譲渡企業
株式会社KANNON
創業者 道川 慎一 氏
譲受企業
株式会社ホクショー
着手金・中間金無料 完全成功報酬型
本件担当コンサルタント
中村 浩平
中村 浩平
道川 様:株式会社KANNONはKANNON COFFEEというカフェを経営をしている会社です。従業員数は2024年10月現在でアルバイト含めて70名程度。大須観音という寺院の近くに出した大須店が一号店ということで、”カンノン”の名前を付けました。愛知県には名古屋市内に大須店、本山店、名駅店の3店舗、神奈川県には鎌倉市に鎌倉店、EKIYOKO BAKEの2店舗、東京都内に松陰神社駅前店と吉祥寺店があり、合計7店舗を展開しております。
道川 様:元々はカフェをやっていました。当社もカフェ経営に違いはないのですが、商品数が多くなってしまうカフェよりも、珈琲に絞ったお店をやってみたいという想いがあったのです。当時は今ほど珈琲屋の数も多くなく、珈琲ブームとタイミング的にも合ったので、経営としてもすぐに軌道に乗ることができました。
ちなみに、カフェではなく珈琲屋をやりたいと思ったきっかけはイギリス・ロンドンにあります。20年程前にロンドンに2年ほど滞在して美容師として働いていたのですが、ロンドンの街で当たり前のようにあるエスプレッソマシンを、当時の東京では見かけないことに気付きました。私はロンドンで流行るお店は東京で流行ると思っているので、お菓子と珈琲だけを提供するお店を東京にも作りたかったのです。
道川 様:まず、私が大きく影響を受けたお店は2つあり、「Monmouth Coffee」と「cafe 1001」という、いずれもロンドンにある店です。前者は純粋に珈琲が美味しくて、私が留学していた20年前は常に行列ができていました。驚いたことに、3年前にイギリスに行った時も変わらず行列ができていたのです。カフェには必ず流行がありますが、これだけ長い間、愛され続けるお店は本当に凄いと思います。個人的には”珈琲の市場”という表現が相応しいと思えるほど、豆の種類も豊富にありました。
一方、1001というお店は純粋に雰囲気が好きです。立地的なアドバンテージもあるのですが、お店の外と中を非常に上手く使っている印象でした。「座って珈琲を飲んでいるだけで、オシャレな気分にさせてくれる」そんなお店に皆さん出会ったことがあると思いますが、私にとってはまさにそれを象徴するようなお店です。
道川 様:珈琲であればブレンドや焙煎で、お菓子も素材にこだわっていますが、例えばシロップなども自分たちで仕込むようにしています。シロップは季節によって変えており、手作りのこだわりですね。創業当初はそこまで店舗数を広げるつもりもありませんでしたので、本当にすべてを手作りでやっていました。
否定しているわけでは全くないのですが、よくある組み合わせというものを作りたくないという思いがあり、ハーブを使ったお菓子やスコーンなど変わったテイストを好んで取り入れています。これは店舗数が増えた今も変わらない、創業当初からの特徴だと思います。
また、店内に関しては、お客様が座ったときに”違和感がないこと”を大切にしています。天井の高さや座席数含め、落ち着く空間でありたいというのもこだわりですね。
道川 様:端的に言えば、”ワンマン経営に限界を感じた”のでM&Aを選択しました。労務や経理など、経営に関する全ての仕事が私に集まるので、クッションが欲しいと感じたのです。カフェ経営だけに集中すれば10店舗は1人で経営できる感覚はあるのですが、私はカフェ経営だけでなく、美容師としても活動しています。現状のキャパシティを考えれば、これ以上規模が大きくなるのは、ワンマン経営では難しいと言わざるを得ません。限界を感じてからは、資本業務提携を結び、経営目線で共に話せる方が身近に欲しいと考えていました。
道川 様:正直なところ、フィーリングです(笑)自分ひとりで経営することに限界を感じていたので、M&Aに関して何か葛藤があるとか、深く悩むということは一切ありませんでした。ただ、10年やってきて、この事業をさらに成長させられるという自信はありますし、足並みを揃えて共に伸ばしていける会社様を求めていました。やはり、あまりにも考え方が異なる会社様とM&Aをすることは難しいなと考えていたので、感覚的な部分での相性も含めて検討した結果、ホクショーさんがベストな選択だと思いました。
道川 様:ホクショーさんは卸やECが非常に強いので、早速その部分を強化しようと進めていただいています。今まで当社には販路がなかったのですが、ホクショーさんのネットワークで話が進んでいますので、これは早速の相乗効果と言えるでしょう。また、ホクショーさんは他にもカフェを経営しているので、人材交流という部分でも期待が持てると感じています。
道川 様:かなりデリケートな内容ではあると思ったので、伝え方は気を遣いました。ただ、嘘はつかずにそのまま本当のことを伝えています。もちろん、社員もアルバイトも少し思うところはあるのかもしれませんが、今のところ問題はありません。飲食店はアルバイトの割合が多く、スタッフの入れ替わりもあります。これから入ってくるスタッフにとっては、ホクショーさんと提携を結んでいることが当たり前になるはずです。年月と共に徐々に根付いていくのではないでしょうか。
道川 様:最初の接点は、ダイレクトメール(DM)をM&Aロイヤルアドバイザリーさんからいただいて、連絡したのが始まりでした。2023年頃からM&A仲介会社から本当にたくさんのDMが届くようになりましたので、なぜMAロイヤルさんに電話をしたのかは覚えていません。タイミングだったのでしょうね。
中村さんの印象ですが、「世の中にこんなに働く人がいるんだな」と感心しました。周囲の会社員と比較しても、M&Aコンサルタントの仕事量というのは違うなというのが最初の印象ですね。当たり前のことですが、初めてのM&Aになるので右も左も分からないなか、MAロイヤルさんは、常にこちらの負担を考慮しながら進めてくれたので感謝しています。難しい内容でもフィルターを通して説明してくれたので、不安を抱くこともなかったです。想像より成約までの期間もだいぶ短かったので、その点も良かったです。
中村(担当コンサルタント):道川社長がフィーリングで選ばれたと話されていましたが、私はホクショー様にもその感覚(フィーリングが合う感覚)があったと感じています。一緒にKANNON COFFEEの店舗を回っているときに、ホクショーの担当者様が非常に前向きな相乗効果について話していたのを記憶しています。
道川社長の気風とぶつかることなく、一方でホクショー様のアイデアやノウハウでさらにKANNON COFFEEブランドを発展させていく情景が鮮明に浮かびました。
道川 様:一般的には「これだけは変えてほしくない。」「これだけは守り続けてほしい。」など経営者ならあると思いますが、本音として私が残したいものは全くないです。もちろん、KANNONのブランドがより世に広まってほしいという想いはありますが、絶対に守りたいものがあるわけではありません。上手く成長していけばそれが正解だと思いますし、私が思いつかないようなアイデアでKANNONが知れ渡る、ホクショーさんがどのような会社に成長させてくれるのか、楽しみの方が強いです。期待しています。
道川 様:カフェ経営者でM&Aを考えている人はかなり少ないのではないでしょうか。それはM&Aという選択肢を拒絶しているとかではなく、知識がないという意味で検討していないと思います。私もそうでしたが、法人と個人を分けて考えている経営者は多くないはず。
ただ、私自身は肩の荷が下り、気持ちが楽になったのは事実です。一方で会社の情熱が薄れたかと言われたら、全くそうではありません。経営者ではなくなりましたが、KANNONに対するモチベーションは変わらないのです。私ですら、今でもM&A仲介会社から2日に1回DMが届いているくらいですので、M&Aに興味を持ったとしても、皆さんどこに頼んでいいか分からないですよね。それでも、M&Aは経営者にとって選択肢となることは間違いないので、信頼できる仲介会社を探してみてください。
道川 様:まずは会社に残りますので、KANNONに集中して取り組んでいきます。ホクショーさんと共に、自分にはできなかった成長を実現したいですね。中期的な目標で言えば、イギリスに戻るか、イタリアや北欧などに滞在して新しい文化に触れるか、様々な可能性を検討しています。とにかく、インプットする期間を設けたいです。
そして、またお店をやりたいと考えていますが、飲食以外という選択もあるかもしれません。今度は店舗を拡大するとかではなく、自分がこだわり抜いた一店舗を経営してみたいです。
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