墨谷 様:自分の心境としては”安堵した”という表現になるかもしれません。私がこの会社を引き継いだときからルナライトを守ることを考えてきましたので、後継者問題がクリアになり、従業員を守れたということで安堵感がありました。
従業員に伝える前に幹部陣に伝えたのですが、ポジティブな意見が多かったのは良かったですね。当社の技術力は非常に素晴らしいものがありますし、私個人としても「もっとやれる」という想いがありながらも少し停滞している状況が続いていました。幹部陣には同じもどかしさを感じている人間もいたようで、前向きな反応だったと言えます。
従業員の中には仕事内容や待遇の部分で変化があるのではと不安に感じたメンバーもいたようですが、発表して1か月経過したタイミングでは従業員から不安の声があがることはなくなっていました。

七森 様:2024年7月に舶用電球株式会社が資本提携でグループに入ってくださり、舶用電球のオーナーで株式譲渡をしていただいた古谷社長には、現在も社長として継続していただいています。舶用電球はLEDも製造していますが、白熱電球がメイン事業で、白熱電球の市場は過去に縮小し、競合他社が廃業や撒退しました。そういったこともあり、市場は寡占状態となり、舶用電球の業績は順調に推移しております。
古谷社長とは、日の高いうちに新規事業やM&Aでの投資をしようという話をしていました。白熱電球を中心とする舶用電球にとってLEDは当然ながら近しい事業となりますので、どこか良いご縁がないか探していたところに、池田さんからルナライト株式会社のお話をいただきました。
同じ産業系の照明・表示灯メーカーで、立地としての距離も近い。さらに当時の墨谷会長も事業承継にお悩みを抱えられているということで、こんなご縁はないだろうと関心を持ったのです。墨谷会長と舶用電球の古谷社長、そして私の3人でお会いし、「こんな良いご縁はないですよね」と全員がボジティブな反応を示したと思います。そこから一気に進みました。
七森 様:いや、両社は企業文化という観点では大きく異なると思います。LEDが近代の産業ということもあり、ルナライトの技術者はアカデミックな印象がありました。一方、白熱電球は歴史のある産業ですし、百年企業の舶用電球を支える技術者は職人気質と言えるでしょう。
同じ産業系の照明・表示灯メーカーで、M&A後のソフトランディングな運営については私の得意とするところですので、特に懸念はありませんでした。現在も墨谷会長、古谷社長、そして私の3人で上手くやれていますし、社員同士も互いへの関心が高く、兄弟会社の認識を持ってくれております。
七森 様:墨谷会長に最初にお会いしたとき、すぐに技術系の方なんだろうなという印象を受けました。会話をするなかでも、この方が代表をされているなら、ルナライトは技術力が高く、優秀な社員がいる会社だろうと。特に墨谷会長は、ルナライトの高い技術を維持し、社員が安心できる結果を望まれていることを感じました。
墨谷 様:当社にないもので舶用電球さんにあるもの、舶用電球さんにできなくて当社で可能なもの、それぞれあるんですよね。特に舶用電球さんは白熱のガラス物ですので、その領域で複合した何か新しい取り組みができると考えています。
また、LED化が進む際にどれだけ当社が新規のお客様を獲得できるかという点でも大きいですよね。舶用電球さんのお客様がLEDに移行する際には最初にルナライトがご提案できるわけですし、先日は逆のケースもありました。様々な理由から白熱電球をお求めになられる会社さんもあるので、そういった際に当社から舶用電球さんをご紹介することもできます。
七森 様:墨谷会長がお話しされた通りです。ルナライトのLED、舶用電球の白熱電球で多くの産業系照明・表示灯が必要なお客様をカバーできると考えています。実際にお客様のなかには、95%の製品でLEDを採用しているけれども、まだ5%で白熱電球を利用している、しかも白熱電球のメーカーが少なく供給してほしい、そんなケースが存在するのです。我々はどちらにも対応できるので、まとめて提案できるというわけです。
また、新型コロナウイルス以降、サプライチェーンが壊れたことでサプライヤーによっては部品の供給が終わってしまったという話も頻繁に耳にします。ルナライトと舶用電球はサプライヤーが異なりますから、それぞれを紹介し合うこともできています。

墨谷 様:非常に良かったと思います。今回、M&A仲介会社さんは2社で比較検討したのですが、やはり担当者によって全然違うなという印象でしたね。池田さんは本当に親身になって考えてくださりました。池田さんはレスポンスも早く、そこが信頼にもつながっていたように感じます。やはり返事がないと不安になりますから。
七森 様:最近は知識や経験が乏しいアドバイザーから提案を受けることもありますし、成約できればいいというアドバイザーが一部存在することも事実だと思います。
池田さんはそういうことも一切なく、双方に不利益がないように細心の注意を払いながら進めてくれました。池田さんで良かったという一言に尽きます。お人柄も良かったですし、M&Aアドバイザーとしてのレベルが高かったですね。
池田(担当コンサルタント):最初に墨谷会長とお会いしたのは2023年の夏場だったと記憶しております。当初はM&Aに対して前向きではなかったかと思いますが、2回ほど面談させていただくなかで、墨谷会長も私も「M&Aが必要な選択肢かもしれない」と考えるようになりました。
そこから出来る限りのお手伝いをさせていただこうと進めさせていただいたのですが、異業種の会社様からの関心が多く、墨谷会長のご意向に100%沿える本質的なマッチングができておらず、不甲斐なさを感じたのを記憶しております。
七森様がご関心を示してくださってからはすべてがスムーズに進み、2024年10月にトップ面談を行ってから3か月後の2025年1月にご成約となりました。そこにはバングラデシュの現地で行われたデューデリジェンスも含まれますので、私としても驚きのスピード感です。墨谷会長の大きなご決断に寄り添うことができたこと、大変嬉しく感じております。ありがとうございました。
墨谷 様:やはり、まずは経営方針のひとつめに掲げている「お客様第一主義」という精神ですよね。お客様あっての我々ですので、そこの精神に基づいた経営というのは残したいと思います。そして、高い技術力と品質力の継承っていうのも大切だと考えています。どうしても技術力がないと、部品をただ組み立てるだけの会社になってしまいますから。
七森 様:私が驚いたのは、お客様から「難しいものを作ってもらおうとしたら、ルナライト一択です」とよく言っていただけることです。超微細加工の最高峰とされる半導体業界の方から、「ルナライト一択」と言われるのですから、ルナライトは間違いなく素晴らしい技術を持った会社なのです。なので、その付加価値の部分を伸ばして強くし続けるというのが、正しい道だと私も考えています。
七森 様:そうですね。老舗ホールディングスは事業承継にお困りの会社様をグループ化して、共に歩んでいこうという理念を持ち、社員はそれを幸せとして歩んでいる会社です。私も自分の人生設計のなかでバングラデシュに社員が200人いる会社と一緒になるなんて想像もしていなかったですから、エキサイティングでやりがいを感じています。
ルナライトと舶用電球が協力することでより大きなことが出来ると感じていますが、さらに成長拡大を目指していきたいと考えているので、精密部品、精密機械、その周辺分野で事業承継にお困りの会社様があれば、グループに入っていただきたいです。

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