株式会社フォーサイド|世の中で求められるものに応える事業を。マカルーデジタルとのM&Aで加速する「挑戦」

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本件担当コンサルタント

企業情報第二部

織田 浩行

企業情報第二部

織田 浩行

譲渡企業
  • 株式会社マカルーデジタル
  • https://macareux.co.jp/
  • 株式会社マカルーデジタルは東京都世田谷区に本社を置くWeb開発会社。Concrete CMSを用いたWebサイト構築・運用やクラウドインフラの設計・運用を手掛け、高い技術力を強みとする。2026年10月にフォーサイドグループへ参画。
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  • 株式会社フォーサイド
  • https://www.forside.co.jp/
  • 株式会社フォーサイドは東京都中央区に本社を置く東証スタンダード市場上場の持株会社。出版・メディア、プライズ、物流、人材サービス、AI関連など多様な事業を展開する。2026年10月に株式会社マカルーデジタルとの資本業務提携を発表。

Concrete CMSを軸に築いた株式会社マカルーデジタルの歩み

まず、株式会社マカルーデジタルの事業内容と強みを教えてください。

菱川 様:当社は2012年の創業以来、オープンソースのCMSである「Concrete CMS」を中心に、Webサイトの構築・運用、Webシステム開発、AWSなどのクラウドインフラの設計・運用を手掛けてきました。Concrete CMSの開発元である米国PortlandLabs社の日本唯一の公式サービスパートナーでもあります。

CMSはWebサイトを管理・更新するための仕組みですが、Concrete CMSは権限管理や運用フローが求められる企業サイトにも適しています。私たちはCMSの導入だけでなく、会員サイトや外部システムとの連携、インフラの整備、その後の保守運用まで一貫して対応できることが強みです。複雑なサイト構成や長期的な運用が必要なお客様とも、継続してお付き合いしてきました。

菱川代表がWebの世界に進み、会社を立ち上げた経緯をお聞かせください。

菱川 様:大学では作曲を学び、コンピューター音楽やメディアアートに関心を持っていました。そこでプログラミングに触れ、アルバイト先のWeb関連のベンチャー企業でもCMSやWeb制作に携わるようになったのです。その会社は後に事業を継続できなくなってしまったのですが、そこで出会ったお客様とは、今でもお付き合いが続いています。

その後、国内で「concrete5」(現在のConcrete CMS)に取り組んでいた開発者の仲間と交流するようになり、2012年に会社をつくりました。最初から大きな事業にしようと考えていたわけではありません。仲間や米国の開発元の方々とのつながりができ、ソースコードの改善にも参加するなかで、「日本でも普及やサポートを本格的にやっていこう」となったのが始まりです。

株式会社フォーサイドの大島代表にもお伺いします。グループの事業内容と、幅広い事業を展開されている背景について教えてください。

大島 様:当社グループでは、出版・メディア、プライズ、物流、人材サービス、AI関連など、幅広い事業を展開しています。当社では事業領域を狭く決める必要はないと考えており、世の中で何が求められているのかを見極め、それに応える事業を生み出していきます。

私がフォーサイドの経営に関わるようになった頃、ちょうど物流業界では「2024年問題」が大きな課題となっていました。ドライバーの労働時間が制限される一方で、実際に運送会社の方々に話を聞くと、荷台に十分な余裕を残したまま走っているトラックも少なくないというのです。それならば、AIを使って輸送の効率を高める仕組みをつくれないかと考えました。こうした社会課題を新しい技術で解決したいという思いが、AI関連事業に取り組むきっかけの一つになりました。

医療分野でも同じです。例えば、患者さんが退院や転院をする際には、看護師の方が患者情報をまとめる作業に多くの時間を費やしています。本来、患者さんと向き合うために使えるはずの時間が、事務的な作業に取られてしまっている。そこで、AIを活用してその負担を軽減するシステムの開発にも、外部企業と共同で取り組みました。

事業領域が異なっていても、社会の課題を見つけ、それを解決するために挑戦するという考え方はグループで共通しています。そうした挑戦を次々と形にしていけるのは、フォーサイドならではの強みです。

「やめるか、大きくするか」。次の10年を考えた先の結論

マカルーデジタル様の将来について、M&Aを検討する以前はどのようにお考えでしたか。

菱川 様:もともとは、事業承継について特に考えていませんでした。会社を始めた時は、正直なところ10年も続くとは思っていなかったのですが、実際に10年以上続けることができ、お客様も従業員も増えました。これまで築いてきたものを考えると、簡単に会社をやめるわけにはいかないと思うようになったのです。

会社をこの先どうするのか。自分の中では「やめるか、大きくするか」を考える必要が出てきて、いろいろな選択肢を調べるなかで、M&Aという方法を知りました。

M&Aを具体的に考えるようになったきっかけは何でしたか。

菱川 様:それまでもM&Aに関するお話をいただく機会はありました。ただ、どのような目的でM&Aをするのか、私たちにとってどんな未来があるのかが、あまり具体的に見えなかったのです。

織田さんとお話しするようになってからは、いろいろな選択肢について一緒に考え、議論することができました。その過程で、自分がM&Aによって何を実現したいのか、少しずつイメージが明確になっていったと思います。

お相手企業を選ぶ際に、何を最も大切にされましたか。

菱川 様:一番は社長さんです。一緒に何かをやったら面白そうな方かどうか。私にとって大切だったのは、「次の10年に面白いことができるか」という視点です。

一般的なM&Aでは「今までどおりの事業を続けてほしい」というお話が中心になることも多いと思います。でも私は、これから何をしていきたいのかという話がしたかった。大島社長とは、最初から将来のことや新しい挑戦について話ができたので、前向きに考えることができました。

ビジネスは”人”がやるもの。だからこそ、”人”を大切に

大島代表は、マカルーデジタル様のどのようなところに魅力を感じられましたか。

大島 様:Concrete CMSに関する高い専門性や技術力については、もちろんお話を聞いて評価していました。ただ、私が最も大事にしているのは、やはり「人」なのです。ビジネスは人がやるものですから。

菱川社長は本当によく調べる方で、私の本まで読んでくださっていました。真面目で、技術についても深い知識を持っている。最初は、どこまで会社を大きくしていきたいのか少し見えない部分もありましたが、何度も話して食事もご一緒するうちに、この方なら一緒に前向きなことに取り組んでいけそうだと思うようになりました。

菱川代表は、最終的にフォーサイド様をお相手として選ばれた理由をどう捉えていますか。

菱川 様:私は以前、成長計画だけが先行してしまい、実現に至らなかった会社を間近で見た経験があります。ですから、何でも大きなことを言えばいいとは思っていません。実現できることをきちんと考えながら、成長に向けて進んでいきたいのです。

その点、大島社長とは新しいことを考える楽しさを共有できました。今までの事業をそのまま続けるだけではなく、私たちの技術を使って何ができるのかを一緒に話せる。そこに、今回のM&Aの大きな魅力を感じました。

大島代表が経営において大切にされている考え方を教えてください。

大島 様:私は昔から、ものをつくることが大好きです。料理の仕事も営業も、さまざまな事業を経験してきましたが、やはり人が喜んでくれることが嬉しい。以前、店舗事業を経営していた時も、まず働いているスタッフが気持ちよく仕事をできるようにすることを大切にしていました。

仕事は、自分の考えを形にできる場所だと思っています。私はよく「仕事は究極の自己表現だ」と言うのですが、社員にも、やりたいことがあれば遠慮せず提案してほしい。提案を最初から否定してしまうと、その人の可能性の芽まで摘んでしまいます。挑戦して失敗したとしても、そこから学べばいい。そういう会社にしていきたいです。

両社が一緒になることで、今後はどのような挑戦ができそうでしょうか。

大島 様:今後の事業を考えるうえで、私はAIとインバウンドに大きな可能性を感じています。AIを使って業務を効率化することもそうですし、日本のコンテンツを海外に届けることにも、まだまだチャンスがあると思っています。

例えばグループで展開している「Popteen」のようなコンテンツも、発信の仕方を変えれば新しい可能性があるかもしれません。多言語化やAIを活用した新しいキャラクターの企画など、アイデアはいろいろあります。そこに、マカルーデジタルさんのような技術の裏付けがある方々が加わってくださったので、ぜひ一緒に考えていきたいです。

菱川 様:大島社長がAIとインバウンドに関心をお持ちだと伺ったので、その2つを組み合わせた事業アイデアを数多く整理してお渡ししました。その中から面白そうなものを選び、技術的に何ができるか、どう実現していくかを考えていきたいです。

これまでの私たちは、お客様の課題に合わせてWebサイトやシステムをつくる仕事が中心でした。これからはその技術を活かして、自分たちから新しいサービスや事業を生み出す機会を増やしていきたいと思っています。

新しい挑戦の土台にも、変わらず「思いやりの文化」を

社員の皆様にM&Aを伝えた際、どのような反応がありましたか。

菱川 様:伝える前は少し心配していましたが、実際には前向きに受け止めてくれた社員が多かったです。私からは、私自身は今までどおり仕事を続けること、会社がなくなるわけではないことを伝えました。

その際、役員から社員向けに、「これからはもっと挑戦できる会社に入るのだから、新しいアイデアをどんどん出してほしい」という話もありました。当社にはエンジニアが多く、アプリやサービスを世に出したいという気持ちを持っているメンバーが多くいます。これまでは会社の規模もあり、そうした機会が限られていましたが、今後はより挑戦しやすくなるのではないかと期待しています。

これからも大切にしたい、マカルーデジタル様らしい文化はありますか。

菱川 様:みんなが仲良く働いていて、お互いに優しくなれる会社でありたいということです。新しいことへの挑戦は、これまで以上に増やしていきたい。ただ、その土台にある、相手を思いやる文化は変えずに残していきたいです。

今日のインタビューのなかでも大島社長のお話を伺って、社員をまず大切にすることで、一人ひとりが会社のために何ができるかを考えるようになるというお話に、とても共感しました。大切にしていることが近いと感じています。

大島代表から、マカルーデジタル様の社員の皆様に期待することをお聞かせください。

大島 様:せっかく高い技術を持った方々がグループに加わってくださったのですから、その技術を使って、いろいろなことに挑戦してほしいです。世の中にどんな課題があるのかを見つけ、解決につなげることを一緒に考えていきたいです。

それと、失敗した人を責めるのではなく、みんなで助け合えるチームにしていきたい。人は失敗もミスもします。そこで傷口を広げるのではなく、周りが支えて前へ進めるようにする。菱川社長がおっしゃった「優しさ」とも、つながる話だと思います。

対話を通じて、相手を見極める視点を育ててくれた

M&Aロイヤルアドバイザリーの織田はいかがでしたか。

菱川 様:織田さんは、強引に話を進めるようなところが一切ありませんでした。さまざまな候補企業とお会いするなかで、その都度、織田さんとじっくり意見を交わすことができたのは、とてもありがたかったです。

最初は私自身、M&Aで何を重視して相手を選べばよいのか、明確な基準を持っていませんでした。ただ、織田さんとの対話を重ねるうちに、事業の将来性だけでなく、経営者同士の価値観や、社員たちが一緒に働いていくうえでの相性など、さまざまな視点から考えられるようになりました。

自分一人では気づかなかった観点を示していただくこともあり、徐々に相手企業を見極めるための判断軸ができていったと感じています。そうした過程があったからこそ、今回のM&Aにも納得して臨むことができました。

織田(担当コンサルタント):今回のM&Aでは、進める過程で調整が必要な場面もありました。ただ、その都度、菱川様、大島様をはじめ関係者の皆様が丁寧に向き合い、協力してくださいました。特に確認事項が重なった局面でも、皆様のお力添えがあったからこそ最後まで進めることができたと感じています。今回のご縁を、これからの両社の成長につなげていただけることを心から願っています。

株主の信頼に応えながら、マカルーデジタルと共に「次の挑戦」を

最後に、これから両社で実現していきたいことをお聞かせください。

大島 様:上場企業の経営者として、事業を成長させ、利益を生み、株主の皆様に還元していく責任があります。同時に、会社やグループがこれから何に挑戦するのかを、きちんと伝えることも大切です。ガバナンスを強化し、株主の皆様から信頼される企業グループでありたいと考えています。

マカルーデジタルの皆様と、これから新しい事業やサービスを一緒につくっていくことを楽しみにしています。互いの得意なことを持ち寄って、挑戦する人を支え合えるグループにしていきたいです。

菱川 様:私も次の10年で、これまでと同じことを続けるだけではなく、新しい挑戦を重ねていきたいです。技術を大切にしてきた仲間たちが、これまで以上に面白い仕事に取り組めるようにしたい。フォーサイドグループの皆様と一緒に、実現できることを少しずつ増やしていきたいと思います。

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