FLYING SOUTH GROUP株式会社|個性が輝く「こんぺいとうネットワーク」で、安心して暮らせる社会の実現を

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双葉ライン株式会社

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FLYING SOUTH GROUP株式会社

代表取締役社長   中山 文宣 氏、小根森 聡 氏(財務部 部長)

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本件担当コンサルタント

企業情報第二部

織田 浩行

企業情報第二部

織田 浩行

譲渡企業
  • 双葉ライン株式会社
  • https://futaba-line.co.jp/
  • 双葉ライン株式会社は東京都葛飾区に本社を構える、路面標示や道路標識など交通安全施設業の会社。1981年に代表取締役会長の御厨 正敬 氏が創業。2025年7月に株式会社日本パーカーライジング広島工場とのM&Aを選択。
譲受企業
  • FLYING SOUTH GROUP株式会社
  • https://www.hiroshima-parker.co.jp/
  • FLYING SOUTH GROUP株式会社(株式会社日本パーカーライジング広島工場)は1940年に設立。表面処理を主軸としながらも、セーフティファシリティーズ部門は昭和21年からという歴史を持つ。2025年7月に双葉ライン株式会社との資本提携。

「こんぺいとうネットワーク」がビジョン。とんがりは社員の個性や会社の強みを表現

FLYING SOUTH GROUP株式会社の事業内容や特徴、従業員数について教えてください。

中山 様:FLYING SOUTH GROUP株式会社(以下、FSG)は株式会社日本パーカーライジング広島工場を中核としたホールディングカンパニーです。FSGの傘下には他にも航空機部品の表面処理や分析を事業とするBlue Sky Frontier株式会社など9つの会社があり、そこに今回、双葉ライングループとの資本提携で3社が加わりました。従業員数は日本パーカーライジング広島工場で245名、FSG全体で448名となります。

事業内容としては多岐にわたるのですが、日本パーカーライジング広島工場は金属の表面処理から始まった会社で、現在もそこが事業の柱となります。金属の表面に化学的な処理を施すことで、防錆、潤滑性、親水性、塗装の密着性向上のための下地処理などの機能を付与し、部品や最終製品の価値を上げていきます。それ以外にも、薬品や塗装の消耗資材の販売、表面処理や塗装に関する設備の設計から施工、道路標識や遮音壁、ハンドレールといった交通安全施設関連など、幅広い事業を行っております。

そのため、皆さんが常日頃、目にしているあらゆる製品に当社は関与していると言っても過言ではありません。この幅広い事業領域と、必ず社会で必要とされる製品を提供しているところが当社の特徴です。「お客様に安心、快適、わくわくを提供する」という経営理念のもと、目立たないけれども、生活のなかで皆さんから必要とされる事業をいくつも立ち上げ、ネットワーク化しながら大きくしていきたいと考えています。

創業経緯について、ご存じの範囲でお聞かせください。

中山 様:創業は戦前となる1940年に遡ります。従来、鉄は錆びるのが普通で塗装が防錆手段でしたが、そこにリン酸塩被膜処理(通称パーカー処理)と言われる画期的な方法が誕生しました。この技術を日本パーカーライジング株式会社が日本に導入し、その傍系会社として設立されたのが当社です。

戦前・戦時中には兵器に対しての防錆需要が高く、戦後には自動車の生産、鉄鋼各種製品にも必須の技術として急速に普及しました。当社は戦後すぐに、パーカー処理の技術を利用して道路標識の製造にも参入します。当時、日本を占領していた米軍が道路標識を整備するにあたり、仕様書に「鉄板にパーカー処理を行い、塗装すること」と記載されていたのが発端となりました。

昭和21年に受注をして標識を製造したのが当社の記録として残っています。これは日本でも最古の標識製造記録となり、当社が日本で最も古い標識メーカーであることを意味します。当初は標識板を製造するだけだったのですが、日本のモータリゼーションが進展し、高速道路が次々と開通するとともに、自動車向けの表面処理、高速道路向けの標識の両方で、大きな市場成長の波に乗ることができました。特に高速道路の環境整備が進展すると標識板の大型化が進み、施工工事も請け負うことになり、売上規模も大きくなりました。

FLYING SOUTH GROUP様のビジョンについても教えていただけますか。

中山 様:当社では「こんぺいとうネットワーク」をビジョンに掲げております。金平糖という砂糖菓子には様々な色や形がありますが、金平糖のとんがりは、社員の個性やそれぞれ会社の強みに似ています。

会社ひとつひとつに目を向けると、ニッチな業界であり、小粒な会社かもしれません。しかし、個性を大切にそのとんがりをきちんと作れば、マーケットの中で確かな存在感を示すことができると考えています。単体だと環境変化や市場の変化に翻弄される可能性がありますが、会社を繋いでネットワークにすることで、レジリエンスが高まり、困難に対して、強く、しなやかに対応できる体制を構築できます。

また、”現在への最適化”だけでなく、”未来への最適化”も常に行う必要があります。将来に向けての新しい事業の探索というのも、会社がネットワークで繋がることで実現できると思うのです。そういうネットワークを作った状態を「こんぺいとうネットワーク」としてビジョンに掲げています。

当社は真面目で堅実。お相手の企業文化にも同じものを求めたい

M&Aによる成長戦略を取り入れた経緯を教えてください。

中山 様:これまで順調な成長を続けてきましたが、売上100億を超えたあたりで成長が鈍化しました。要因としては明確で、市場が成熟したからです。高速道路は現在かなり整備が進み、開通自体は年々少なくなっています。公共事業関係費の大幅な削減も発表から20年を超えましたから、厳しい環境のなかで規模を維持しているのが現状です。

表面処理に関しても順調ですが、メーカーが日本を拠点に仕事をしてくれてこそ、我々も活躍の場があるわけです。しかし、残念ながらだいぶ前より各メーカーの海外移転が加速しています。また、海外メーカーから頼りにされていた日本の技術力というものも、価格競争で中国に負けてしまいました。

このような厳しい環境下においても、どうにか踏ん張っているのが日本の製造業なわけですが、そこに当社が甘んじているだけでは、今後の成長は難しいです。このまま動かなければ衰退してしまう可能性もあります。当社が自主自立で前に進むのは基本としながらも、既存事業を強化すると同時に新規事業を発掘していくためには、M&Aが有効な手法だと考えるようになりました。

M&Aを検討される際に、企業文化の観点でお相手を見られていますか。

中山 様:当社は真面目で堅実な社風ですので、派手で浮ついた会社は合わないと思っています。従業員を見ていても真面目に仕事をしてくれる方が多くて、流行に飛びついて急成長を狙うという文化はございません。浮利を追わず、皆さん確実に自分たちの存在感を発揮できる仕事をやってくれています。

資本提携を結ばせていただく会社さんも、同じような社風であるか否かは重要なポイントです。やはり、一発狙いで大きなリスクを冒す会社さんは合わないかなと思いますし、社員同士が交流しても難しいところがあるのではないでしょうか。

今回、双葉ライン株式会社に興味を持たれた経緯についてお聞かせください。

中山 様:M&Aロイヤルアドバイザリーさんから双葉ライン様をご紹介いただきました。当社にとって3社目のM&A案件となりましたが、詳細資料を見ると、標識工事に非常に近い道路標示の仕事をされており、しかも地域やゼネコンに密着して堅実な業績を上げている会社でした。

事業内容に関心を持ったのはもちろん、財務状況など数字面を見ても非常に素晴らしい会社だなと思いました。それに、双葉ライン様が道路標示の仕事を受注し、当社が標識の工事を受注する。それが実現すれば、公共工事の受注確率は単純に倍になるというイメージも湧いたので、進めさせていただきました。また、採用活動や資格保有者の確保、育成という観点でもメリットがあると考えました。

御厨会長に初めてお会いした際の印象はいかがでしたか。

中山 様:御厨会長と初めてお会いした際も、非常に好印象でした。事業に実直に取り組み、かつ社員を大切にされています。ライオンズクラブ等の活動を積極的に行われているところからも、公共への奉仕精神も感じられました。

施工業というのは人材が会社の財産となります。グループに参加していただいても、次々と従業員の方が辞められるのでは、意味がありません。御厨会長なら、決してそんなことにはならないという確信を持つことができました。

小根森 様:御厨会長の第一印象は「紳士的であり、誠実な方」でした。社会貢献を前提に事業をされているところや、障害を持つ方の雇用であったり、従業員の資格制度もそうです。従業員を大切にし、社会貢献にも取り組まれる、そういった物事の考え方を知ることができました。

御厨会長は、FLYING SOUTH GROUP様のお名前をリストで見たときから、お相手になる予感を抱かれていたそうですね。

中山 様:私もそれを聞いて大変驚きました。初めてお会いしたときに、御厨会長から「パーカーさんとは昔、一緒にお仕事をしたことがあるのです。」とおっしゃっていただいたのですが、当時を知る社員というのは当社には既におりません。しかし、かつて聞いた話を辿ってみると、確かにそういった接点があっても不思議ではありません。そこには私も不思議な縁を感じました。

想定される相乗効果についてもお聞かせください。

中山 様:先程も少し触れさせていただきましたが、道路に関する新設からメンテナンスまで幅広く受注機会が増えるというのが、ひとつの相乗効果になります。双葉ライン様は道路標示がメインの仕事ではあるのですが、標識の仕事も受注されたりしています。つまりは、当社の標識を売ることも可能なわけです。

また、当社も双葉ライン様にご協力いただければ、道路標示の方でも入札に参加できる可能性が生まれます。どこまで仕事を請け負えるかは別として、市場のなかでチャンスが広がるのは大きな相乗効果と言えるはずです。

小根森 様:管理部門としては、労働環境の観点でも設備投資といったハード面、従業員のマインド面の2種類があると考えており、その両面で積極的な後押しをしていく予定です。それから、従業員の教育にも力を入れ、FLYING SOUTH GROUP全体としての成長を促していきたいと考えておりますが、双葉ライン様においては今までの文化や伝統、DNAみたいなものがあると思います。

それらを無下にすることは避けたいので、コミュニケーションを通して、お互いが共存・共栄できる環境を作っていければ、より素晴らしい組織へとグループ全体として成長できると考えております。

スムーズに進められたのは、織田さんのレスポンスの速さによるもの

M&Aロイヤルアドバイザリーのコンサルタントはいかがでしたか。

中山 様:今回、織田さんにはとても力になってもらいました。私たちが考える相乗効果について、なかなか馴染みのない業界で理解も難しいかと思いましたが、コミュニケーションを重ねる中で的確に理解し、御厨会長に伝えてくださりました。

そのため、初回の顔合わせからスムーズに話が進みました。双方の企業の立場に立って、お互いにベストな結果となるように考える。これがM&Aを成功させる要因のひとつと私は考えています。「成約=実績」と考えて無理やり話を進めるようなM&A仲介会社、担当者では安心して任せることができませんが、M&Aロイヤルアドバイザリーさんはその対極にある会社でした。

小根森 様:これまでM&Aを経験した中で、一番に近いといっても過言ではないくらいスムーズに進めることができました。それは何よりもレスポンスの速さだと思います。

デューデリジェンスの資料を頂いて、財務状況を全てチェックするのですが、少しでも疑問があれば我々は全て質問するようにしています。コンプライアンスやガバナンスの問題があっては困りますので、それを未然に防ぐためには軽度なものに関しても質問しているのですが、これに対するレスポンスが非常に速かった。回答を得るまでに時間を要するものに関しても、進捗報告が必ずありました。これが今回のM&Aをスムーズに進めることができた一番の要因だと考えています。ありがとうございました。

織田(担当コンサルタント):本件は、本当に良いご縁に恵まれたものだと考えております。双葉ライン様は絶対に世の中に無くてはならない企業様でございましたし、何よりも御厨様が本当に素晴らしいご人格でございましたので、私も自信をもってFLYING SOUTH GROUP様にご提案することができました。

また、FLYING SOUTH GROUP様は、初めから中山社長、小根森部長共に御厨様及び双葉ライン様のことを第一に考え行動されており、ご一緒になることで少しでも両社が良くなる未来を常に考えている素晴らしい企業様でございました。本件に、私が仲介として立ち会えたことを心より嬉しく思います。本当にありがとうございました。

未来のことを考え、幸せに、快適に、安心して暮らせる社会を実現したい

双葉ライン様との今後について、メッセージをお願いします。

中山 様:M&Aは契約の成立が終わりではありません。むしろ、最終的に双方の企業価値、そして従業員の幸せが実現できてこそ成功と言えるのです。双葉ライン様はしっかりと仕事をしてきて信頼のある会社ですが、双方の技術交流を通じて受注を増やし、成長に繋げていきたいです。

財政難による公共投資削減から20年以上が経ち、この業界から撤退する企業も出てきています。しかし、道路などのインフラは誰もが快適な生活を送るうえで必要不可欠となり、しかも、作って終わりではなく常に使える状態を維持する必要があります。誰かがやらなくてはならない、これからもなくならない仕事。それが標識や道路標示をはじめとした道路安全施設です。

AIや自動化で省人化は多少進むかもしれませんが、必ず人がやる必要がある、社会的な意義がある仕事です。生活する人のことを思いやって仕事をする双葉ライン様と当社が共に手を携えることで、成熟した市場の中でもきらりと光る存在感を発揮できます。

実は、FLYING SOUTH GROUPで目指しているのはそういうビジョンです。人から必要とされる、きらりと光るとんがりをもった多様な会社。それがつながることで社会をより強靭に支え、発展させていく。「こんぺいとうネットワーク」を合言葉にこれからも事業を広げる会社にグループに入ってもらいます。双葉ライン様にも、大粒の金平糖になっていただきたいと願っております。

中山社長が今後挑戦していきたい目標があれば教えてください。

中山 様:今まで私は、自分の引き継いだ会社を潰さずに、どう安定的に次世代に繋ぐかを考えてきました。しかし、こうやってFLYING SOUTH GROUPというホールディングスを作り、製造業のサプライチェーンとして強い企業が出来つつありますので、そこを進めていきたいと思います。海外の大手プライムから直接仕事を依頼されるようなサプライヤーにまで製造業で成長したいです。

また、やはり”自然”との調和は非常に大事だと私は感じていて、自然と人類の共存に向けて、製造業ならではのソリューション観点から貢献していきたいとも思います。子供たちや、未来のことも考えながら、皆さんが幸せに、快適に、安心して暮らせる社会を実現したいと考えておりますので、そこに全力を尽くしていきたいです。

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