社員の未来・会社の成⾧を託した異業種とのМ&A

譲渡企業

株式会社ヒューマンセントリックス

代表取締役   中村寛治 氏

譲受企業

芙蓉総合リース株式会社

常務執行役員   椎葉博正 氏

着手金・中間金無料 完全成功報酬型

本件担当コンサルタント

専務取締役CFO

桜井 博一

専務取締役CFO

桜井 博一

譲渡企業
  • 株式会社ヒューマンセントリックス
  • https://www.humancentrix.com/
  • 2004年6月設立。動画制作・配信の専門企業。BtoB向けの動画制作に特化し、これまで約2,000社、50,000タイトル以上の動画制作実績を誇る。2022年10月に芙蓉総合リース株式会社と資本提携を行い、同社の100%子会社となる。
譲受企業
  • 芙蓉総合リース株式会社
  • https://www.fgl.co.jp/
  • 1969年5月設立。東証プライム市場に上場する、大手総合リース業の一角。2022年度からスタートした中期計画「Fuyo Shared Value 2026」において、CSV(Creating Shared value:共有価値の創造)の実践を通じた社会課題の解決と経済価値の同時実現により、企業グループとしての持続的な成⾧を目指している。

両社の展開されている事業内容について

まず、ヒューマンセントリックス様は、どのような事業をされている会社なのかを教えてください。

中村 様

弊社は大手企業や中央省庁等からの依頼を受けて動画を制作・配信することを事業としています。とはいえ、我々はただ、動画を制作すればいいという考えではありません。
我々が制作しているのは、実際の業務に用いて頂くことを目的とした動画です。そのため、弊社では「業務用動画」という言い方をしています。業務用動画を活用することで、企業の様々な課題解決につながり、結果的に企業の生産性の向上にお役立ていただいています。
例えば、会社紹介、製品サービス紹介、社内のマニュアル、研修、各種説明会、営業のプレゼンテーションなど、挙げればきりがありませんが、業務の一部を動画に置き換えることで、これまで多くの時間をかけて対応していた業務の生産性や効率性を大きく改善することができます。これは大手企業になればなるほど効果は絶大で、様々な部署で活用いただいています。

インタビュー画像1また、大手企業や中央省庁等が抱えている課題のひとつに「コミュニケーション」があります。企業は情報やメッセージを社内外の多くの人に伝えなければならない。中央省庁も理解しづらいことを多くの国民に伝えなければなりません。企業や中央省庁等が伝えるべきことを弊社がインテグレーションして動画を制作し、情報を広く発信する。そのようなコンサルティング的なサービスを提供できる社員を多く抱えていることも弊社の特徴です。おかげさまで多くの大手企業や中央省庁等からご支持いただき、創業から約20年間、会社も順調に成⾧してまいりました。

次に芙蓉総合リース様とはどのような会社なのでしょうか? また、M&Aに対する考え方や戦略についても教えてください。

椎葉 様

弊社は1969
年に創業した、社名の通り総合リース会社です。大きなものだとホテルやジャンボジェット機、船舶など。小さなものだとノートパソコンといった情報関連機器など、幅広くリースを通じたサービスの提供をおこなっています。また、国内のみならず海外でも幅広く事業を展開しています。

インタビュー画像2M&A
に対する考え方や戦略についてですが、従来、弊社の事業戦略にM&Aという考え方はありませんでした。しかし、リースの枠組みを超えた新たな事業領域を拡大し、新領域分野へ進出するため、数年前にM&A
戦略を掲げました。社会課題の解決に貢献しつつ、企業としての持続的な成⾧を両立させることを目的としてM&A に注力することになったのです。そのため我々、ビジネスクリエーション部がM&A
の推進を使命として創設されました。

企業によってM&A の目的は異なると思いますが、我々のM&A は投資目的ではありません。これは、会社を買って企業価値を上げて売って儲けるM&A ではないということです。
⾧期的に一緒に成⾧できる会社に芙蓉総合リースグループへ加わって頂くというのが方針です。
その方針に基づき、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスというビジネスドメインを立ち上げています。このサービスでは、お客様や社会が抱えるさまざまな課題に対し、芙蓉総合リースグループ各社が有する特徴ある機能を活かし、お客様の課題解決や業務効率化のお役に立つことをメインテーマとして活動しています。

企業が存続し、若い社員が夢を持って働き続けられる会社にするためには、M&Aも有力な選択肢であると考えた

中村様は2022年に芙蓉総合リース様と資本提携をされました。そもそもM&Aを検討するようになったのはどのような理由からなのでしょうか?

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中村 様

2019年頃から毎日のようにM&Aを勧めるDMが、さまざまなM&A仲介会社から届くようになりました。当時、M&Aは全く考えていませんでしたが、あることをきっかけにM&Aを検討するようになりました。
私は日本サン・マイクロシステムズ、日本オラクルと外資系IT企業に約15年勤務し、お客様の課題をテクノロジーで解決する仕事を担っていました。もっと別の解決方法があると考え、2004
年にヒューマンセントリックスを創業したのですが、私は15年間隔で転機が訪れる「15年周期」というものがあると考えており、当時、創業から15年以上が経過し、50代の後半に差し掛かったことを機に、ふと会社の将来を考えると、健康面も含めた私自身のリスクが会社のリスクとイコールとなっていることに危機感を感じました。弊社は20代の若い社員が多いのが特徴です。この若い社員が、今の私の歳になっても働き続けられるよう、会社を存続し続けてあげたいと考えました。そのときにM&Aという選択肢も、会社を存続・成⾧させるための有力な手段の一つであることに気づきました。

M&Aを検討したきっかけは社員様への想いからだったのですね。

中村 様

そうですね。社員の未来を考えたとき、会社がもっと成⾧しなければなりません。会社を成⾧させるためにはM&Aも有力な選択肢であると考えるようになり、それから多くのM&A仲介会社や銀行の担当者とお会いし、M&Aへの検討を深めるようになりました。
そして、従業員にも2020年頃から、将来的には「大手企業と資本提携する」、「資本提携によって会社をさらに成⾧させる」と全社員が参加する会議でも明言するようになっていきました。

芙蓉総合リース様がヒューマンセントリックス様に興味を持たれたのはどのような理由からなのでしょうか?

椎葉 様

私が考える、芙蓉総合リースグループへ加わって頂きたい会社の条件は「先進的な事業を展開している会社であること」です。M&Aロイヤルアドバイザリーさんからヒューマンセントリックスさんの資料を見せてもらったとき、率直な感想として「これはなかなか面白いビジネスをされている」と思いました。

面白いビジネスとはどういうことでしょうか?

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椎葉 様

動画という分野は既に顕在化したニーズが多数あり、さらに潜在的なニーズが掘り起こされることで、これからも成⾧して行く市場です。ヒューマンセントリックスさんはそこに特化し、マーケットで独特のポジションとスタイルを築いて事業を拡大されている。そこが大変面白いと思いました。さらに興味深かったのは、大手企業や中央省庁等をメインターゲットに先進的な事業を展開している会社だったことでした。弊社のメインとなるお客様の層ともマッチしており、高い相乗効果も期待できたことから、「これはぜひとも検討させて頂きたい」と考え、中村社⾧とお会いさせていただくことを決めました。

椎葉様は、中村様に初めてお会いしたとき、どのような印象を持たれましたか?

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椎葉 様

我々がM&Aを検討する際は、「これだ!」と思う会社としかお会いするつもりはありません。逆に「これだ!」と思う会社とお会いするのなら失礼があってはいけません。
我々のやる気、情熱を中村社⾧に分かって頂けるように代表取締役副社⾧の髙田を伴ってセッティングの場所へと向かいました。事前情報で中村社⾧は私と同郷(北九州)で先輩だということを知っていたので、そのネタをお会いした最初にお話しようと考えていたのですが、先にそのネタを髙田に取られてしまって(笑)。

中村 様

あの時、髙田副社⾧が自らアイスブレイクのトークを話され、椎葉さんが同郷と聞かされて一気に場が和んだことを良く覚えていますよ(笑)。

椎葉 様

私も同郷の先輩という親近感がありましたし、とても話しやすかった記憶があります。
あと、事前情報で「中村社⾧は情熱に溢れた方」ということも知っていました。でも、お会いしてみるとその熱量が想像していた以上に凄い(笑)。とてもパッションのある方だと思いました。それに我々の質問へのご説明がとても分かりやすいし、ロジックもしっかりされている。
会社に対する愛情はもちろん、社員への愛情も強く深い。同郷の先輩として素晴らしい方だと思いました。

異業種にもかかわらず、明確な事業シナジーがイメージできた

中村様がたくさんのM&A候補先があった中で、芙蓉総合リース様を選んだのはどうしてなのでしょうか?

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中村 様

大変ありがたいことに、多くの企業様にオファーをいただきました。そのなかでも最も事業シナジーが高いと考えた先が芙蓉総合リースさんでした。先にお話した通り、会社を未来永劫存続させるためには社員や会社の成⾧が必要不可欠であると考えています。社員や会社を永遠に成⾧させられる仕組みが、芙蓉総合リースさんとなら一緒に構築できると考えました。

というのは、我々が大手企業を対象としているのに対し、芙蓉総合リースさんも大手企業を対象としている。かつ、我々はインバウンドマーケティングが中心なのに対し、芙蓉総合リースさんはアウトバウンドマーケティングが中心。ターゲットが同じで、しかも営業面でお互いを補完し合える関係です。初めてお会いした日に、「これはもの凄い相乗効果が生まれる」と容易に想像が付きました。また、「芙蓉総合リースさんとなら共同で新しいサービスモデルを作って行けるのではないか」という可能性も感じました。事業シナジーと今後の新しいサービスモデルに期待できるということを強く感じたことから、芙蓉総合リースさんと話を進めようと考えました。

理想とする相手だったということですね。

中村 様

そうですね。通常であれば、弊社のような動画制作会社は同じ動画業界でM&Aをするものです。事実、弊社に対し、動画制作会社としての“制作リソースが欲しい”、という大手企業からのオファーはいくつかありました。しかし、弊社が弊社としての強みや独自性を維持しつつも、事業シナジーを創出できる会社は芙蓉総合リースさん以外にありませんでした。
また、芙蓉総合リースさんのような大企業で、しかも異業種からのオファーは普通なら考えられないことです。2022年10月の資本提携直後に社外に向けてM&Aを発表したところ、社⾧仲間や業界仲間はその意外性に驚きました。しかし、その後、「事業シナジーを考えて芙蓉総合リースを選んだのは、中村さんらしい」と皆、納得したそうです(笑)。

椎葉 様

我々も、冒頭でお話した通り、M&Aにはリース業という枠組みを超えた新たな事業領域を拡大し、新領域分野へ進出するという狙いがあります。ヒューマンセントリックスさんという異業種がグループに加わることで、我々も成⾧できるという期待がありました。

現在、両社でどのような取り組みを行っているのですか?

椎葉 様

中村社⾧がおっしゃった通り、弊社とヒューマンセントリックスさんはターゲットとするお客様のゾーンが同じです。両社で関係を深めたい企業をリストアップし、一緒にご提案活動を行っているところです。

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中村 様

M&A 後、短期間で20社ほどの芙蓉総合リースさんのお客様に訪問させて頂きました。もちろん、契約に至る、至らないはありますが、お客様から「今日は良い話を聞けた」と感謝されることが多く、我々としてもありがたいことです。

椎葉 様

さまざまな会社さんにグループに加わって頂いた際、同じようにご提案活動を行ってきましたが、今回は特に反応が良い。やはり動画は分かりやすいコンテンツですし、お客様に話を聞いて下さいと言いやすいツールです。そして、ご提案の場を作ると中村社⾧の強力なプレゼンテーションがある(笑)。我々の既存のビジネスの拡大のきっかけにもなっており、とても助かっています。

M&A 直後から相乗効果が発揮できているということですね。

椎葉 様

ご提案活動を行っていると、私自身、「弊社では動画を上手く活用できていたのか?」と考えさせられ、ハッとすることがあります。話を聞いていると大手企業ほど、動画というツールがあることは知っていても本当の使い方は分かっていないと感じます。だからこそ、ヒューマンセントリックスさんからご提案いただくと、その有用性をすぐに理解して頂けます。

中村 様

会社紹介動画や製品サービス動画などを制作できる会社は世の中にたくさんあります。しかし、弊社が目指しているのは、企業活動における課題を解決し、生産性を上げるためのツールを提供することです。芙蓉総合リースさんのお客様の様々な課題に対し、弊社も貢献できると考えています。

椎葉 様

我々も重視しているのは、お客様の課題解決です。数あるリース会社のなかでも提案営業に強いリース会社になろうと強化してきました。そこに、我々にはなかった「動画」という新しい切り口が加わり、お客様でも認識していなかった新しい課題にタッチすることができる。動画による課題解決をきっかけに、今後ほかにも、さまざまな課題に触れるチャンスが広がって行くと期待しています。

M&A仲介会社が不安を解消してくれた

M&A仲介会社の対応はいかがでしたでしょうか?

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中村 様

M&A
を考えるようになってから、M&Aを提案してきた様々な仲介会社や金融機関とお会いする機会も増えたのですが、返事のスピードとか、こちらの意図を汲み取っていただく能力といった点で、私の期待水準を満たす会社や担当者に中々出会うことができませんでした。私は自身が営業マンだからこそ、逆に営業を受ける立場のときは、相手に求める期待水準も高いので、とても厳しく接します。実際に、M&Aロイヤルアドバイザリーの担当である桜井さんに出会うまでに、別の金融機関やM&A仲介会社と契約を交わし、検討のプロセスを進めたことが何度かありましたが、サービスに満足できる会社は1社も現れませんでした。
そんなある日、M&Aロイヤルアドバイザリーからの1通の手紙が届きました。何か惹かれるものがあり、メールをしてみると直ぐに返事が返って来ましたし、その後の対応にもスピード感があり、その知識やノウハウの量にも驚かされました。そのことから直感的に「この仲介会社と担当者は信頼できる」と思いました。
私にM&Aの経験はなかったので、不安ばかりを抱えていました。M&Aの検討プロセスを進める中で、多くの不安に思うことが出てきますが、その都度質問すると直ぐに返事が来る、とても安心できました。担当の桜井さんはノウハウもコミュニケーション能力も高いプロフェッショナル。M&Aロイヤルアドバイザリーと進めていなければ芙蓉総合リースさんとのM&Aは間違いなく実現されなかったと思います。

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椎葉 様

ビジネスクリエーション部が設立して7年が経ち、グループに入って頂く会社はヒューマンセントリックスさんが7 社目となります。およそ1 年に1
社のペースでM&Aを進めてきました。しかし、M&A仲介会社を介したM&Aは我々にとって初めての経験でした。そのため不安もありましたが、M&Aロイヤルアドバイザリーさんとのやり取りが始まるとその不安は早々に払拭されました。
仲介ですとアドバイザーは双方の間に入るので、どちらの立場にも立たないといけない。どちらかに偏ってはいけない。そのバランスのとり方がとても上手いと感じました。片方の信頼を得ることは、腕のある営業マンならできるでしょうが、両方の信頼を得るのは大変なことです。
我々もこの仲介会社の担当者なら細かいことも相談できる。中村社⾧が言うようにレスポンスがとても速い。
中村社⾧に直接言わなくともM&Aロイヤルアドバイザリーに言えば我々の真意が中村社⾧に伝わるという安心感もありました。

社員が幸せになるM&Aが最も大切

M&Aを検討されている方々へのアドバイスをお願いします。

中村 様

事業シナジーと会社の成⾧を考えることが大事です。また、社員の幸せも考える必要があります。例えば、会社が成⾧すると社員の給料も高くすることができます。そんなビジョンを考えられる相手かどうかが重要だと思います。
M&Aは創業者にとってEXITですが、社員にとっては再スタート。未来をイメージしてM&Aを成立させることが社員の幸せにつながると考えます。

今回と今後のM&A をどのようにお考えでしょうか?

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椎葉 様

これまで7
社のM&Aを行ってきましたが、創業者から直接事業を承継したのが実は今回が初めてでした。創業者である中村社⾧から事業を譲り受ける責任の重さを感じています。中村社⾧からヒューマンセントリックスさんに対する想いの強さも伝わって来るので、我々としても身の引き締まる思いがあります。
今後のM&Aとしては、その分野でキラリと光る活躍をされている会社を求めて行くことに変わりはありません。社会の役に立つビジネスを磨いている会社さんと良いご縁があればと常に考えています。
また、弊社は下請け的な会社を探しているわけではありません。新しい機能を持った会社がグループに加わることで、グループをさらに発展させるのが目的です。そして、その加わって頂いた会社にはその分野で主役になって頂きたいと考えています。例えば、今以上に「動画といえばヒューマンセントリックスだよね」と言われるようになって頂く。そんな主役となる会社を増やして行きたいと考えています。

前例のない場所へ。共に成⾧を歩む

最後に、中村様と椎葉様に今後の抱負などを伺えますか?

中村 様

今回の資本提携を機に次にやりたいことも考えていました。「じゃ、やりたいことは何か?」と自問自答すると、出て来る答えは「ワクワクすること」でした。今回、芙蓉総合リースさんとM&Aをしたことで、私自身、とてもワクワクを感じています。無から有が生まれそうな、今までの市場にないような、前例のないサービスが生まれる可能性を感じています。今後も芙蓉総合リースグループの1社として成⾧して行けるよう、引続き代表として、両社の発展のために私も邁進したいと考えています。

椎葉 様

ヒューマンセントリックスさんがグループに加わったことで、おかげさまで芙蓉総合リースグループの一段の成⾧に弾みがつきました。今後もグループ会社と一緒になってさらに発展して行きたいと考えています。

貴重なお話、ありがとうございました。

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